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新たな町へ
602話 化粧水を手に……
しおりを挟むそれから始まった商品説明の嵐!
まず、詰められたのは化粧水でギルマスは興味津々のご様子だ。
「あら、これは何かしら?」
ギルマスが何と、手に取ったのは化粧水入った小瓶。
「それは、化粧水ですよ」
「まあ~化粧水なの……これが」
ギルマスが手に持つ小瓶を持ち上げ、瓶の中身を振りながら薄目で見つめる仕草をする。
『なぁナビさん』
《なんですか?》
『あれって…鑑定してるのかな?』
《ギルマスを鑑定してないのですか?》
『失礼じゃんかよ。それに俺、もうトラブルに巻き込まれたくないし』
《そうですか?為らばここは黙って、相手の質問に素直に答えればよいのでは?》
要は詮索するなってことか……。
了解したよ……でも俺って詮索したこと無いよね…。
なぁ~なんで俺は何にもしなくても巻き込まれるのは何でなんだろうか?
俺はただ、静かに暮らしたいだけなんだが…。
「そうです。製法は秘密ですが、薬草やハーブで作った化粧水ですので肌には優しいですよ」
因みに俺も使ってるよ。
これ使うと肌がピチピチに為し、肌トラブル無し!で、屋敷の使用人達にも勧めて今では全員使って貰ってるんだよね。お陰で使用人達のお肌はピチピチだよ。
「へぇ~これ貴方が作ったの……」
「ええ…それがなにか?」
「ふぅ~ん。作ったねぇ…だからかしら貴方の肌が綺麗なのは。ねえ、これ今試しに使っても?」
「ええ、構いませんよどうぞ。それ…手にしている瓶をお使いください」
「あら…やけに気前が良いわね?」
「自信がなければ言いませんよ? それに買って貰いたいですからね」
「フフフそうなの? なら少し使って見るわね?」
ギルマスが手にしている化粧水の瓶の蓋をあけると、手に少量の化粧水を出し手の甲に塗り込む。
「あら、良い匂いね?悪くないわね…それに直ぐ馴染むわ…あらやだ潤うわよこれ!ち、ちょっと待ってて」
いきなりギルマスが立ち上がると部屋から出て行ってしまった……なんだ?
暫くギルマスの戻りを部屋で待ってるがまたこ戻って来ない……。
えっと……まだ戻ってこない。
それに茶も出さないんだね…。
なんでこう…人と話すのに茶を出さないかな?
『ナビさん、喉乾いた』
《……お好きに》
あっ見放したね?
なら、良いよ勝手にするし。
暁彦はネットからアイスティーのペットボトルを出して、アイテムボックスからグラスを出すとグラスに氷を入れそのグラスに、アイスティーを注ぎアイスティーを飲み始める。
「ふぅ~、久しぶりのアイスティーですな!美味し!」
《人が居ない間に…やらかし過ぎでは?》
『居ないからやらかせるんだよ。茶の一杯も出さないのが悪いし』
《って毎回言いますが…出された茶など飲まない癖に?》
『ん~そうだったかな? でも気持ちの問題じゃね? でもさぁ~待ち時間が長過ぎだよ、もう三十分は待ってるよね?』
《はい、やけに長いですね。もしや……あの方……》
『なに?』
《い、いえ…私の思い違いでしょう》
『なにそれ? 気になるんだけど…』
《……ですが私の推測かもそれませんので…》
『良いから教えてよ』
《では…もしかしたらあの方…その湯殿に行っているかもしくは身綺麗にしてからあの化粧水を使っているのでは?現に開けた化粧水がテーブルにございません》
へっ…化粧水……持って出て行った?
ナビに言われてテーブルを見ればギルマスが開けた化粧水が無いねぇ……。
ならナビの予想通り井戸で行水中なの?
試しに化粧水使ってる?
マジか…。
まあ良いけど、それなら石鹸も持って行けば良いのに…ははは。
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