上 下
710 / 761
新たな町へ

645話 毎度毎度

しおりを挟む


 毎度の事で狩りに森へ人……狩り違う一狩りに来てて。
 ちっがう、怖いだろが"人"なんて狩らないしっ!

 で、森の中へレッGO!

 森へ行くメンバーは俺含めて三人。

 馬車と馬は、ベントンとゲイルが見ててくれるそうだ。

 馬車は森の入り口……何処こが入り口かは分からんが。とにかく木蔭に止めて、馬と馬車の周りに結界張って魔物と避けもして隠した。

 最初はゲイルも入れて四人で、森の中行こうと思ったんだよね。ベントン一人に留守番って言ったら、凄くビビっちゃって、それも当たり前なんだけど。

「旦那様、こんな場所に俺一人とか!怖いですって!」

「ん~ベントンも連れて行きたいんだけど、馬車はともかく馬がね、隠せないよ。まさかこの森の中へ、馬で突進してくとかは無理だし。そもそも俺は、"馬"無理だし」

 そもそも勇気を出さないと、馬に近づくのは無理だし!ましてや馬に乗るなんて端から無理。
 馬には好かれてるようなんだけど。
 何でだって話。

《獣神の加護のお陰ですよ》

『へっ?なにそれ、獣神?訊いてませんぞ!そんな神居たの?』

 惜しい、そんなの訊いてないし、ご対面もしてないぞ?
 ……………多分。


「馬無理とか!旦那……まだ馬が駄目なんです?」

「煩いよ。カナルくん」

 横に立つカナルを、斜め下から睨み付けた。けど、カナルの背が高いからいまいち睨みが効かない感じ。でも睨んでたのが分かったらしくカナルが目を反らした。クッソ背が高いとかあり得ねぇ~。
羨ましくなんか……ないぞ!

「……なんか、すんません」

 ヘラっと笑うカナルにムッとするが、これがカナルだしな。

「ふん、カナルの癖に」

「なんですか?それ」

「だったら俺が一緒に残る」

「お、ゲイルくんが、ベントンの護衛してくれるのかい?」

 おやおや、大人になった?精神的に。

「なら、済まんがゲイル頼む。ベントンもそれでは良いかな?」

「それなら大丈夫です。話し相手も出来ましたし、ここで馬の世話をして待ってます」

「そう、だったら良いかな」

「任せろ。旦那様」

「おう、任せた。多分四、五時間くらいで戻って来るよ。馬車の中には色々入ってるから、適当に昼飯は済ませててくれ。馬の水や餌も有ると思うからな」

「分かりました」

「ん、分かった。気を付けて」

「おう!じゃ、ゲイル、ベントン頼んだ」

「じゃあ~なぁ~。ゲイル、ベントン」

「行って来ますね」

 二人と馬達を置いて森の中。

 ガサガサと音を立てながら茂みを別け入り、獣道を探して歩く。
 途中に開けた場所を見付けて一休み。
 そこで、俺はカシュー達に水筒を渡すの忘れてて、慌てて渡した。テヘ♡

 それからマップで魔物の気配を探る。

「カシュー、カナル。これ忘れてたよ。歩き長ながらでも飲んで」

「遅いです。俺喉カラカラです」

「ありがとございます。実は俺も」

 済まん。

「ごめん、ごめん。すっかり忘れてたよ」

「いつもなら、事前に用意してましたが、今日はいきなりでしたから。俺達も持ってなくて」

「そうだったね。忘れてたよ」

 そんな話をしていたらマップに赤点発見!居た。

「カシュー、カナル休憩終わり。魔物見付けた」

「えっ、もうですか?」

「そうそう、ここから東に少し歩いた所に何か居る。直ぐには遭遇しないと思うけど、一応警戒は怠るなよ」

「分かりました」

「了解」

「じゃ静かに出発」

 俺を先頭に三人で歩き出す。俺はマップ便りに歩き出す。

 暫く歩いた先に居たよ。
 俺は歩みを遅くして、カナル達にしぃ~っと口許に指をあてて、振り向き小声で話す。

「カナル、カシュー、この先3メートルくらいの先にボアの群れが居るぞ。だから音を出さずにもう少し近づくからな」

「「了解です」」

「よし、もう少し先でまた、止まるからな。音を出すなよ?」

 二人はウンウンと頷き俺に着いてくる。

 ボアの居る場所から1.5メートルくらい離れた場所で止まる。
 魔物群れの様子を伺うと、そこにはボアが10頭程居て何故かのんびりしている。

「カナル、カシュー、ここで魔法を使うからな」

 ウンウンとまた、二人は頷き声を出さない。
 これは…多分余計な音を立てると不味いとちゃんと認識してるんだね。
 流石冒険者、助かります。
 んで、俺はボアに向かってスリープの魔法を放った。勿論エリアスリープ。
こんな魔法有ったかな?謎だけど通用するので気にしない。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公 じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい …この世界でも生きていける術は用意している 責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう という訳で異世界暮らし始めちゃいます? ※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです ※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!  父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 その他、多数投稿しています! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス

於田縫紀
ファンタジー
 雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。  場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

25歳のオタク女子は、異世界でスローライフを送りたい

こばやん2号
ファンタジー
とある会社に勤める25歳のOL重御寺姫(じゅうおんじひめ)は、漫画やアニメが大好きなオタク女子である。 社員旅行の最中謎の光を発見した姫は、気付けば異世界に来てしまっていた。 頭の中で妄想していたことが現実に起こってしまったことに最初は戸惑う姫だったが、自身の知識と持ち前の性格でなんとか異世界を生きていこうと奮闘する。 オタク女子による異世界生活が今ここに始まる。 ※この小説は【アルファポリス】及び【小説家になろう】の同時配信で投稿しています。

平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。

モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。 日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。 今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。 そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。 特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

はずれスキル『模倣』で廃村スローライフ!

さとう
ファンタジー
異世界にクラス丸ごと召喚され、一人一つずつスキルを与えられたけど……俺、有馬慧(ありまけい)のスキルは『模倣』でした。おかげで、クラスのカースト上位連中が持つ『勇者』や『聖女』や『賢者』をコピーしまくったが……自分たちが活躍できないとの理由でカースト上位連中にハメられ、なんと追放されてしまう。 しかも、追放先はとっくの昔に滅んだ廃村……しかもしかも、せっかくコピーしたスキルは初期化されてしまった。 とりあえず、廃村でしばらく暮らすことを決意したのだが、俺に前に『女神の遣い』とかいう猫が現れこう言った。 『女神様、あんたに頼みたいことあるんだって』 これは……異世界召喚の真実を知った俺、有馬慧が送る廃村スローライフ。そして、魔王討伐とかやってるクラスメイトたちがいかに小さいことで騒いでいるのかを知る物語。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...