お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)

いくみ

文字の大きさ
上 下
327 / 428
第6章 冒険者ルーク2

第48話 拾ったのは……

しおりを挟む


ルークが叫ぶとイールが目を覚ます。

『あ!ご主人だ!おはようでいいの?』
「イール…………」
『なに?』

コテンと首を傾げる。

「これは……お前か?」

山積みの獣の死骸に向けてルークが指をさす。

『そうだよ!ボクが誉めて貰うの』
「誰に?」
『え、ご主人にだよ』
「これを俺に見せる?誉める………。イーーール!」
『ピィ!』
「いいか!イール。こんな物を持ってこられても、俺は誉めない!お前、次こんなことをしてみろ!お前との契約は解除するからな!」
『ピィィィーーィ。なんで……喜ばない?せっかく食べないで、我慢して持ってきたのに……』

イールがルークに怒られてしょんぼりとする。
要るかよこんなもん。と言いたいが……。

「良いか、これを直ぐに片付けろ!取ってきた場所に戻せ捨ててこい!いいな?」
「ル!ルーク様それは、不味いです」

おっと、そうだな……捨てたら魔物が集まる可能性が大だ。
それはそれで、厄介なことになる。

「あ!そうか……ったく、仕方ねぇ」

ぶつぶつと文句を言って、獣の死骸をイベントリィに一度仕舞ったが……。
処理はどうする?
メニューを開くと……まぁまぁな素材が有るな。仕方ないここで怒ってもこいつは響かないんだろうなぁ。

『ピィ……なくなった……お腹減った』

あ~駄目な子を拾っちゃったかな?これは……。
と、反省しつつベランダの血溜まりをクリーンで綺麗にして。汚れが取れた所を浄化して窓を閉めた。

「さて、着替えて飯か……。はぁ食欲……萎えた」
「ルーク様……イールは?」
「あ!仕方がない、俺が連れて来てるからな。イール飯食うぞ」
『ピィーー。ご主人、ご飯食べる!』
「ハイハイ。少し待てよ、着替えるから」

手早く着替えてセバスとイールを連れて、食堂に向かうと既に食事をしていたオルタ達に何故を、騒がしくしていた?と聞かれる。

「来たかルークよ、朝からお前は元気だな?」
「そうだぞ?随分と騒がしかったが?害はなさそうだったので、お前の部屋には出向かなかったが。どうした?」
「朝から、イールがやらかしたからな!それで騒ぎになった。すまなかったな?」
「ククク。嫌構わんよ?楽しくて良いなぁお前は!」

オルタが、そう言って笑う。
……むぅ……。

「ま、そう不貞腐れるなよ?飯を食え!ワハハハ!」
「それはどうも……。オルタ、ウオル。イールがもう少し大人しいと、良いのだけどね?」
『ピィーボクいいこ~』
「コラ、煩いよ!静かにしろよ?」
『ピィ~』
「そう怒るな、主……。そやつは未だ子供……言ってもあまり聞かぬ。ゆっくりだ」
「はい、はい。それは分かってるんだけど……なぁ~」

なにをやらかすかのか、想像が出来ない。

「ほら、飯食え。今日はどうするのだ、またお前がなにかするのか?」

オルタに食事をしろと、進められて席について運ばれてきた料理に手を合わせ食べ始める。
そして、オルタの質問に答える。

「ん……今日はこの後、西の空き地を開拓予定だな」
「またか?なんでそんなにお前が働くのだ。また、魔力を使うのか」
「……そうだけど……なに」
「………そうか。なら、我らも行こう」
「へっ、どうした。ここで、ゆっくりしててもいいぞ?」

 そんなに心配される事でもないだろ?
なんかこのドラゴンさん達は俺に過保護なんだが……?

何で、こんなに懐かれたのやら?
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

妹が聖女の再来と呼ばれているようです

田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。 「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」  どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。 それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。 戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。 更新は不定期です。

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

義妹がいつの間にか婚約者に躾けられていた件について抗議させてください

Ruhuna
ファンタジー
義妹の印象 ・我儘 ・自己中心 ・人のものを盗る ・楽観的 ・・・・だったはず。 気付いたら義妹は人が変わったように大人しくなっていました。 義妹のことに関して抗議したいことがあります。義妹の婚約者殿。 *大公殿下に結婚したら実は姉が私を呪っていたらしい、の最後に登場したアマリリスのお話になります。 この作品だけでも楽しめますが、ぜひ前作もお読みいただければ嬉しいです。 4/22 完結予定 〜attention〜 *誤字脱字は気をつけておりますが、見落としがある場合もあります。どうか寛大なお心でお読み下さい *話の矛盾点など多々あると思います。ゆるふわ設定ですのでご了承ください

【完結】平凡な容姿の召喚聖女はそろそろ貴方達を捨てさせてもらいます

ユユ
ファンタジー
“美少女だね” “可愛いね” “天使みたい” 知ってる。そう言われ続けてきたから。 だけど… “なんだコレは。 こんなモノを私は妻にしなければならないのか” 召喚(誘拐)された世界では平凡だった。 私は言われた言葉を忘れたりはしない。 * さらっとファンタジー系程度 * 完結保証付き * 暇つぶしにどうぞ

学園の聖女様はわたしを悪役令嬢にしたいようです

はくら(仮名)
ファンタジー
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にて掲載しています。 とある国のお話。 ※ 不定期更新。 本文は三人称文体です。 同作者の他作品との関連性はありません。 推敲せずに投稿しているので、おかしな箇所が多々あるかもしれません。 比較的短めに完結させる予定です。 ※

王女の夢見た世界への旅路

ライ
ファンタジー
侍女を助けるために幼い王女は、己が全てをかけて回復魔術を使用した。 無茶な魔術の使用による代償で魔力の成長が阻害されるが、代わりに前世の記憶を思い出す。 王族でありながら貴族の中でも少ない魔力しか持てず、王族の中で孤立した王女は、理想と夢をかなえるために行動を起こしていく。 これは、彼女が夢と理想を求めて自由に生きる旅路の物語。 ※小説家になろう様にも投稿しています。

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです

ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。 女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。 前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る! そんな変わった公爵令嬢の物語。 アルファポリスOnly 2019/4/21 完結しました。 沢山のお気に入り、本当に感謝します。 7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。 2021年9月。 ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。 10月、再び完結に戻します。 御声援御愛読ありがとうございました。

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

処理中です...