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新たな町へ
634話 親子の…
しおりを挟む屋敷に戻って来たニングス親子たち。
ニングスは自分の部屋に息子と二人で部屋に入ったのだが。。
ニングスは自分の部屋の中へ息子と入ると部屋のドアを閉めた。
そして、息子に声を掛けた。
「レクス、ほら、さっさとその荷物を整理するぞ」
「えっ、あっ、うん。父さん……」
レクスは急かされる様に父声を掛けられ慌てて部屋に入るが、レクスは持っていた鞄を床に下ろして部屋を見回すと部屋の豪華さに絶句した。
(なんかこの部屋凄いよね。と言うか豪華過ぎないかな? 本当に父さんは、この屋敷の使用人だよね? なんか…お屋敷も凄かったよな? あっ!あの主と言う人もしかしたら何処かの貴族なのかな?そうしたら…えっ、父さんは貴族の家で働いてるの? …す、凄い…けど聞いてないよ。僕はどんな仕事をさせられるのか。ふ、不安だ)
「おいおい、レクス。お前なにを固まってるんだ。ほら、固まってないで動け! レクス聞いてるか? ほら、このクローゼットは俺とお前の二人で使うから、空いてる場所を好きに使って構わないから。それと悪いのだが、今夜は俺と同じベッドで我慢してくれ。明日にはお前のベッドを用意出来ると思うから。俺と同室が嫌なら後で旦那様に相談するから言ってくれ」
「う、うん…」
「ほら、もたもたしないで早く動け!もうすぐ夕飯の時間だから。ほら荷物の整理が終わったら風呂に行くぞ」
「わ、分かったよ父さん」
レクスは父に言われた通りに、家から持って来た僅かな荷物を鞄から出すと、父に言われた場所に私物をクローゼットの中に入れた。
元々、レクスの荷物は多くはない。
数枚の着替えが入っているだけなのだから。
「父さん、終わった」
「ん?そうか…(随分早いな。まあ、あの鞄の小ささではそんなものか)なら、着替を持って風呂に行くぞ。レクスこの屋敷の風呂は凄いぞ? 馬車の中の風呂とはまた違うからな」
「へ、へぇ~そうなの? じゃあ楽しみだね」
そんな会話をしながら風呂場に向かう親子なのだ。
~風呂場にて~
「「ふぅ~」」
親子二人で湯船に浸かり、ニングスが安堵の溜め息を着いた。
旅の道中も風呂には入っていたが、屋敷の風呂の広さには居心地が良いものを感じる。
(私もこの風呂の良さにすっかりハマってしまったなぁ~)
ここに来るまでの道中で、レクスには風呂のは入方を教えてある。なので、風呂のは入方は合格だが。この風呂の広さに驚いた様だ。ここにも驚いた様子で、部屋同様に風呂の中を見た瞬間に、また固まっていた。まあ、これもそのうち慣れるだろうよ。慣れてくれ。
「父さん」
「なんだ、レクス」
「ここって凄いね」
ここ?ああ、風呂のことか?
「ああ、凄いだろ。並みの貴族屋敷でもこうは凄くないらしいぞ」
「らしいって…なんで? 父さん仕事で貴族と仕事してないの?」
「まあな、貴族の屋敷の中迄は知らんよ。知ってても、応接間の一室位だよ」
「へぇ~そうなんだ」
「そう、商人なんて貴族の屋敷に入れても、応接間一室位なもんだよ」
「……ふぅ~ん」
「商人の頃はな、貴族の類いは余り俺は相手にしなかったからな。だから知らないぞ」
「へぇ~」
「まっ、その内お前にも分かるさ。さて、腹が減った。レクス上がるぞ」
「うん」
ーーーーー
しばらくぶりの投稿でございます。
お待たせしました。
また、ポツポツ掲載しますのでよろしければお読み頂けたらと。
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