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新たな町へ
643話 ケイトとベントン?
しおりを挟むカシューとカナル、この二人と一緒に屋敷を出て町の中を久しぶりに馬車を走らせてる。
ああ、普通に町中ブラブラしたい。
海産物買い漁りたい。
そういえば、そろそろ買い漁らないと不味いかな?
じゃ、なくて…商業ギルドに向かってる。
じゃなくて、馬車の御者なんとゲイルだけかと思ったら、ベントンが着いて来たよ。なんでベントン着いて来た?
ふむ……なんでかな?
まあ、放っておこうかな。
そういえば、最近はピクニックに行かなくなったねぇ~。それは置いておいて。
「なあなあ、カシュー」
「なんですか?」
「最近の屋敷の様子はどうだい?」
「屋敷の中?」
「主、それじゃわからないですよ」
「カナル、なにさ?」
「逆に訊きますが、屋敷はってなに?」
「屋敷は屋敷の………あっ違ったね。使用人の皆の様子を知りたいのさっ」
「だったら分かります。最近…そうですね。カナル何かあったっけ?」
「ん~。あっ!ベントンとケイトが好い仲なくらい? もしかしたらもしかしてな?くらいですかね。後は~変わらないです。子どもたちも皆元気ですし。新しく来たルクスくんもまあ、打ち解けかかってますかね」
「そ、そうか。ベントンとケイトがねぇ~。これは屋敷から出した方が良いのかな?」
「えっ、二人を屋敷から追い出すんですか?」
「いや、違う違う。違うって、屋敷はファミリー部屋は有るけど、新婚が住む部屋が無いだろ?だったら外に部屋を借りて通って貰うかなとね」
「ああ、そういう……。ですが...難しく無いですか?」
「え、何が?」
「俺たち全員、あの豪華なお屋敷に住まわせて貰ってるんですよ。それに贅沢な暮らしもさせて貰ってますからねぇ~。突然、ポイット外に出されて部屋を借りても多分馴染めないかと」
「馴染めない?」
「そうですよ、一般的な町の部屋は風呂無し。家賃にも依りますが、汚部屋が多いんです」
「それ、ほんとなのか?」
「ほんとですよ。あの、下見した物件って、どんな感じだったんですか?」
「ん?」
「家の間取りが気になって」
「間取りねぇ~。確か、二階建ての一戸建てで、玄関入って一階は左側に階段が有ったな。階段の下に小さな倉庫が備わってた。倉庫の先に、キッチンと言うか…調理場かなか、有ったな。で、その反対の右側にはリビングと客間が一間。で、二階だけど階段上がって左右に部屋があって、ベランダ付きだったよ。あっ、風呂は無しでも水浴び出来るような場所とトイレがあった。それと外の庭には、井戸があった」
「主様、それは贅沢な家ですよ」
「マジ? でも場所がねぇ~住宅街なんだよ。道には面してるんだけど。ボロ屋だったから、そっくり建て替え無いと人は住めないよ」
「………建て替えですか」
「そう、だからね、お断りするんだ。でも……ケイトの話を訊いたら、少し話しは変わるのかな」
「ま、まあ、ケイト達は屋敷に住みますよ。気にしない方が良いのでは?」
「ええ!そうなの?だったら皆で、お祝いとかしないと」
「ハハ、気が早すぎますよ」
「そうそう、本人たちが主様に報告でもしてからでも、良いんじゃないすか?」
「そう?だったら放っておくかな」
「ですね」
なんか、ナカルもカシューも他人事だな。
仲間意識は薄いのかな?
一緒には住んでるのに。
「ですが、ケイトや俺たちはまだ奴隷なんですよねぇ……」
「ベントンは一般の人」
奴隷って、忘れてたよ。
お前ら、そんな事を今さら言うなよなぁもう。
「ああ、そんなの気にしないでよ。もう皆の首には奴隷の紋はないだろ?」
取っちゃったしね。
「そうですが……」
「ま、君らは十分に俺に尽くしてくれてるし、働いてるだろ。だからもう奴隷じゃないよ。元の一般的な市民だよ」
「つっ……旦那……」
「な、なんだよ、カナル痛いって!カシューもなんだよ」
背中を叩くな痛いよ!
「い、いえ……」
「旦那、俺らを泣かさないで下さいよ。しかも不意打ちってなんですかぁ~もう!」
「えっ、俺なんか言った?」
「………ぐず……旦那ってか!もう、泣かさないで下さい」
「ハハ、スマン」
そんな話を馬車の中でしてたら、どうやらギルドの前に着いたようで、馬車が止まり、御者台のゲイルから、声が掛かった。
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