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新たな町へ
582話 オリジナル?
しおりを挟むそれから店に入る為にアルムさんと行列に並び、やっと店に入る順番が回ってきて店の中に入る。
「あっ、アルムさんいらっしゃい。今日はお連れさんと一緒かい?空いてる席に座って待ってて下さいよ」
「ああ、それじゃ遠慮無く」
俺とアルムさんが空いてる席を見つけて席に座ると、直ぐに水を持った従業員が近づいてきた。
「いらっしゃるませ。こちらがメニューに為りますので、お決まりに為ったらお呼び下さいね?アルムさんとお連れさんも」
「ああ、有り難う。ボルドーくん」
へぇ~ちゃんと従業員にも教育してるみたいで安心したよ。
店は改造したんだ……広く成ってるし。
従業員も多いし本当パトリックさん頑張ったんだなぁ~。
「おい、アキ、なに食うの?」
「え?ああ、そうですね何にしましょうか。ハハ」
「お前なに、緊張してんの?元々お前が手助けした店だろ?」
「ハハ、手助けなんてしてませんよ。で、アルムさんはなににするんですか?」
「ん?俺は…そうだなぁ~肉かな?」
相変わらずの肉派ですね。
「そう……なら俺はミートパスタで良いかな?」
「了解!……おい」
忙しく接客する定員を呼び注文して料理が運ばれてくるのを待つ。
そして、しばらくすると……見慣れたシルエットが俺たちの席に料理を持って近づいてきて、テーブルに料理が置かれた。
「いらっしゃい、アルムさん。今日はお連れの方が…………あ、アキ君じゃないか!」
「アハハ、久しぶりだね?ケビンさん」
「な、なんだよ!アキ君が来てるなら待たせず、直ぐに席に案内したのに!アルムさん!言ってよ」
「アハハ!ビックリさせようと思ってよ。んで、今日はマルク君は?」
「マルクなら、今日は厨房だよ今呼んでくる」
「ま、まって、他のお客さんもいるんだから後でいいよ。それに店が落ち着くまで待たせて貰うから」
「…そうか?なら、待っててくれよ。パトリックさんとマルクには伝えおくから」
「ああ、頼むね」
それから運ばれてきた料理をアルムさんと食べ始める。
俺は目の前のミートパスタをフォークでクルクル巻いて口に運ぶ……ん?
材料が変わった?
んんん?変だなミートソースの味が変わってる。
塩気が多い?玉葱の炒めが足りない?
どうした?パトリック!!
俺のレシピはちゃんとメモったんじゃ無かったのかよ!
「お、今日も美味めぇなぁ~!ここが一番の料理屋だ!」
とトンカツ定食のカツを、美味そうにパクつくアルムさん……。
トンカツはまあ、揚げるだけだからそう味は変わって無いのだろうし。
ん~これは……指導し直さないとかか?
でも……オリジナルにしただけかもしれないし、
俺の口に合わないだけかもしれないから、俺がとやかく言うのもおかしな話しか。
うん、ここは黙っておくかな。
パトリックさんのオリジナルかもしれないしなっ。
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