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新たな町へ
623話 差出人不明
しおりを挟む妖精たちの事から暫くして…
馬防の側に庭を新しく作ったと使用人たちに告げるも、ガイン以外は呆れた顔をして俺を見たがそんな事は気にしない。
で、ガインにそっこりと言われたのが「妖精たちを移すんじゃなかったのか?」と聞かれたので、予定が狂って中庭の妖精の数が減ってた。と伝えた。
うん、嘘は言ってない。
ってことで妖精の問題は一先ず解決。
なんか今回は、アルシャとゼイルの動きが速かったのでお礼に二人宛にワインとつまみを送って置いたが……他の神たちにバレるなよ?
上手くやれ。
さて、今俺は………屋敷でケイルスくんと帳簿の金額合わせ中。
何故だ?
「ケイルスくん、ここ間違ってるよ」
「え、何処です?」
「そこ、三行目の金額間違ってる。計算が違う」
「………あっ!だから合計額が合わなかったんだですね……」
「まあまあ、間違いなんて気にするな。誰にでもあるし」
「そうですね。旦那様ありがとうございます」
「いえいえ。これでおわりかな。で、他には?」
「ほかは……そうでした!此方の手紙ですが……どうしますか?」
「此方の?」
「ええ、手紙です」
「……手紙は分かるけど…なにこれ?」
「さあ? 此方は差出人がありませんので、誰からなのかさっぱり。その他の手紙は、冒険者ギルドのギルマスからと領主様からでしたので、旦那様のお言い付け通り破棄しましたが、此方は判断が付かずご指示を仰ごうと思いまして」
「はぁ……差出人不明ねぇ……怖!」
俺は手紙の山の一番上の手紙を手に取り、封を開けて手紙を取り出して内容を読む。
「どれどれ………ふむ………へぇ~。ふざけんじゃねぇ!」
手紙の内容が余りにも……俺をバカにした内容で、思わずイラッとしてしまい言葉を荒げてしまったが……これは何の冗談だ?
こんなもん知るかよ。
さて、気を取り直して俺は屋敷を任せて商人ギルドで商談してくるかな。
フフフ楽しいお仕事になりそうだし。
こんなもんに拘わってる暇はないのだ!
「だ、旦那様如何しましたか? 手紙にはなんと?」
「ん? 何でもないよケイルスくん。ケイルスくんさ、この手紙は要らんから捨てといてよ。俺は出掛けてくるから」
「え、お出掛けですか?」
「そう、商業ギルドのギルマスとお仕事のお話をね」
「はあ~お仕事ですか?」
「そうそう、やっとさ俺も店を出すのだよ(話次第だけど)」
「み、店をですか?(聞いてない)」
「まだ、話は全然進んでないしこれからギルマスに頼むんだけどね」
「(ほっ、これからの話でしたか。それにしても…店をですか?)」
「ケイルスくん、どうした?黙り込んで」
「い、いえ。なにも。で、では誰か護衛を、それに馬車の用意をしませんと」
ああ、そうか……思いつきで言い出したから使用人たちの予定が狂うか…それなら!
「いや、俺だけで出掛けて来るから。護衛も、馬車も要らんよ」
「そ、そうですか?ですが………」
「大丈夫だって、商人ギルドで、話が終わったらちゃんと戻って来るから」
「そうですか?ですが……」
「心配すんなよ、黙って他に行かないって!じゃ、行ってくる」
「そうですか……お気を付けて行ってらっしゃいませ」
執務室を出ると俺は階段を下りてエントランスから門に向かい歩く。
門にはゲイルとモルマンが立っていたので軽く挨拶。
「よう、二人ともお疲れさん」
「あっ、旦那様。どこか出掛けるのか?」
「そうそう、出掛けてくるから宜しくな」
「旦那様どちらへ?」
「行き先はケイルスに伝えて有るから大丈夫。だから門を開けてくれ」
「………分かった少し待ってて」
門が開くのを待ち、門が開けば外に出て商人ギルドに向かい歩く。
なんか…久々歩いてるな。
たまには運動がてら歩くのも良いか。
歩きながら思い出すのは…
それにしてもむかつく……さっきの手紙のあれはなんだよ、自分で断っといて今さら泣き付いてくるとか。
頭沸いてんじゃねぇのか?
全く厄介な。
知るかよ。
………あ、だからアルシャが言ってたのか。
ふん……
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