380 / 428
第7章 冒険者ルーク3
第40話 断罪 1
しおりを挟む「誰だ!」
「私ベイクです。隊長に御客様です」
「なに?客だと…入れ」
「は、失礼します。どうぞお入り下さい」
「ベイク、ご苦労」
「はっ!失礼します」
俺と護衛達が部屋に入るとベイクは、扉を締めその場を離れていった。
さて、俺の目の前に居る国境警備隊隊長は……確かゲルマン・ドメイル……だったかな?
「やぁ、ゲルマン・ドメイル。随分久しぶりだな?」
「誰だお前………は」
「おや?忘れたかな?随分と、年を取った物だな?なぁ、アルトマ・マルトル?」
「………そ、そのお姿は……ル、ルーク様ですか?」
「その姿ってなにかな?アルトマ?ゲルマンは?未だ思い出さないのか?そろそろ隠居するか?」
「……ル、ルーク様……でしたか。これは失礼を、お姿が余りにもお代わりになって要らしたので分かりませんでしたよ。ハハハ」
「そうか?なら、それは不問にしよう」
「それは……有難いですな?それで今日はどうしてこちらへ?」
「嫌ね……少し待て…」
パチンと指を鳴らすと遮音の結界を張る。
「ル、ルーク様今のは?」
「嫌、聞きネズミが、いたのでね?話しを聞かれない様に、しただけだがなにかな?」
「そ、そうでしたか…これは失礼を」
「嫌、構わんよ?ここは田舎で、何の娯楽も無いのだろうしね?」
「は、はぁ、そうですね(チッ!厄介なのが来たもんだ)」
「それで、国境の、門の結界の強化にね来たんだよ」
「はぁ……強化ですか?」
「ああ、我マクウェル家が、いよいよ独立してね?公国を立ち上げる算段をつけたんだよ。その為にな、国境の人の出入りを強化するためにね?私が出向いててなぁ、ここが最後なんだよ。ゲルマン…………殿」
「そ、そうでしたかでしたら魔石が嵌まる場所に…」
「いや、それは構わない。こっちで場所は把握してるよ。あるのはお前のデスクの中だろ?どうやって嵌めた物を、外したのかは知らんがな?」
「そ、それをどうして!」
「どうして?だと……」
馬鹿にも程がある。
全く父上の信頼を踏みにじりやがって、直ぐ分かるのは、俺達がここまで来ることは、そうそう無いと踏んだからだろうな。
それに、外の村だ。
あんなもの迄作りやがって!
どうせリミット王国からの難民何だろうが…毛色の違う輩も混じってるし。
さてどうしたもんか…。
「サンズ!」
「は!」
「城に戻って、この事を報告してこい。兄上か父上のどちらでも良い」
「は!では、失礼を!」
執務室の窓から姿を消して行くサンズだ。中々使える。
「さて、ゲルマン、アルトマ!この事態はどうしてなった?いつからこの国境に渡される、施設費や諸々の費用を使い込んでる?こんな、何もない場所だ自分達の懐に入れて一族に、贅沢させてるのかな?」
「つ!」
「………」
「おや?二人とも黙りか?なら、外の村は?何時からある?確か5年前には、あれは無かったよな?」
「あ、あれは隣国の難民達が個々に流れて来て勝手に村を作ってしまい……」
「ほぅ……勝手にね?なら、父上に報告はしてるの?取り締まれば、村なんて出来ないよな?」
「そ、それは…こんな何もない国境の事等お耳に入れる迄もなく。取り締まりも……」
「ふぅ~ん。勝手にね?どう思う?マシュー?」
「そうですね……俺が言うのもなんですが…相当甘い汁をすすっていたのでは?取り締まるなんてしないですよ。でもねぇ……ルーク様…、大人ってイヤらしいですね?」
「……だよなぁ?」
「くっ!」
1
お気に入りに追加
1,116
あなたにおすすめの小説
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。
スキル盗んで何が悪い!
大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物
"スキル"それは人が持つには限られた能力
"スキル"それは一人の青年の運命を変えた力
いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。
本人はこれからも続く生活だと思っていた。
そう、あのゲームを起動させるまでは……
大人気商品ワールドランド、略してWL。
ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。
しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……
女の子の正体は!? このゲームの目的は!?
これからどうするの主人公!
【スキル盗んで何が悪い!】始まります!

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

王女の夢見た世界への旅路
ライ
ファンタジー
侍女を助けるために幼い王女は、己が全てをかけて回復魔術を使用した。
無茶な魔術の使用による代償で魔力の成長が阻害されるが、代わりに前世の記憶を思い出す。
王族でありながら貴族の中でも少ない魔力しか持てず、王族の中で孤立した王女は、理想と夢をかなえるために行動を起こしていく。
これは、彼女が夢と理想を求めて自由に生きる旅路の物語。
※小説家になろう様にも投稿しています。

目つきが悪いと仲間に捨てられてから、魔眼で全てを射貫くまで。
桐山じゃろ
ファンタジー
高校二年生の横伏藤太はある日突然、あまり接点のないクラスメイトと一緒に元いた世界からファンタジーな世界へ召喚された。初めのうちは同じ災難にあった者同士仲良くしていたが、横伏だけが強くならない。召喚した連中から「勇者の再来」と言われている不東に「目つきが怖い上に弱すぎる」という理由で、森で魔物にやられた後、そのまま捨てられた。……こんなところで死んでたまるか! 奮起と同時に意味不明理解不能だったスキル[魔眼]が覚醒し無双モードへ突入。その後は別の国で召喚されていた同じ学校の女の子たちに囲まれて一緒に暮らすことに。一方、捨てた連中はなんだか勝手に酷い目に遭っているようです。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを掲載しています。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

【連載版】婚約破棄? 私が能無しのブスだから? ありがとうございます。これで無駄なサービスは終了致しました。
ごどめ
ファンタジー
辺境地の男爵家の令嬢であるリフィルはとある日、都からやってきたダリアス侯爵に見初められ婚約者となるが、突然婚約破棄を申し渡される。
それを喜んで受けたリフィルは、これまでの事を思い返す。彼女には貴族の嗜みである上位魔法の中でも、少し変わった『魔力提供』という物でこれまでダリアス侯爵を支え続けてきた。
しかしそれも婚約破棄によりそんな事をする必要性が失われる。リフィルからの魔力支援が無くなった彼が勝手に失落していくであろう事を想像して、リフィルはひとりほくそ笑む。
しかし、田舎へ帰るはずの馬車はリフィルの知る道ではなく見知らぬ山道。そこで突如野盗に襲われてしまうのだが、そこに現れたのは以前から想いを寄せていた伯爵令息のシュバルツだった。
彼に助けられ、そして彼と接していくうちにどんどんと彼に惹かれていくリフィルは、彼と二人で幸せになる道を選ぶ。
リフィルの力により、シュバルツは飛躍的にその力を覚醒させ、そして彼は国を守るほどの英傑となり、最強旦那様へと進化、変貌を遂げ成り上がる。
必ず幸せになる物語。
ひたすらにリフィルが幸せを積み重ねていくその微笑ましくも逞しい生き様と、能無しだった令息のシュバルツの成り上がりを描く。
※第一部がプロローグ込み全50話あります。短編版から大きく加筆されておりますので短編版をお読みの方でも最初からお楽しみいただけます。
※ややコメディ感強めです。恋愛ジャンルのつもりでしたが、バトル要素がありますのでファンタジージャンルとしています。
※この作品は小説家になろう様の方にも掲載しておりますが、アルファポリス様の方では加筆と修正、また第二部以降の物語も予定しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる