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新たな町へ

610話 商業ギルドで

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 冒険者ギルドを出た暁彦。
 今度は商業ギルドを探してギルドの中に入ることに。
 
 目的は小遣い稼ぎです!は冗談で…
 運転資金を稼がないとならん。
 のだが…取り敢えずは使用人達の給金を稼がないとな!が本音。
 実は懐がね……寂しく成って来てる気がするのだよ…多分。

《はぁ~なに寝言を言ってますか》とナビからご指摘……ん?大丈夫なの?なら安心。

 ……でも手持ちは後で確認しないと。
 けどプラスはしておかないと。
 不安だし、あっちのギルドとは取引しないしね。
 ん?待て……さっき魔物を売った金を手に入れてねぇか?俺……でもいまいち不安な金額でしたよ。

 つか、どうでも良いけど…商業ギルドの中ってどこも同じなんだなぁ~要は豪華だ。
 冒険者ギルドとは大違いだね。と思いつつ、ギルドの中をキョロキョロする。ある程度ギルドの中を見回した暁彦はカウンターの中に居た男性に声を掛けた。

「あの、すみません」

「はい? 何かご用でしょうか」

 ちゃんと敬語で話しかけたぞ!ここは初めて来るギルドだからな、印象良くしないと。
 等と考えた暁彦は微笑み浮かべて受付の男性と会話をする。

「買取をお願いしたいのですが」

「……ギルドカードはお持ちですか?」 

「ええ、これです」

「少しお待ち下さい」

 はいとカードを渡せば無表情でカードを受け取る受付さん。
 しばしの沈黙の後……なにやら受付さんが慌ててるが…何か?無表情は何処へ?

「か、確認しました。此方お返し致します。それで本日は、どの様な物をお売りいただけるのでしょう?」

「えっと、初級と中級の回復薬を売りたいのですが」

「回復薬ですか」

「ええ、初級の回復薬五十本と、中級の回復薬を五十本。併せて百本で」

 と、言いながら回復薬の入った木箱をカウンターの上に置いた。
 で物は?と言いたげだったから、それを言われる前にカウンターの上にドンドンと二ケース出して置いた。

「こ、此方ですか。…ではこちらをお預かりして鑑定しますのでお待ち下さい」

「分かりましたけど…鑑定って、何れくらい待ちます?」

「そんなに時間は掛けませんので、しばらくこちらでお待ち下さい」

 ではと言うと、回復薬の入った箱を持ち上げ受付さんはカウンターの奥に引っ込んで行った。
 ん~待てね……

 カウンターの前で大人しく待ってる俺。
 
 っと、お!来たぞ!
 鑑定終わったのか?さっきの受付さんが箱を抱えて奥から戻って来た。

「大変お待たせしました。こちら大変上質な薬ですが……どちらで手に入れたのです?」

「へ?」

 そんなこと聞くなよ!面倒な。
 ちょっとイラっと、して眉間に皺が……おっといけない……印象良くね。

 すると受付さん俺の顔色をうかがったようで…
「ああ、すみません。薬の在庫が当ギルドで不足がちでもう少しお持ちでしたらその……」そんなこと言って来たぞ…さてどうするか?

「ああそう言う…何れくらい必要なのですか?」

 ふぅ~ん薬少ないの?
 何処の国でも少ないのかね…錬金術ギルド何してるの?

「多ければ多い程良いのですが」

「そうですか……ならあと百本ずつ追加しますよ。それで良いですか?」

 困ってるなら売ろうじゃないか!アイテムボックスの中には腐る程あるし。

「そ、そんなに? 良いのですか?」

「…おや…多すぎます?」

「い、いえ!此方でお願いしたのに多すぎ等とは…」

「それでしたら……はい!どうぞ」

 ドンドンと回復薬の入った箱を二箱追加でカウンターに載せた。

「あ、ありがとうございます」

「で、また鑑定ですか?」

「すみません…規則なもので。では、此方も鑑定して参りますのでもう少しお待ち下さい」

「了解です(はぁ~一度鑑定したのに…二度手間)」

 申し訳無さげに受付さん箱を抱えて奥に引っ込んだ。

《時間が無駄ですねぇ》

『だよなぁ~暇だ』

《……まっ、待つしかありませんね。で、この後どうされるのです?》

『このあと? なんかあったっけ?』

《いえ、まだ町に泊まるのかと思いまして》

『泊まる……気は無いぞ、帰るし。ケイルス君が怖いし』

 絶体怒られるだろうしな。

《フフフ…そうでしたね》

『なに? 忘れてたの』

《いえ、そんなことは無いですよ。確かめただけです》

『あっそう』

 時間潰しでナビと話してると受付さんが戻って来た。

「大変お待たせしました。お売り頂ける薬が初級回復薬百五十本、中級回復を同じく百五十本併せて三百本ですので、買い取り金額が金貨二百五十枚です。お受け取り下さい」

 WAO!?
 なに…えらく高くないかね?

「随分と高値になってません?(良いのか?)」

 受け取った金貨の枚数を数えながらちょっと疑問に思ったので聞いて見た。
 …するとこんな答えが返って来たよ。

「当ギルドでは、薬が不足してますので。そして何より、お持ち頂いた薬の品質が良い物でしたので、この値段になりました。良しければまたお売り下さい」

「ハハハ……立ち寄る事が有れば伺いますね。では……ありがとう」

「いえ、またのお越しをお待ちしております」

 なんか受付さんに頭を下げられながらギルドを出たよ。

 ……始めて揉めずにギルドを出た気がするのは………俺の気のせいだろうか?

 それとも過去に揉めなかったことが有ったかね?

 うん………記憶ない。





~~~~~~~~


お久しぶりの掲載です。

すみません……リアルで忙しいのと、ネタが浮かばないので……筆が進まず。

月日が経過しております……オカシイナ??

読者の皆様にはお待ち頂いておりますが、気を長くしてお待ち頂ければ作者的には……嬉しく……思っております。ペコリ


ポツポツとは掲載したいなぁ~(心の声)

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