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新たな町へ

663話 湯の温度は

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 さて、さて、うどんも食い終わった。
 プチミッションコンプです。

 部屋に戻って俺は風呂に直行することに。浴室に入って先ずは浴槽に湯を溜める。
 お湯の温度は41度ぐらいの湯かげんがベスト。
 それ以上だとのぼせる。
 決して長湯ではないのだがな!
 しばらく湯が溜まるのをリビングのソファーに座ってぼんやりと待つ。
 そしてぇ~浴槽に湯が溜まったら、服を脱いで裸になり洗い場で掛け湯をして、頭と体を洗って浴槽へどぼん。

「ふぅ~気持ちが良い~~」

 うっ、おっさんみたいに息を吐ちゃったよ。
 まあ、元はアラサーのリーマンだったんだしそこはもう良いかね。
 と自虐的な考えが、、根暗過ぎる。

「しっかし、言っちゃ悪いがくっそ不味かったなぁあのうどんとやらは。なんかまだ胃がムカムカしてる。でも塩味のうどんとかあり得ないだろ」


 うどんと言えば、やっぱ、醤油味。
 鰹の出汁がきいて無いうどんとかあり得んし。とか、ぶつぶつと文句を言いながらの風呂タイム。健康に悪そうだ。
 でもなんか解せないぞ!

 風呂タイムは気持ち良く過ごしたいのに。
 ま、お勉強したと思えば…と思って良いのか?
 これも経験だ。
 に、しても本当にこの世界は飯不味だなぁ~。
 パトリックさんの店の味は中々難しいのかな?
 多分だけど、さっきのうどんもどきは、パトリックさんの店のうどんを真似た物だとは思うんだけど、何故あんなに麺が細くて細切れなんだろうか?

 真似だとしても、麺はちゃんと真似した物を出せなかったのかな。それに醤油も仕入れろよ。本当に不思議だ。
 そもそも誰があの料理人に、うどんを教えたのかね?
 人づてでの創作くなんだろうけど、余りにも酷いよな。 
 あの味で、商売するって事が信じられない。このホテルのあのうどんで、良いのかね?
 もう少し、ましに…まあ、関係はないか。
 明日ギルドで金を受け取ったら、また次の町に行けば良いだけだし。

 町はまだあと二ヶ所もあるし。
 この町の下見もまだ済んでないけど。

「って事で、次だな。あんな紛い物を出す宿なんて、ごめん被りたいしな。二度と食いたくない」

 まだ胃がムカムカしてる。

《そんなにですか?》

『お、おう。スープの脂がなんかね』

《おやおや、それは気の毒な》

『なんか、心が込もってないが』

《そうですか? 私なりには心配事してますよ?》

『それは、どうも』

 ナビからの言葉にムッとしたが、一応は礼を言っておかないと、後が怖そうだ。

 風呂から上がって、ビールを……じゃなくて、冷たい烏龍茶を出して一口飲みベッドに腰かける。

「で、明日の昼にギルドに行けば良いけど、この宿は早く出たいな」

 どうするかな、ギルドに顔出すまでの空いた時間。
 町を散策するにも情報が無いし、適当に朝から町をぶらつくか?
 でもなぁ~それだと不審者に間違わられないか。
 仕方ない明日の朝、宿を出てから考えるか。
 なんなら宿を出る時にフロントで聞けば良いかな。

 …これは考えても仕方ないな。
 よし、歯を磨いて寝るか。
 なんか疲れたよ。おやすみなさい。



 次の日の朝。

 目覚ましで目を覚まして、身支度をし部屋の空間を元に戻して部屋を出る。

 階段を降りてフロントへ向かう。
 フロントに目を向ければ、そこには人が立っていて手続きが終わったのかな? 
 おっさんが、笑顔で宿を後にする人を見送っていてなんとも和やかな雰囲気。
 こういうところも親切なんだな。
 宿自体は良い雰囲気なんだけどねぇ。
 実に勿体ない事だ。
 と、思いながら遠目で観察してたけど、いけねえ俺も宿を出るんだった。

 フロントに向かいカウンター越しのおっさんに鍵を返した。

「はい、確かに。ご利用有り難う御座いました。またご利用くださいませ」

「ありがとう。また町に来たときには、来させて貰うよ」

「あお待ちしております」

 おっさんに、にこりと笑い掛けられたけど、俺はちょっと恥ずかしくて目の前のおっさんから目をそらした。
 あっ、そういえば訊きたいことがあったよ。

「なあ、少し訊きたいんだけど」

「はい? なんでしょう」

「あのさ、俺初めてこの町に来たんどけど、この時間てもう店は空いてるかな?」

「店ですか?」

「ああ、まだ時間が早いから市場とかさ空いてないかな?」

「ああ、市場ですか。其でしたらもう空いてるかと。この宿を出たら、通りを右に歩いて行けば市場がありますよ」

「分かりました、ありがとうございます。なら、行ってみます。ではまた」

「はい、またお待ちしております」

 おっさんに見送られて、宿を後にして教えられた様に通りを右に曲がって、歩き市場を目指した。

 しかし、腹減ったなぁ~。

 市場でなんか食い物探すかな?
 でもなぁ~飯不味だし、悩む。
 市場でなんか探せば一件位旨い物売って無いもんかな?













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