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新たな町へ

694話 いざ村へ!

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 会議の末、結局見切り発射が採用。

 ってどう言う……。

 ま、決まった事は仕方ないので、俺は二人はの後を着いて行く。
 今回は弟の役だし。

 つう事で、道すがら俺はうっすらと認識阻害の掛かった外套を、羽織って歩く。

 三人共に冒険者らしく見える様に、ちゃんと外套……マントは羽織ってる。

「(よし、村に入るぞ!)」
カナルの小声ぇ~。

「おい、そこの、止まれ!なにしに此村に来た」

「いゃ~ねぇ!あっちの、あの森で、どうしても欲しい薬草採ってたら、今夜泊まる宿に困っちまってさぁ、良ければ此村の宿屋に泊まれなかな?と思ってさ」

 カナルの軽いノリで果たして通用するのか?

「兄さん、それじゃ分からないよ、すみません。実は俺たち、野宿にするにも手持ちの食糧が尽きてしまってて、困ってたんです。それで、偶々森を出た所にこの村が見えたから、ここへ来たのです。それで、もし良ければ村に入れて貰えないですか?」

 ダメなら食糧の調達くらいは出来ないかと、門番達に訊いてる。
 おっと、ビックリ!

 カシューが、キャラ作ってるし。しかも、硬い口調の真面目な弟設定でカシューが実演中。
 どっちも普段通りだけどな。

 俺はカシューより更に、大人しい弟設定だから黙ってる。

 でも、この門番達には俺の事は認識して貰え無いかもね。
 うっすらはとは見えてるとは思うけど。

 俺は外套越しにちらりと門番を見る。

「そ、そうか。なら、少し待て」

 少し焦った様子で門番が一人、村の中へと消えて行く。
 残ったもう一人の門番に、カナルが軽い口調で何かを話しかけてる。
 それを隣に立つカシューが、いなす様に硬い口調で詫びると言う、三文芝居を繰り広げ中。
 お前らやり過ぎんなよ?
 後で、刷り合わすの大変だから。
 俺は後ろでハラハラして会話を訊いてる。

「そうか、お前ら冒険者だったのか。だったら、ギルドカードを見せてくれ」

 もう一人残った門番が、俺たちをの事を怪しんでるらしく、カードの提示を求めて来た。

「分かった、ホラよ」

「………」

 無言でカナルのカードを受け取った門番は、カナルのカードをまじまじと見る。
 門番はカナルのカードを見終わると、今度はカシューのカードも見せろと言ってきた。

「そっちのお前、お前のカードも見せてくれ。済まないな、決まりなんでな」

「いえ、構いませんよ?」

 そう答えると、カシューはカードを鞄から取り出すと、門番にカードを渡す。

 因みに、俺は持ってない提で済ませるつもりだ。
 何せ見た目が子供に見えるらしいからな。

 それもなんだか複雑な気分だがな。

 門番は、カシューのカードも確認してカシューに返す「ふうぅ~」と息を吐くと落ち着いたのか?冷静な態度で俺たちに話掛けてきた。

「お前ら、Cランクの冒険者なのかよ」

「ま、まあそうだが?それがなにか?」

「何かじゃねぇよ!お前ら凄げぇんだな」

 おや?たかだかCランクの何が凄いんだ?

 むぅ~Cランクだぞ?



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