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第7章 冒険者ルーク3

第47話 断罪 8

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ハンス達を送り出すと、ものの10分程で馬達と荷馬車を運んで戻って来た。

「ルーク様!戻りました」
「ハンス…やけに早くないか?」
「ええ、それが…我々が城に着いた時にはもう、あれらが用意されてました。それと、馬や荷馬車の他にエルク様の影の方も、何人か此方にこられてます」
「そうなの?誰が来た?」 
「聞いてないのですか?」
「ないね。まあ良いよ、兄上が用意してくれたなら有難いし」

そんな話をしていると、俺に挨拶してくる人物がいた。

「ルーク様!」
「ああ、お前が来たのか?セイ」
「ええ、お久しぶりですね?」
「久しぶり。で、兄上の命令か?」
「ええ、エルク様がですが?どうかされましたか?」
「いや、何でもない。セイの他には誰が来た?」
「ベレンとジルド後はアルベマが来てます」
「そうか……。ハンス!サンズと、クレバン呼んでこい」
「はっ!」
「セイ、これからどうすか悩んでるんどけど?」
「おや?珍しいてすね?何をお悩みですか」
「ああ、ほら、保護した女と子供をな?それに、捕らえた者達が多くてな」
「エルク様と御相談されては?」
「ん~兄上の手を煩わせてもなぁ~」
「ククク、そうですか?でしたら私達も協力しろと命令が有りましたから。お使いください」
「……そうか?なら、どうするかな……。騎士達は直ぐに処分だから。まぁここに埋めても良いのだが……」
「う、埋めるですか?」
「ああ、それか森に裸で空から落とす」
「………プッ!そ、それは楽しそうな。ククク」
「だろ?で、後の平民の男どもなんだよ。女達と一緒に運んで良いものか?」
「その、平民は何処に?」
「彼処で、檻に入れてあるが」
「そうですか…では、我々が男達を運びますか?」
「そう?なら、そうして貰おうかな?あの檻を荷馬車に馬の負担になるぞ?」
「そうですね……一人や二人じゃないですからね?」
「ならもう鎖繋いで引きずって行くか?」
「そう……ですか?」
「檻に乗せて楽をさせる事も無いだろうしな」
「ルーク様、因みにですが…」
「なに?」
「このまま、あの転移門を使えば早くないですか?」
「ん~そうはしたくないんだよね」
「なぜ?」
「城に平民は入れたくない。罪人だぞ?」
「まぁ、そうですね……」

……あぁ、そうか!エンケルの門手前に移動するか?あそこなら覚えてるしな。
門番に連絡すれば良いのか!
なら、クレバンに言って貰って警備して貰うのも手だな。
そんなことを考えてると、サンズとクレバンが近寄って来た。

「セイ!少し待ってくれ、クレバンと話すから」
「ええ、構いませんよ?」
「助かる。クレバン!こっちだ!」
「は!お呼びでしょうか?ルーク様」
「あぁ、お前エンケル飛んで門番……隊長に、連絡してくれ。俺らが転移門作ってそちらに移動するから、門を一時人払いしてくれと頼んでくれ」
「…………?あの門の周辺の人払いですか?」
「あぁ、西門の前を一時な?」
「……そう言う事ですか……。でしたら行ってきます!向こうの、用意が出来たらメッセージで、お知らせすれば宜しいですか?」
「あぁ、そうしてくれ、女達をと男どもを連れてくから」
「分かりました!では、お待ち下さい」

それだけ言うとクレバンはエンケルに向かって飛んで行った。

「さて、セイお前達には悪いが、男達を檻から一人ずつ出して、手錠と鎖繋ぐのを手伝ってくれないか?」
「ええ、構いませんよ?」
「サンズ、ハンス他の隊員に転移門で、エンケルに移動することを伝えて回れ!」
「「は、承知しました!」」

そうして移動の準備が終わると、クレバンからメッセージが入る。


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