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第2章 マクゥエル公爵家領地
第16話 気遣い
しおりを挟む部屋を慌てて出ていった、チェスターと入れ替わりに、セバスとメイドがワゴンを押して、部屋に入って来る。どうやら、お茶を出すタイミングを計って居た様だ。セバスはチェスターに、茶を出す気がなかったのだろう。
しかし、この執事達の気の使い方……凄くないか?
まぁ、お茶を出すタイミングはバッチリだけどね。
「母上、それで。私が戻ったのでこちらへ?」
「そうですよ?予定より早い戻りで驚きましたよ?何時もの戻りでは、無かった見たいですから。影からの連絡があった時は、こちらも焦りました」
「ははっ!私も驚いたんですよ。しかも、手痛くされました」
「まぁ、何処か怪我でもしたのですか?」
「ええそれはもう。此方が手を出せないのを良い事に、好き勝手やりたい放題ですね。しかも予定より早く追い出されたので、驚きです。俺じゃない!そうですよ?」(笑)
影からの報告は無かったですか?と聞いたら。
「そこまで詳しくは。はぁ~ルーク大変でしたね、傷は何とも無いですか?」
「ええ、大丈夫です。ですがチェスターに、トドメを喰らいましたが」
「まぁ………チェスが、またなの?痛かったでしょ?」
「ええ……朝から湯殿で大騒ぎ。挙げ句に私が気絶させられて、セバスが激怒し。マルクス爺に、急遽ここまで来て頂いて。私の治療するというね」
「まぁ、なんて事でしょう。自分の弟でしょうに。ルーク、ごめんなさいね。私の育て方が悪かったのかしら、野蛮な兄様ですね大丈夫ですよ。後できっちりお仕置きです(ええ!きっちりね!)」
リエルはハンカチを出して、涙ぐむ。
「母上。芝居は良いですよ」
しかし成人過ぎの大の息子を、どうやってお仕置きするのか………見たくはないが、少しだけ興味があるのは……何故だろう!
あ~みて笑いたいからか。(笑)
「あら、わかってしまいましたか?」
そう言ってクスリと笑う母。
「それで…私の情報が入ってこちらに?」
「それもありますが。今回こちらに戻ったのは、例の算段が着いたらしいと、言うことよ。詳しい事はガウルに聞いて下さいね」
「……………分かりましたよ。母上」
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