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新たな町へ

589話 パニックる?

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「……暁彦君、君つかぬことを訊くのだが…ね?」

「はあ?」

「君は所帯を儲けたのか?」

「しょたい……? ん?」

 ん?しょたい……って…ん?なんだっけ?暫く聞かない言葉だから…あっ所帯ね!

《何をビックリしてるのですか!領主が勘違いしてるのですから、そこは否定する!はい!ほら》

『お、おう…しょたいを…ねえハハハ!』

《笑ってもないで!ほら早く返事してください》

『お、おう』なんだ?矢鱈ナビが怒ってるんだけど…?

「領主様? 私が所帯をですか?」

「ああ、居まで儲けて、使用人まで雇うなどをすれば、連れ合いでも娶ったのかと思ったのだが?」

「ああ、連れ合いですか?アハハ何を勘違いしてるのですかね?」

「勘違い?」

「ええ、私はい未だ独身ですよ? 屋敷を買ったのは、偶々良い物件が安く手に入っただけですよ。それと、拠点となる場所も欲しかった嵩の話ですがね」

 はぁ~ビックリした!

「そ、そうだったか!なら良いか…(それなら未だ此方に引き込める…のか?)」

「そうですが…それがなにか?」

「い、嫌ね?君が住むのに良さげな土地が有ってね、是非見て貰たいと思ったのだが…どうだろうか?」

「………?」

 と、土地とは?

《何、固まってるですか?主には拠点があるのですから、断るんですよね》

『……ん?断る……あっ断るね?』

 どうしようかなぁ…あの町も段々周りが騒がしく為って来てるんだよねぇ…。でも…ここでも一緒なのかな?

 それに一度その土地とやらを見に行っても良いのか。

「おい、暁彦くん?どうしたね?」

「はっ!申し訳ございません領主様、少し考えて居りました。アハハ、で、では一度その土地を見させて頂いても宜しいでしょうか?」

《見るんですか?》

『見もしないで断れないだろ?多分不敬にあたりそうだし…。機嫌損ねたらヤバそうだし』

 多分この人善意で言ってると思ってるんだろうし。そこで断ったら………怖ぇぇ……。
 と身震いする暁彦だ。

「ああ!構わんぞ。なんなら今からでも行くか?」

「い、今からですか?でも…そうしますと…領主様のご予定が……」

 少し気を使う振りをしてみる。
 あざとくはないぞ!本心だぞ!

「大丈夫だ!気にしてくれるのは有難いがね。何せここには、騎士団長も居るんだし。私の護衛は隊長達がしてくれるんだよな?」

「領主殿…その様な事は事前にお願いしたいのですが…」

 突然領主からの申し出に困り顔の隊長さん。
 そうだよねぇ~突然警護と言われても、騎士さん達だってそんなに連れてきてないもんな。

「あ、あの…それはまた後日改めてにしませんか?」

「そうか?土地事態はここから余り離れていないぞ?」

 領主邸から離れてないと!それはそれで困るのだが…。

 俺としては町外れの静かな土地が希望だぞ!

 まあこの領土地は、王都からは離れてるから完璧にここは領主様の土地なのだろうし…ん?それは今は関係ないな。

 ああ~なに言ってるんだろ!
 俺は今パニックってるんだ!?




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