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第5章 冒険者ルーク1
閑話 ラムセス、サクロス 4
しおりを挟むラムセスが、サクロスにニコリと笑って頷いて答える。
「その、まさかだよ。サクロス」
「そうか!アハハハ。そうか!あの方か?」
「ハハハ!そうだよ。渡された、役に立てろとな。スゲーだろ?」
「あぁ、スゲーよ……」
「何を言ってるの貴方達は?ちゃんと説明して頂戴!こんな大金!処で?」
用意出来たの?と聞いて来る先生は心配そうな顔をするとラムセスが説明をする。
「先生、俺がお世話に成っている旦那様にね、渡されたたんだよ。お前が使えってね。だからこれは先生に渡すんだよ?それだけあれば暫くは持つだろ?」
「暫く処ではないわよ!ラムセス!新しい施設が経つわよ!」
「まぁ、そうだよね?だけど旦那様から伝言があるんだ」
「何かしら?」
「この国はもう少しすると、暮らし辛くなるそうだ。で、うちの(マクウェル家)領地へ越してこないか?との事だよ?」
「………それは?戦争でも、あるの?」
「いや?違うと思う。だけど旦那様が言ったんだ。引っ越しする気があるなら手伝うとね」
「そう……でも、要らないわ?このお金が有るなら暮らせるもの」
「そうか……なら良いんだね?」
「ええ、無理に越しても子供に影響が出ると困るもの。でも、ありがとうと伝えて頂戴ね?」
ラムセスの誘いを、きっぱり断りにこりと笑う。
「分かったよ。先生、旦那様にはそう伝えるよ?でも、何かあったら連絡してくれよ?冒険者ギルドに伝言頼んだら俺達に連絡が取れるからさ?」
「冒険者?貴方達は冒険者に成ったの?」
「ああ、そうだよ?旦那様が登録させてくれたんだ!登録料も、出してくれたんだよ」
心配そうな顔をする院長先生だ。
「そう……でも、危ないのではないの?」
「危ないけど、助けてくれる仲間も、サクロスも居るから大丈夫だ!心配しないで」
「じゃ俺達はこれで、旦那様が待ってるから帰るよ?先生元気でね?また来るからさ」
「え、もう行ってしまうの?子供達に顔を見せて行きなさいな?」
「さっき、顔見せしたよ?な!ラムセス!」
「おう、だから先生またね?」
「そう?なら仕方ないわね?またね、怪我しないようにね?元気で、また来るのよ?」
「ああ、必ず」
そして、二人は孤児院を後にする。
「さてサクロス!お前にも、良いものやるよ?」
と渡されたのは中位の袋だ。中には鱗が5枚入っていたのだ。
「なんだよこれ?」
中身を見ると今度はサクロスが固まった。
「ハハハ面白れぇ~。サクロス!」
「は!なんだこれは?ラムセス!」
「鱗だよ!ドラゴンのな!ルーク様から頂いたからお前にもお裾分けだ!」
「お前が貰ったのに?俺にも?は!まさかさっきの白金貨ってこれ売った金?」
「そうだぞ!」
「はぁ~。スゲーなぁ。ルーク様は……」
「だよな?早く戻ろうぜ!」
「おう!俺!ルーク樣に一生尽くす!」
「馬鹿!ルーク様に言うなよ?そんな事!」
二人でじゃれながらルークが居る冒険者ギルドに向かって歩く二人である。
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