387 / 428
第7章 冒険者ルーク3
第47話 断罪 8
しおりを挟むハンス達を送り出すと、ものの10分程で馬達と荷馬車を運んで戻って来た。
「ルーク様!戻りました」
「ハンス…やけに早くないか?」
「ええ、それが…我々が城に着いた時にはもう、あれらが用意されてました。それと、馬や荷馬車の他にエルク様の影の方も、何人か此方にこられてます」
「そうなの?誰が来た?」
「聞いてないのですか?」
「ないね。まあ良いよ、兄上が用意してくれたなら有難いし」
そんな話をしていると、俺に挨拶してくる人物がいた。
「ルーク様!」
「ああ、お前が来たのか?セイ」
「ええ、お久しぶりですね?」
「久しぶり。で、兄上の命令か?」
「ええ、エルク様がですが?どうかされましたか?」
「いや、何でもない。セイの他には誰が来た?」
「ベレンとジルド後はアルベマが来てます」
「そうか……。ハンス!サンズと、クレバン呼んでこい」
「はっ!」
「セイ、これからどうすか悩んでるんどけど?」
「おや?珍しいてすね?何をお悩みですか」
「ああ、ほら、保護した女と子供をな?それに、捕らえた者達が多くてな」
「エルク様と御相談されては?」
「ん~兄上の手を煩わせてもなぁ~」
「ククク、そうですか?でしたら私達も協力しろと命令が有りましたから。お使いください」
「……そうか?なら、どうするかな……。騎士達は直ぐに処分だから。まぁここに埋めても良いのだが……」
「う、埋めるですか?」
「ああ、それか森に裸で空から落とす」
「………プッ!そ、それは楽しそうな。ククク」
「だろ?で、後の平民の男どもなんだよ。女達と一緒に運んで良いものか?」
「その、平民は何処に?」
「彼処で、檻に入れてあるが」
「そうですか…では、我々が男達を運びますか?」
「そう?なら、そうして貰おうかな?あの檻を荷馬車に馬の負担になるぞ?」
「そうですね……一人や二人じゃないですからね?」
「ならもう鎖繋いで引きずって行くか?」
「そう……ですか?」
「檻に乗せて楽をさせる事も無いだろうしな」
「ルーク様、因みにですが…」
「なに?」
「このまま、あの転移門を使えば早くないですか?」
「ん~そうはしたくないんだよね」
「なぜ?」
「城に平民は入れたくない。罪人だぞ?」
「まぁ、そうですね……」
……あぁ、そうか!エンケルの門手前に移動するか?あそこなら覚えてるしな。
門番に連絡すれば良いのか!
なら、クレバンに言って貰って警備して貰うのも手だな。
そんなことを考えてると、サンズとクレバンが近寄って来た。
「セイ!少し待ってくれ、クレバンと話すから」
「ええ、構いませんよ?」
「助かる。クレバン!こっちだ!」
「は!お呼びでしょうか?ルーク様」
「あぁ、お前エンケル飛んで門番……隊長に、連絡してくれ。俺らが転移門作ってそちらに移動するから、門を一時人払いしてくれと頼んでくれ」
「…………?あの門の周辺の人払いですか?」
「あぁ、西門の前を一時な?」
「……そう言う事ですか……。でしたら行ってきます!向こうの、用意が出来たらメッセージで、お知らせすれば宜しいですか?」
「あぁ、そうしてくれ、女達をと男どもを連れてくから」
「分かりました!では、お待ち下さい」
それだけ言うとクレバンはエンケルに向かって飛んで行った。
「さて、セイお前達には悪いが、男達を檻から一人ずつ出して、手錠と鎖繋ぐのを手伝ってくれないか?」
「ええ、構いませんよ?」
「サンズ、ハンス他の隊員に転移門で、エンケルに移動することを伝えて回れ!」
「「は、承知しました!」」
そうして移動の準備が終わると、クレバンからメッセージが入る。
1
お気に入りに追加
1,085
あなたにおすすめの小説
次は幸せな結婚が出来るかな?
キルア犬
ファンタジー
バレンド王国の第2王女に転生していた相川絵美は5歳の時に毒を盛られ、死にかけたことで前世を思い出した。
だが、、今度は良い男をついでに魔法の世界だから魔法もと考えたのだが、、、解放の日に鑑定した結果は使い勝手が良くない威力だった。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
令嬢に転生してよかった!〜婚約者を取られても強く生きます。〜
三月べに
ファンタジー
令嬢に転生してよかった〜!!!
素朴な令嬢に婚約者である王子を取られたショックで学園を飛び出したが、前世の記憶を思い出す。
少女漫画や小説大好き人間だった前世。
転生先は、魔法溢れるファンタジーな世界だった。リディーは十分すぎるほど愛されて育ったことに喜ぶも、婚約破棄の事実を知った家族の反応と、貴族内の自分の立場の危うさを恐れる。
そして家出を決意。そのまま旅をしながら、冒険者になるリディーだったのだが?
【連載再開しました! 二章 冒険編。】
リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
婚約破棄ですね。これでざまぁが出来るのね
いくみ
ファンタジー
パトリシアは卒業パーティーで婚約者の王子から婚約破棄を言い渡される。
しかし、これは、本人が待ちに待った結果である。さぁこれからどうやって私の13年を返して貰いましょうか。
覚悟して下さいませ王子様!
転生者嘗めないで下さいね。
追記
すみません短編予定でしたが、長くなりそうなので長編に変更させて頂きます。
モフモフも、追加させて頂きます。
よろしくお願いいたします。
カクヨム様でも連載を始めました。
悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
転生したので好きに生きよう!
ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。
不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。
奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。
※見切り発車感が凄い。
※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる