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新たな町へ

570話 事後報告。

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「それで、旦那様ギルドでは?」

 食事前に、数人の使用人達に今日あったことを説明してるんだけどね…疲れて眠い俺です。腹も減ってるんだけどねぇ~。

「ギルマスに抗議してきただけ、それと今後の取引は中止してきた」

「そ、それは…」

 ん? 先々の事を心配してる感じ?

「心配しないでよ。ちゃんと考えてるからさ」

「はあ……、別に心配はしてませんが…」

 へぇ~心配してないんだ。
 俺の杞憂だったかな?
 貴重な資金源を絶ったんだから、小言を言われると思ったんだけどな。
 あ、ニングスだったら言われてたか?

 そんな話をしているとラルフ君が俺たちを呼びにきた。

「旦那様に、ケイルスさん。食事ができたって」

「お、ラルフ君か、呼びに来てくれてありがとう」

「……父さんが言ってたから」

「そうか、なら早く食堂に行こうか。ほらケイルスも行くよ」

「は、はい」

 三人で食堂に入るとマイナとアンクが、カトラリーの用意していた。

「二人ともご苦労さん、アンクは仕事慣れたかい?」

「は、はい!少しだけですけど」

 あれから、アンクとトランの首に巻き付く奴隷紋はきっちり解除した。

 カシュー達より後に来た者たちには驚かれたが、騒ぎに為ることもなくなぜか納得されてしまった。
 ケイルスたちに訳を聞けば旦那様ですからね。
 の一言で終わった。

 な、なんだろうか……このさっぱりしたご意見は。

 と、言うことでこれから食事ですが…最近料理してないな……俺。

 今夜のメニューは魚のフライにエビフライと、ポテトフライ……うん油物だね。
 何か…揚げ物オンパレードで…あっ、サラダはあるしご飯と味噌汁は付くんだ。

 定食屋のメニューの様だが美味いからいいか。

 皆でをして、食べ終わるとをして食事を終わせた。

 そして、使用人たち全員で寮の談話に移動する。

 子どもたちには遊び場で遊んで貰うが、ラルフくんは出席させても良いかな?どうだろうか?大人の話だからね、飽きたら子どもたちの世話をして貰うかな。眠ければ部屋に戻って寝てくれると助かるが。

 だけど…トランくん、君は何故俺の膝に乗るのかな?まぁ、可愛いから良いけど…皆と遊ばないの?君は。
 おまけに、今日は珍しくブルーも来てて俺の頭に乗って爆睡中だし。
 その体制で、トランの頭を撫でてやるとぽわんとするから…気持ち良いのか?
 でも、君昨日はカシューの膝に乗ってなかったかな?

「で、旦那。どうしたんだ?今朝からバタバタしてたがよ」

 と、グレドが俺のほんわりタイムを打ち破り今朝の事を聞いてきた。
 折角…ほんわりしてたのに。

「そうですよ!オマケに貴族なんか来ちゃってさ」

 来ちゃってさと言われても俺も知りたい。
 まぁ、それは良いとして。

「あの貴族お二人は…そう!きっと屋敷の観察だろうね…多分。それと、リビングに飾ってある品の集りだったよ。あれが欲しいんだってさ!特に、時計と水晶の花の置物が目に止まって集られたんだよ」

「………ま、まぁ、飾りが高価な者なのは、あたしらでも分かるからね。見れば欲しくも為るってもんだ」

「ケイト!」

 叱咤するのはカナルです。珍しくもないか?
 カナルは結構そういうところは厳しいんだよね?軽口は叩くけど。

「間違っては無いだろ?あたしだって、貰えるなら、欲しいよ。売ったら金に為るだろうし」

「ケイト……あれ、欲しいの?」

「え?」

「欲しいなら、お前に売ってやるぞ?」

「い、いらない!旦那あたしは例えばの話をしただけだよ!あたしは要らないよ」

「そうか、なんだ要らないのか。ケイトなら、破格の白金貨3枚で売ってやるのに(嘘だけど)」

《安すぎますよ?精々白金貨20枚ですね。高く見積もるなら…》

『いいってば、価額は言わないで』

「は、破格で…は、白金貨が、さ、三枚………。い、要らない!そんなの要らない」

「でも買えない額では無いだろ?コツコツ貯めればさっ。出ていった女は浪費家の様だったけど」

「旦那様…知ってたの?」

「え? 知らないはず無いだろ?」

「「「「「はぁ~」」」」」

「な、なにその溜め息は!失礼だな」

「だって、旦那よ? あんた、使用人にこれっぽっちも興味が無いだろ?」

「はあ?興味が無かったら、人なんて雇わんぞ?」

「…それもそうか?」 

「そうだよ。逆に失礼だ」

「アハハ、すまんですって…それで?」 

「あぁ、しばらくこの町のギルドとは取引しない事にしたから宜しくな。多分、ギルマスが屋敷に乗り込んで来るかもしれないけど、門番の諸君は取り合わない様に頼む」

「「「「了解です」」」」

 とりま、此処での話しはこれまでだからこれで解散してと言い屋敷のリビングに移動した。

 その際、トランは膝から下ろしてゲイルにあずけた。
 一緒に遊んであげて下さい。


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