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新たな町へ

656話 宿屋かな?ホテルみたいだけど

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 礼を言ってギルドを出た。

「結構時間がかかったな。今何時かな?」

 懐から時計を出して時間を確認する。

「屋敷を昼過ぎに出て、なんやかんやしたが未だ夕の三つか…」

 午後三時、もう屋敷に帰るかな?
 でも、帰るには未だ早いんだけど帰るか?
 でも、宿を紹介されちゃったから一応行って見るか。
 テクテクと町を歩く。ゆっくりとね歩く。結構大きい町なんだねと感心する。
 さっきギルマスが言ってたけど、国境が近いって言ってたからかな?人が多いい。色んな種族が居るみたいだな。
 獣人も居ればエルフさんもいらっしゃる。  
 ま、人族が大半みたいだけど。
 それに町が結構賑わってる。
 出店も多いし、町のパン屋みたいな店も肉屋もある。 
 服を売ってる店もあるし、アクセサリーを売る店や武器屋と防具屋もある。
 まあ普通の町だね。

 マップを見ながら出店を冷やかして歩き、そろそ宿屋に入っても良い時間。
 小一時間程歩いたところで、ギルマスに紹介された宿に足を向けて宿屋の前に立つ。

「ほほう、ここが宿屋の「猫の居眠り」か。思ってたたよりもでかいね」

 町一番の宿屋と訊いて、どんな宿かと思ったらホテルみたいな外観だ。

 五階建てのホテル。
 ホテルの回りには高い建物が無いからここが目立つ。
 最上階には多分バルコニーが有る様だ。見張らしは良さそうだけどな。
 部屋の値段は高そうだ。

「さて、宿の前で立ってると不審者に間違われる。中に入るか」

 宿の入り口の扉のノブを回し押してから宿の中に入る。

 つか、ここホテル?それとも宿屋が正解?よくわからん。

 宿屋と紹介されたんだから宿屋かな?
 では、宿屋で統一。

 宿屋の中に入ると、キョロキョロしなから歩いて受付フロントの前に近づくと、俺を待ち構えて立っていた男性が、にこりと笑い話し掛けて来た。

「いらっしゃいませ。お泊まりですか?」

「ええ、冒険者ギルドのギルドマスターからの紹介で。あっ、案内状を渡されてます。これを...」

 と、言って男性に案内状を手渡した。

「ありがとうございます。確認しますね。ああ、確かにギルドマスターからの紹介ですね。ではお客様、等宿屋へお泊まりで宜しいでしょうか?」

「ええ、一泊お願いします」

「では、此方にお名前を頂いても宜しいでしょうか」

「はい、ここに書けば良いのかな?」

「ええ、お願いします。簡単で宜しいですから」

「了解です」

 宿帳みたいな物を出して来たから、どんな感じかと思いきや、日本の昔の宿屋の記帳の帳面みたいな感じ。
 A4の紙の上の部分に、間隔を開けて二つ穴を開けて紐で括ってあるやつ。(知らんかな?)
 まさに昭和とかそれ以前の宿屋の台帳を思わせる感じ。

 で、名前をかく。

 ええっと、アキヒコ・ナルミヤと。
 それから……まあ書かなくても良いな。

「はい、書けましたよ」

「はい、ありがとうございます。それではお部屋なのですが」

「あ、部屋のランクのとかあるの?」

「ええ、今ご案内しますね。お部屋は二階からが全て客室になります。二階は大部屋に成っております。部屋は二部屋に区切られておりまして、一部屋十人迄が泊まれます。三階からは全て個室です。お一人様でしたら、大部屋かもしくは三階から上の階の個室でご案内出来ますよ」

「そうですか、でしたら個室でお願いします」

 大部屋なんて絶対無理。

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