ある日仕事帰りに神様の手違いがあったが無事に転移させて貰いました。

いくみ

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新たな町へ

638話 御披露目は…ふむ…何度目だ?

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 使用人たちの支度が終わるのを待つこと数分。使用人たちがぞろぞろと馬車から出てくる。

 そして、目の前に広がる光景をニングスたち全員が見て絶句してる。笑

「さてさて、皆さん!どうだ? これが完成した家だぞ。これから皆さんが住む家ですよ。ワハハ(家と言うにはでかいがな)」

 俺は、笑いながら両手を広げ使用人たちに出来上がった屋敷を披露したのだが………なにこの反応は。

「「「「「「「「「「「「「「………」はぁ~」」」」」」」」」」」」どうって」

 絶句して声も出者が大半だし。
 だが若干二名程、言葉を発する者が居るぞ。一人は溜め息だけどな。
 まあいい、放って置こう。

「さて、皆さん。ここで固まって居ても時間の無駄なので、早速屋敷の中に入って下さいよ。さあ入って入って」

 使用人たちを、屋敷のエントランスに招き入れ、屋敷の中心の階段の前に立つと、また俺が口を開き説明する。

「さて、ここがエントランスになる。で、目の前の階段を上がると、皆さんの部屋が有るフロアだ。二階は各々の部屋になってて、部屋の入り口の扉には、君たちの名前が書いて有るプレートが付いてるので、そこが君たちの部屋だ。で、部屋を確認したら済まないが、またここに戻ってな。一階フロアと三階のフロアを、順に案内するから」

 そんな事を皆に伝えると「…はい」と言う声が、若干戸惑混じりの返事で返ってくると、ぞろぞろと皆が二階に上がって行った。


 で、俺は使用人たちが二階に上がって行くのを見送り、階段下のエントランスで暫く待つ。すると、バタバタと騒がしい足音と共に、階段を駆け降りてくる数人の使用人達。
 危ないぞ!君ら。

「旦那様!」

「うお!なに?カシュー」

 いきなり肩を掴むな痛いぞ!

「旦那!あれは…」

 うお、なんだよ!

「だから、なんだよ!カナル」

「一人、一部屋とか!広いし」

「おっ嬉しいか? マイナさん」

「やった広い!」

「そうか、嬉しいかゲイル」

 珍しい笑顔を見せてるしっ。

「うん!嬉しいぞ!旦那様」

「良かったな」

「ええっと…良いのですか?あれ…」

「アンク! お前もかよ良いんだよ! ああもう、みんなして煩い!」

 階段を降りてくる使用人たちに、ワラワラと囲まれて、何やら言ってくる。
 何やら、一人一部屋を割り振って有るのが嬉しい者や、若干戸惑ってる者が居るのだが…。

 これは収集が付かん。
 ああ面倒。ここまで騒ぐ事か?

《ま、当たり前の事では?》

『そうか…そうかもだけどな。驚くのはまだ早いんだぜ』

《…そうでした》

「落ち着け、諸君。ここで騒ぐな。まだ案内してない場所もあるし」

「ですが、あれは」

「煩いよ、良いんだケイルスくん。今回はね、独身の者は一人部屋に。それから、所帯持ちの者には家族部屋を用意した」

「ですが、あの部屋は使用人には贅沢過ぎますよ」

 まあそうかな?

「まあまあ、落ち着きたまへ皆さん。これはね、まあ…日頃の感謝を込めてだよ。君ら良く働いてくれるし、君たちへのご褒美だと思ってくれたまへ。それと、人が増えたしね。ニングスには後でまた話が有るけどな」

「分かりました。有り難うございます、ご主人様。私達使用人全員、これから寄り一層ご旦那様に尽くして参ります。さあ皆さん、ご旦那様にお礼を」

「えっと、旦那様…せぇのー」

「「「「「「「「「「有り難うございます」」」」」」」」」」


 ニングスとマイナの一言で、一斉に使用人たちから感謝の言葉を訊いた俺は……まあ普通に嬉しいね。
 善き善き。

 それから、一通り屋敷中を使用人たち全員を引き連れて、屋敷の間取りを説明しつつ案内した。
 それが終わって、今はだだっ広いリビングで、使用人達と優雅にお茶を煤ってる訳だが、俺一人だけはニマニマして考える。
 よしよし、これで屋敷の問題は一段落かな。

 こんなんなら、最初からでかくすれば良かったなと反省したぜ俺は。
 前の造りはちょっと不便だったからな。

 でも……なんか忘れてる気もするが。
 まあ何か問題が出たらその時に考える。

《主、ところで例の件はどうするのです?》

『例の件とは?』

《貴方…ボケました?》

『失礼な!でも、ふむぅ……』

 なんだったかな?とんと覚えが………。

『あっ!あれだ、メイドさん増やす問題!』

《何時の話ですそれは?》

『ありゃ違った? メイド一人増やすって……ああそれ解決済だった』

 手をポンと叩いておちゃらけてみた。

(《チッ!ウザイ》)

 なんか、舌打ち!それにウザイとか聞こえた気がするけどねぇ~。ここは聞こえないふりだ。フン!

《例のとは、例の物件ですよ》

『ああそんなのあったね。あれなら断るし』

《そうでしたか。それなら行動は早い方が宜しいのでは?》

『うん、分かってるって』

《それなら安心ですが…ですがねぇ…》

『ですが、なにさっ』

《あのギルマスも、物件の契約するまでしつこそうな、粘着質そうな性格の様な気がしてなりませんよ?》

『ん~そんな気もする。でもニングスもケイルスも居るから三人で協力して撃退してみる』

《それは二人が気の毒ですよ》

『そうか~そうだな。自分の蒔いた種だ。よし!行って刈ってくるし』

《ガンバッテクダサイ…》

『なにその片言』

《いえ、特になにも》

 はあ~相変わらすですなナビさんは。


******

ふと、気がつけばもう七月…うん時の経つのが早いこと。
世間はもの凄く暑くなっててなんだ!この暑さは!!と、叫びたい。
おっと失礼しました。

コホン…取り乱しました。

さて、前回の投稿からまた間が空きましたが、どうぞ懲りずに読んで頂ければと思って居ります。

だけど、もの凄く暑いし。二度言った。

連日の気温の高さで皆様夏バテ大丈夫でしょうか?

体調管理してますか?
作者はまだ何とか乗り気って居ます。

皆様体調には十分気をつけてご自愛くださいませ。

              いくみ


投稿はまだ少しですが続きます。


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