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新たな町へ

687話 暫くの間の配置替え 

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「さて、これで暫くは食べて行けるかな?」

 倉庫に出した物を四人で手分けして整理をして、俺はグレドに確認した。

「おう、これだけ有れば十分だぜ」

 整理の際、次いでとばかりボアを一体出して、四人に混じって解体の手伝いをしたが………グロかった。

「じゃ、次の仕事を頼みたいんだけど、未だ疲れて無いかな?」

「大丈夫だがよ、旦那そろそろ昼じゃねぇか?」

「……むむ、おお~もうそんな時間か、なら君らは昼の準備だな。けど、午後からも料理の仕込みを頼めるか?」

「おう、次いでだからガッツリ仕込むぜ。ベントン達に持たせる弁当も、作らんとならんからな」

「はは、宜しく。それじゃ俺は、ゲイルとたちと話があるから、一度ここから離れるぞ」

「おう、大丈夫だぜ。こっちは任せろ」

「頼むな」

 俺は厨房から出ると、リビングの中に入った。
 すると、ニングスを始めとした使用人たちが座って談笑してた。
 二人を覗いた皆が勢揃いだった。
 二人ってのは、ケイトとベントンだな。
 どうやら未だ畑の仕事が終わらないみたいだね。

「おや、お疲れ、みんな仕事は?」

「旦那様の指示待ちですよ。午前中の仕事が有る者は、済ませてますよ」

「そうか、もうそろそろ昼だしね」

「はい。お昼のメニューは何か楽しみなんです」

「ハハそうかい? レクス君も屋敷に慣れたみたいだね」

「はい、仕事大変だけど楽しいです」

「それは良かった。ニングス、親子で仕事出来て良かったな」

「はい、旦那様には感謝しております」

「感謝は別に良いよ。楽しく暮らそうよ皆でね」

「「はい」」

「それにしも、ゲイルとモルマンには暫くは負担を掛けるな」

 他の皆にもだけど。

「大丈夫、任せろ」

「屋敷の警備は任せてくれよ。旦那は早く移動先見つけてくれ」

「ハハ、頑張るよ。それから皆にも一応話しておくな、俺たちが外に出てる間の、屋敷の事だけど。屋敷に張ってある結界を強化して出かけるから、心配は無いと思う。だけど、一応は警戒はしててな」

「それは任せて下さい。私たちは、屋敷の外には出ませんから」

 と、ケイルス君がにっこり笑った言ってくれた。

「そうそう、外に出なくても食べて行けるしね。絶対、外の方が危ない気がするし」

「まあ、そうだけどな。あ、そうそう、ベントン達が居ない間は、畑と馬の世話を頼みたいんだが、誰か出来るか?」

「大丈夫、畑の世話も馬の世話も出来るから大丈夫」

「俺も出来るから、心配はない」

 マイナとゲイルが率先して、仕事を遣ってくれるみたいだけど、二人に負担がかかるなぁ。

「旦那様、心配はしないで下さい。ある程度なら、畑仕事は皆で出来ますし。なんなら、マイナとゲイルの二人には、馬と畑の世話に集中して貰い、その分二人の担当だった仕事は、我々残った者で振り分けて片付けますから、ご心配要りませんよ」

「そうか。なら、マイナとゲイルはそれでも良いか?」

「別に構わないよ? 畑と馬の世話すれば良いんでしょ?」

「俺も構わないけど、時間が余ったら?」

「二人とも、勉強する時間に充てたらどうだ?」

「ああ、それが有った」

「分かった、訓練は?」

「モルマンが居るし」

「ああ、納得だ」

「だがなぁ~、あと一人門番を誰か……」

 悩む。

「俺は別に構わないが?」

「そうか?でも、なぁ~だったらさぁ、今後門番立たなくて良いよ。もうさ、うちには誰も来ないだろうし、門番なんて仕事は無しだ」

「ええ、なら俺はどうすれば」

「モルマンは、ゲイルや他の子どもたちの稽古の相手と、後はガインの仕事を手伝いかな」

「そ、そうか。だが、ガインの仕事は……」

 手先が器用じゃないんだったよねこの人。
 大丈夫かな?

「モルマン大丈夫だ! 力仕事が残ってるからな。任せろ指示はする」

「わ、分かった。お手柔らかに頼む」

「おう、任せろ」

「良かった。ならこれで振り分け出来たのかな」

「まあ出来てますね。取り敢えず穴は有るでしょうが、各々気がついたら遣るかんじで、宜しいのでは?」

「そうですね、今までもそうして来ましたから」

 と、ケイルスとニングスが話す。

 俺は、その二人の会話を訊いて安心したのだった。



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