お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)

いくみ

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第7章 冒険者ルーク3

第37話 報告する前に

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王都の屋敷を破壊して領地に戻って来たルーク達は……。

「兄上、お疲れさまでした」
「ルー、それは俺がお前に掛ける言葉だな。ご苦労だった、ルーク。お前が居てくれると、時間も金も掛からないから私達は楽が出来るが、心苦しいよ」
「別に……気にしないで下さいよ。兄上、俺は好きにさせて貰ってますからね。それより父上に御報告ですかね?」
「それが…あったか。カイズ、ゼルマンお前達もご苦労。今日は下がってゆっくりすると良いぞ」
「は!ですが私達は何もしてませんでしたから…特には。ですので、訓練に戻ります!」
「……まぁ、偶にはのんびりしてくれ」
「そうですか?」
「ああ、許す」
「でしたら少し、城下に出ても宜しいでしょうか?」
「どうした?ゼルマン」
「いえ、城下に家族が居りまして、その……」
「……まぁ、良いだろう。夕方には、戻れよ」
「はっ!ありがとうございます。エルク様」
「カイズは?」 
「私は…部屋でゆっくりしたいと…」
「そうか、成らば各々で時間を有意義にな?ここで解散だ」
「「はっ!失礼します」ルーク様、失礼を」
「お、おう。ご苦労」

そして兄上の影達は部屋を出ていく。
残ったのは、俺の影達だが……。
まぁ、こいつらにも休みをやるかな?

「メンサス、トレバン。お前らも今日は休んでいいぞ。明日は訓練に戻ってもらうが」
「ルーク様、宜しいのですか?」
「本当に?」
「構わないぞ?また、明日から頑張ってくれれば」
「は!承知しました」
「では、ルーク様。本日はお言葉に甘えさせて頂きます」
「ああ、ゆっくりな?」
「「は!」」

兄上の影同様、俺の影二人も部屋を出ていった。
すると入れ替わりにセバスがワゴンを、押したサリーと二人リビングに入って来る。

「お戻りと聞きましたので、お茶をお持ちしましたが、如何いたしますか?エルク様、ルーク様?」
「お茶か…兄上どうしますか?」
「そうだな、折角セバスが用意したお茶だ。飲んでから父上の部屋に出向いても遅くはないか」
「そうですか。なら、セバ頼むよ」
「畏まりました。ではご用意致します」

セバスの入れたお茶を飲みながら兄と久々にゆっくりと話す、
父の執務室に行くのを忘れる程に話も弾む。

「で、ですね?兄上」
「なんだい?未だあるのかい」
「ええ、それは飛びきりの情報ですよ?」
「なんだい勿体ぶって?」
「それがですね……」 
「お前達!」
「えっ…?あっ!これは父上」
「どうされましたか?突然現れて」
「どうされた……じゃないだろう?」
「……あっ!兄上、父上に御報告するのでした」
「そうだったな?少しのつもりが、大分時間が経っていた様だ」
「すみません。父上、伺おうとは思っていたのですが、ルーの話が面白くて」
「兄上面白いとは、失礼では?私は…」
「お前達…仲が良いのは分かったから、報告だけしてくれ。全くお前達は…」

アハハ、確かに夢中で話してたか…。
まっ、でも報告だから…無駄話はしてない筈だ…うん。

「そうでしたね、今ここで報告しても?セバスにお茶を入れさせますが」
「……まぁ、良いだろう。セバスの入れた茶も旨いからな」
「フフフありがとうございます。旦那様、今日のお茶は、ルーク様の菜園から採取したお茶でございます。緑茶と、言うものだそうです」

 セバスがどうぞと言い木で作った茶托に、取っ手のない茶碗が乗った茶と、茶請けの菓子を一緒に父上の前に出した。

「ほう……これはまた見事な緑だ。それにこの菓子は?」
「ええ、少し苦味が強いのですが旨いですよ。それと、茶請けの菓子ですね。茶の苦味と甘いものを一緒に食すと、愛称が良いのです。父上どうぞ」
「ほ、ほぅ……そうか?なら……………ん!苦い茶だな。それでこれを食べるのか?……むぅ………甘味がいいな?そしてまた茶を飲むのか?…なんともこれは!」
「填まりますよね、父上……。私もルーに進められて、食しましたが…なんとも」
「フフフ。でしょ、お二人とも?」
「ルーク、これは何処で買うのだ?」
「買う…ですか?」

俺が困った顔をするとセバスがフォローしてくれた………助かるよ。

「旦那様、こちらはルーク様の手作りです」
「はぁ?…またかルー」
「ハハハ。兄上またですよ」
「まったく、ルークには、本当に驚かせられるな?」

 そんなつもりは、全くないぞ。
 俺は好きなようにしてるだけだしな?
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