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第4章 独立

第9話 チェスターの悪意 6

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「「「「「「「ぷっ、ハハハ」ククク」」」」」」

 父と母が声を出し笑うが、後の者達は苦笑する。
 そして、従兄弟が滑稽なインベルトを見て、耐えきれずに笑いだした。

「クク、エル兄!こいつ本当に間が抜けで。詰めが……ククク。ブッ、アッハハハだ、駄目だ、笑える!こいつ、ヒヒ、ヒィ……」

 ラインが笑いすぎて話が全く分からない。

「カミル、ライン黙らせろよ煩い!ククク」
「クク、済みませんね?エルク。こらライン少しは落ち着いて、クク」

 皆笑ってしまって取り留めが付かないな。
 仕方がない、これは俺か?全く損な役だね。
 しかし、ローズを除くと、俺まだ……最年少なんだけど?

「あのさ、インベルトさん?何か勘違いしてるみたいだけれど?あんたの、味方はマルスだけで、後は……居ないと思うぞ?」

 話の途中だったが、笑うのに落ち着いたのか?父も話しに割り込んでくる。

「そうだぞ。先日のマルスの話だと、獣人を雇い居れたようだが……。会ってみたら、案外使えるのでな?ルークに話して割り振ったぞ」
「その獣人もセバスが、しっかり教育してる。ローズの執事に一人と、俺の影になる予定で動いてる。後は……全員解雇もしくは、お引き取り願ったよ?父上とフォルクスが、動いてね」ニッコリ。

 用は首だな……フフフ。受ける!

 インベルトが、俺の顔を見て苦虫を噛み潰したような顔をして睨み付ける。
 睨むなよ……馬鹿!
 すると、やっと落ち着いたのかエルクが話し出す。

「それと……私達の暗殺計画を、随分前から策を練っていたよな?第三者王子と。嫌……国王一家と練って居たようだが。全て、私達に筒抜けだが?インベルトさん」

 何かと、俺様顔でインベルトにフンと鼻を鳴らす。

「ちっ!」

 部が悪いと覚ったのか、インベルトは慌てて立ち上がり部屋を出て行こうと立ち上がり、ドアノブに手を掛けるが、ドアノブには手が届かない。

「何処に行くのかなぁ?インベルトさん?」
「ル、ルーク、貴様何をした!」
「別に?あんたが、この部屋から出れない様にした、だけですが?何か?」ニコリ。
「き、貴様!この化け物が。分かった成らば俺がお前を、切ってくれるわ。ルーク覚悟しろ!」

 と、腰に下げていた剣を抜いた。

 化け物って、酷いなぁ~?傷つくなぁ。ちょっとチートなだけじゃんよ?悪巧みしたあんたが悪いよ?
 剣も抜いちゃ駄目だよな、覚悟……?
 なんの覚悟が居るのかな?

「あんた本当に、馬鹿なんだな。こんな所で剣なんか抜いても、全く意味がないよ?」
「そうそう、ここに何人魔法使いと、剣士が居ると思ってる。眼が悪いのかな?」

 カミルが、インベルトを煽る。

「う、煩い!カミル私に意見をするな!」
「意見じゃないぞ。インベルト忠告だな、しっかり今までの貸しは、返して貰うぞ?!なぁローズ」
「えぇ、今までルーお兄様ばかりに、怪我を負わせ。自分の非を認めなかったのですもの。ましてや私を、あの第三王子に……なんて卑劣な!」

ローズが怒りを現す、全くその通りで有る。

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