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第6章 冒険者ルーク2
第47話 イールのやり過ぎ
しおりを挟む「さて風呂入って、ゆっくりするかな……」
浴室に向かおうとしたら、どうやらイールが起きたようだ。物音で起きたのか?
『ピィ!主……?』
(なんだイール?起きたのか?)
『おきた!遊ぶ?』
(遊ばないよ)
『なんだ………遊ばないのか……』
(明日また遊んでやるから。今日はどうする?外で寝るか?)
『いい、ここにいるよ』
(そうか?ならおとなしくな?)
「ピィ~!」
そう言って、イールの頭を撫でて風呂場に向かった。
風呂に入りさっぱりして、リビングに戻る。
キッチンの冷蔵庫の中から、冷やしておいた水をグラスに入れてグイっと飲み干す。
「ふぅ~」
一息溜め息を付くとソファーに座って、ボーッとするとイールが俺が風呂から戻ったのが分かったのか、裸でパンツ一枚の俺の肩に乗ろうとする。
「ピィ~」
「ち、ちょっと待て!お前は、ここに停まれ。今は肩は無理だ!」
『ええ、なんでぇ~?』
「良いから。来るなら、ここにこい!」
『ピィ……つまらない』
そう言いながら、羽を毛繕いするイールである。
「なら外で少し遊んで来いよ?ほら、好きにしてて良いぞ?」
それだけ言って、立ち上がり部屋の窓を開ける。
『ピ!ピィ~。……行ってくる』
少し寂しげにイールが答えて……窓から外に飛び立って行った。
すまんね……イール。
だから言ったろ俺と来てもつまらないと。
「さて、俺は寝るかね明日も朝から大変だしね」
ルークはパジャマに着替えると、ベッドに入りごそごそと布団に潜り目を閉じて眠りにつく。
その間…………。
イールは、翼を広げて空を飛び羽を伸ばして遊泳中……。暫く空を飛んでると獲物を見つける。
そして……『ピィー!獲物見つけたぁ~』
と、獲物目掛けて低空飛行し素早く獲物に近付いき、足の爪で獲物を狩る。
『……旨く取れた……。持って帰って、ご主人に誉めて貰う……。ピィ~』
一鳴すると、ルークの部屋のベランダに戻る。
掴んでいた魔物を床にポィと離して落とす。
その行動が一晩で何回か続く。
朝にはルークが山積みの獣を見つけ、イールに雷を落とすことになる。
――――次の日の朝―――――
「おはようございます。ルーク様……朝です!起きて下さい。今日は朝からお仕事でしたよね?起きて下さい!」
「……………ん……あさ?朝ね……zzz……」
薄目を開けてセバスに答えるが。また眠ってしまう。
「ルーク様!起きて下さい!」
仕方ないですねこの人は……それに、何ですか!窓を開けてお休みになったんてすか!閉めますよ!
「まったく……………」
セバスが、ルークの部屋のベランダの窓を閉めようと窓に近付き、窓枠に手を掛けて閉めようとして、一瞬床に目を向けたところで……セバスの動きが止まり「ぎゃーーーー」と叫ぶ!
普段冷静なセバスが、ベランダの惨状を見て大騒ぎする。
「ル、ル、ル、ルーク様!なななな、何ですかこれは、ひぃー!ルーク様お、起きて!」
その騒ぎに目が覚めたルークは、セバスに、煩いと恫喝するが……あまりにセバスが騒ぐのでセバスの話しを聞く。
「セバ!煩いよお前!なんだよ………朝から……」
「そ、そんなことを言ってる場合ではないです!ルーク様。べベランダ見てください。ベランダを!!」
「なに?ベランダ?」
パジャマのまま、ベッドから下りてベランダに行くと……………獣が山積みの状態で………若干不快な匂いも漂う………。
「う!ギャーーーーー!イール!これはお前か!」
と、ルークの叫びが屋敷中に響く!
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