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新たな町へ

628話 なんか変だけど………

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 テーブルの上にドンと出したミノタウロス丼を、ギルマスたちの前でモグモグと食べて実食して見せてるのだけれど…

「モグモグ……ゴックン。どうしました?お二人は食べないのです?」

「……」

「…」

 なんかおかしくねぇ?

 この二人のミノタウロス丼への食い付きが悪い。
 俺の食べてる姿を見ても手を出さない。
 おかしいなぁ~今まで出会った人らは結構食い付きが良かったのに。

《それは、ただ単に運が良かっただけです》

『ええ!そうなの?』

《そうです、警戒されるレベルじゃなかっただけ》

『マジか』

《マジです》

『……了解した』

 警戒…そっか、警戒ね。
 でも折角出したミノタウロス丼、美味いのに二人には美味そうに見えないのか。。

 だけど他にも理由が有るとか?そうだ!別の何かに何か引っ掛かるのかな。
 あっ、見た目が茶色だからか?
 はっ!彩りだろうか?
 因みに、飾り付けの紅生姜は口に合わない人が居たから敢えて盛り付けなかったのだが。
 マイナさんが云うには、紅生姜の赤いのが嫌だそうで。
 紅生姜口直しに丁度良いのに、受け入れて貰えなかったよ。
 残念紅生姜。
 変わりに白髪ネギを載せてます。

「ええっと、あの…お二人は肉は嫌いですか?」

「い、いや…そんな事は無いのだが」

「これは売れないと私は思うよ。暁彦殿」

「……でも、お二人食べてないですよね?」

「いや、食べなくても分かる。白麦なんて人間の食い物では無いからな」

「そうだな。あれは家畜の飼料だ!」

 食い物ではないと!なら俺はなんだ?
 おかしいなぁ~家の使用人たちは喜んで食ってるけど…偏見が過ぎる。

「……分かりました。それではこれは仕舞いますよ」

「ああ、そうしてくれ」

 なんかギルマス不機嫌に為ってるし俺そんな失礼なことしたかね?

「そうだな、肉は美味そうだけれどね」

 ちっ、拒否されてしまった。美味いのに。
 まあここで文句を言ってもトラブルになるしな。それに、飯屋は何処か違う場所か若しくは屋台なんて手も有る。
 しっかし、白麦ってそんなに抵抗ある?家の使用人たちはバクバク食ってるけど。二度と言ったが。


「では、他の食べ物を考え…」

「食べ物は駄目だな」

「へっ? 駄目とは?」

「そうだね、食べ物なんて出さなくても良いではないか! 雑貨屋で在れば店舗を紹介出来るし、協力もしようじゃないか!暁彦殿」

「そうだな、雑貨屋を開くなら協力しょう。そうだ!店舗でいい物件が有るぞ!ギルドの建物の道沿いに、一件空き家が有るのだよ。そこに職員に案内させよう」

 え、店舗は雑貨屋限定かぁ~。
 俺、この条件で納得出来ないんだが…
 なに?これ折れないと為らんのかね変じゃね?

 それに、自分で言ってなんなのだが雑貨屋っていまいち怖いんだよなぁ~領主とか団長さんとか噂を聞き付けたら、絶体二人で徒党を組んで乗り込んできそうだし。

 あっ、良いこと思い付いたぞ!
 あの二人(領主と団長)の記憶改竄するか?
 よし!後でちゃっちゃっと改竄しちゃおう!
 だがな、冒険者ギルドのギルマスは許さんからそのままだがな。(笑)

《また何か企んでますか?》

『企んでなんかないもん。ムカついてるだけだもん』

《もんは、やめてください》

『ハイハイ』

《……》

「そうですか。それでは店舗の方案内してくれますか? 現場見せて貰って気に入れば、購入考えますから。それと条件も良ければですがね」

 おかしいよなぁ~雑貨屋開くなら機嫌良く紹介してくれるんだ。なんか府に落ちないけど…まあここで揉めてもね。俺大人だし。

「ああ、絶体に気に入って貰えると思うぞ」

「絶体ですか…」

 なに自棄に強気じゃね?この人ら。
 なんか裏があるの?

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