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新たな町へ

642話 気になる事と

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 ニングスとケイルスと話し合ってから数日後の事。

 屋敷の使用人たちも新しい屋敷に大分慣れてくれた頃……

 俺はニングスを個人的に呼び出して、屋敷の状況確認とニングスの子ども、レクス君の事を訊くことした。

「旦那様、お及びですか?」 

「悪いね忙しいところ呼び出して」

「いえ、構いません。で、私にお話とは?」

「ああ、少しニングスに話を訊きたくてね」

「あの、何をですか?」 

「他の皆は、新しい屋敷に慣れたかな? それと、レクスくんの事少し」

「私と、他の使用人たちも新しいお屋敷には慣れましたよ。前の屋敷より今の新しいお屋敷が気に入ってます。ご心配は無用です。それと息子がなにか?」

「屋敷に慣れてくれたのは良かった。此で当分は心配することは無いかな」

「ハハ、主様が何かやらかさない限りは。ですね」

「それは…まぁそうだね。自重します。はい、ご迷惑掛けます」

「ハハ冗談です。それで、レクスの話しですか?」

「えっと、レクスくんはこの屋敷には慣れた感じかな? 彼とは食事の時に顔を会わすくらいだから。その場では、話しも余りできないし。わざわざ彼を呼び立てて、話をするもの何だかねぇ。彼が萎縮しちゃうと可愛そうだし。なかなか俺も忙しいし」

 実は俺、人の息子さんを個人的呼び出したりしてまでは話したくはない。
 俺は人見知りで人と話すのは苦手だ。

「そうですねぇ。今は私が付き切りで色々と面倒は見てます。時折、グレドの息子ラルフ君が、気を遣ってくれましてね、息子の話し相手になってくれてるようですが」

「そう、なら安心だね。だけど、まだ一人で行動させない方がいいかな?」

「そうですね、子ども達と一緒に行動させるのは、そろそろ良いかと思っております」

「そうなんだね。それなら良い感じかな。俺、最近は子どもたちと話をしてないから様子が分からないけど。レクスくんは子ども好きなの?」

「ええ、下に妹が居るので面倒見は良い方かと。ですから、幼い子供の世話をさせるのは良いかと思っております」

「そう、それはそれでお願いするよ。それでニングス、彼はどうしたいって話してるのかな? この先の事は何か話したの?」

「息子とはちゃんと話しまして、このまま私と此方の屋敷に居たいそうです。そして、仕事ですが此方で何か仕事をさせたいと思っております」

「ん? 屋敷の仕事をかい?」

「はい、何か御座いませんか?」

「そうだなぁ~。今は……つか、彼は何がしたいの?」

「本当でしたら、商人の道を行きたかったそうなのですが。…私としてはその道を歩かせるのは、正直厳しいかと思っておりまして、息子と話し合った結果此方の仕事をさせたいと思っております」

「仕事をか、何か、、だったらニングスと同じ、執事の仕事を覚えて貰うかい?最初は見習いとして、ケイルスの下に着けるか」

「ケイルスの下にですか? 彼嫌がりませんかね?」

 ニングスの下に、息子を着けても良いけど親子で同じ仕事だと、親の目が気になって萎縮すると思うんだよね。
 だから敢えてケイルスの下にって、思ったんだけどね。

「それは、ケイルスくんに訊いてみるしか無いけど。後は~俺と魔物の素材を売りに行くのに連れてくか?」

「あ、主様のですか?」

「そう、だけど…余り気が進まないね、この話しは」

「え、ええ。その……無理に連れて行かなくても」

「ハハ、分かってるよ、冗談だ。レクスくんの仕事だけどね、色んな人の下に着けるのはどうだい? 屋敷の仕事を一から習う感じかな?」

「そうですね、それが良いかと思います。でしたら先ずは……」

「それなら、ケイトの仕事を先ずは見せようか?」

「分かりました、ケイトと私が話してレクスを任せようかと。レクスにも話をしないとなりませんが」

「了解。それなら明日からさせてみてくれ」

「畏まりました。主様、わざわざ息子の事にまで気に掛けて下さり、有り難う御座います」

「良いって、別にさっ。で、話しは変わるんだけど、この前言ってた俺が見てきた物件なんだけど、ギルドに行って断って来るよ」

「そうですか、それではカシューとカナルを護衛に着けて行って下さいませ」

「了解。じゃ早速出掛けてくるわ」

「はい、行ってらっしゃいませ。ですが、余り長居はしないようにお気を付け下さい」

「ハハ心配症だな、分かってるって、なるべく話が拗れない様に祈っててよ」

 その方が早く帰れるかもね?

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