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新たな町へ

562話 荷物運び?

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 改造した部屋から顔を出して、カナルとトランを部屋に呼び込む。

「お待たせぇ~。カナル、トラン。中に入ってくれ」

「旦那、待っては良いがよぉ~」

「なに?」

「荷物、運び込むの手伝だってください!」 

「へっ、俺が?」

 俺はお前の雇用主!何故手伝うのかな?

「すんません!自分で遣ります!言って見ただけです!」

「分かれば宜しい。どれ、一つくらいなら荷物持ってやるよ!」

「へっ?」 

「なに?」

「いや、手伝って貰えるんすか?」

「まあ、少しなら?」

「あーー!本当、すんません!良いです!遠慮したいです。俺死にたくないし」

 死ぬとか……ほらトランが固まったぞ!お前のせいだぞ!どうすんだよこの空気。

「トラン?」

「ひっ!死ぬの?」

「……カナル、トランに説明!」

「は、はい!えっと、トラン?」

「なあに?カナルにぃー?」

 えっ!にぃとか言わせてんの?いつの間に…あっ風呂でコミュ取れたのか。流石…口だけ星人。

 う、羨ましいぞ!

「あのな、トラン………説明中……」

「ふぅ~ん。だんなさまが、えらいんだね?」

「そうそう、だからな……」

 色々と話してるが、俺はいつまで待ってれば良いのだろうか?
 そろそろ部屋に籠りたいのだがなぁ~。
 飯も未だ出来ないだろうし。
 あっ!それならカシューを呼んで手伝わせるか?

「おーいカシュー!何処だ?」

 俺って、寮の部屋割り知らんのだよな。だから呼ぶしかないんだが…聞こえるかな?

「………」

 ん~返事がないし!

「旦那様?カシュー呼んでどうすんだ?」

「おっ、トランと話しはすんだの?」

「バッチリです!んで、カシュー呼んでどうするんですか? 俺の部屋の説明は?」

「……お前…まあ、いい、なら取りあえず中には入れ!」

 手伝いに呼んだだけだがなぁ…。

「はい!トラン、ここが俺たちの部屋だ覚えるんだぞ?」

「はい!」

「よし、良い子だな」

「へへへっ」

 な、なんか親子の様だね?カナル。

「おっほん!いいかな?」

「あっ、はい!」

 三人で部屋に入ると「なんだこりゃ!」と、大声を上げるカナルくん。
 五月蝿いぞ!ほらトランが耳を塞いだぞ!子供は大きな声は苦手だと聞いたことがあるぞ?

「カナル、五月蝿い!トランがびっくりしてる」

「で、でも……これは…すげぇ…二階が出来てるし!」

「凄くはないが、この方が良いだろ?同じベッドで寝るのは無理だろうし?」

「ですねぇ…んで、二階がトランの使うスペースですか?」

「そうそう、つう事で後は適当に使ってくれ。使い勝手が悪かったら言って来いよ」

「り、了解です!トラン良かったな。あっ、それと旦那様?」

「ん? なんだ?」

「トランたちの「これ」どうするんですか?」

 これっと言ってトランの首に付いた紋様を指差した。

「……それなぁ~悩み中だ。取ってあげたいのはやまやまだけど…」

「あぁ、そうか……そうですねぇ~。やたら旦那様の力を見せたくないと?」

「そうそう」

《そんなことは今更では?》

『……分かってますが?』

「……今更な気はしますが?」

「お前も五月蝿い。知ってます!取りあえずしばらくそのままにしててよ。悪いがな」

「…了解しました。じゃ、俺は片付けします」

「カシュー呼ぶ?」

「いえ、一人で平気です」

「そうか?なら、後は頼むぞ。トランまた後でな。後は着替えもあるからな」

「はい!だんなさま。あの…ありがとう」

「よし、良い子だ」

 トランの頭を撫でて、カナルたちの部屋を出た。

 カナルの部屋を出たら、凄い勢いでカシューが走って俺の側に来るね。
 あっ呼んでそのままだった…どうしようかな。

 すまんカシュー、用はもう無くなった。

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