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新たな町へ
695話 秘密だし。
しおりを挟むそれから、無事に村に入れた俺たちだけど、なんか村の人達には見られてる。
つか、怪しまれてる。
何にもしないよ俺たちは。
それに村の案内人まで着いてきてるし。
小さな村で案内人なんて要らんだろ?
それこそなんか変な村だ。
これは選択間違ったな。
うん!素早く撤退だな。
その村は、やはり小さな村で何の変哲もない村。
でも、ちゃんとした店なんかは一応は有るようで、今は雑貨屋に案内人に案内をして貰ってる。
俺たちが村に来た理由は、食糧の調達がメインと告げたので、村に入る許可が出たんだよな。
だから村には入れたが滞在は無理だと断られた。
カシューが、案内人にこの村の特産品は?と訊いたら、小麦と大豆と教えてくれた。
こ、これは何の変哲もないなんて言って失礼だったな!
見つけたぞぉ~大豆!
お豆さん。それに有れば枝豆さん!
此で豆腐が作れ…る!
が、ネットが有ったな。
なんだ、やっぱり何の変哲もない村だな。
だが、仕入れるぞ!カシューの側に行き買うぞ!と合図して、案内人に聞こえない様にこそこそと相談する。
「コソ(カシュー、豆は買うからな)」
「コソ(了解ですよ。なら、案内人に言いますが、どれぐらい買い求めるんです?)」
「コソ(売って貰えるだけを訊いてみて)」
「コソ(了解です)」
そんな会話の中、カナルにも目配せすると「うん」と頷いて、カシューは案内人と会話を再開。
「大豆が有るなら、少し分けてくれないか?それと、大豆になる前の豆も買いたいが、そっちは有るか?」
「はぁ?大豆を分ける?あんなもん買いたいのか?それに青い豆もか?あれは食えんだろ?」
ふぅ~ん枝豆とは言わないんだね。
青豆かぁ~それも有るなら是非買いたいなぁ旨いよあれは。
「そうだけど、何か変か?」
「変だろ?麦なら未だしも、青豆と大豆なんて、俺らの村では厄介な物んだ」
「厄介な?特産なんだろ?」
「まあ特産ではあるがな、あんなもん煎って食べるしかない。あと青豆は毒だぞ!だから、豆は全部乾かして豆もにした物だけを、商人が買っては行く。けれどあんなもんは、この村の奴らはだれも食わんよ」
変な村だぜ!
勿体ない。
「そうなんだね?ならおじさん、青豆と大豆を売って貰っても良いかな?」
「お、なんだ坊主、兄ちゃんに買って貰うのか?」
「そうそう、兄さんに買って貰う。ねっ、兄さん売って貰えるだけ、豆は買ってもいいかな?カシュー兄さん」
店屋に行くまでそんな話をしてると、店の前まで来たので、案内人が先に店に入り、店主になにやら話をすると、俺たちを店に招き入れてくれた。
その店の店主らしい人は、怪しげに俺たちを見るが、客だと案内人に訊いたのか、俺達に話し掛けてきた。
「大豆と青豆が欲しいと訊いたが、なんでまた?あんたら冒険者だろ?あんなもん何に使うんだ?」
「ええ、そうです冒険者ですよ。豆は料理に使うんですよ。コイツが料理してくれるのでね」
「は、三人で旅か?それにそっちのけ小さいのが料理だと?」
「まあ、そうですね」
「おい、チビっ子お前さん、こんな豆でどんな料理を作るんだ?」
「………それは秘密だよ、おじさん。俺は、チビっ子なんかじゃないよ」
ち、チビっ子って!そんなに小さいか?俺は。
そんな事を言うオッサンには、料理のレシピなど教えてやらん!
「ハハそりゃー悪かったな。で、どんな料理が出来るんだ?」
しつこい!
「秘密だし」
「そ、それより店の中を見て貰えないか?」
カシューが慌てて話を変えた、良かった余りチビチビ連呼されるとブチ切れそうだしな。
「秘密ね。はん、こんな小さな店、見ても何にもないよ。まぁ~見たきゃ見れば良いさ、欲しいもんが有ったら言いな」
諦めたな。
切り替えはぇ~俺らを金づるとでも思ったのかな?
「ありがとうございます。なら、見せて貰いますね」
さてどんな物が有るかな?
大豆以外はどんなも物が置いてあるのかな?
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