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新たな町へ
556話 吹っ掛けて売っちゃった 改稿
しおりを挟む逃げた奴隷の話を聞かされ、若干不機嫌になるが…俺は大人だ!こんな話で不貞腐れる訳にはいかん。
なので平静を保って静かに答える。
「ええっと、わざわざ教えて頂きありがとうございます。彼が逃げたのは…まあ私の不徳の致すところなのですねぇ?アハハ」
「そ、そんな事はないのでは?あの時他に買った奴隷は今も健在で貴方に尽くしてるのでしょ?」
おお探りを入れてきやがった。
「ええ、皆元気で暮らしてますよ。仕事も慣れてくれましてね?先日なんか……。おっと失礼しました。なにか私だけ話してますね?」
「いえいえ私の店から行ったもの達が元気ならば私も嬉しいですからね?アハハ」
「ハハハ、引き取った人達は大事にしてますよ。それはもう…ふふふ」
若干二人はそれが分からず逃げたけど。(まあ関係ないし)
「そ、そうでしたか。そ、それとあの……」
なんか、まだモジモジしてるんだけど、こいつ未だなんかあんのかよ今度はなに?
「あの……せんだっての紅茶をあなた様から買えなかったのが悔しくて、眠れぬ毎日を過ごして居りまして…。その…宜しければなのですが…私から御断りをしておいてなんですが…その…あの!先日飲ませて頂いた茶葉を!あの茶葉をどうか私に売って頂けませんでしょうか?」
「はあ? ……茶葉ですか?」
はて…俺そんな事をしたかね?遠い記憶を探って……………。
『ナビ……なんだっけ?』
《もうボケましたか?》
『うっさいわボケとらんわ!! ええっとなんだっけ? 紅茶だろ…ん…こうち……あぁあれな!』
リプ○ンさんにトワイ○○グさんの茶葉ねぇ~。家でも使ってますよお手軽で良いよね。
ウーロン茶に緑茶……グレドの子どもたちは、甘いアイスミルクティーがお気に入りのようですよ♡ 虫歯が心配だよな。
おっと思考がずれたハハハ。
「ええっと確か……紅茶……でしたか?そうでしたか?ええっと、ああ、これですかね?前回のお茶は」
鞄からリプ○ンさんの紅茶缶(未使用)を出して見せた。
「ええ!ええ!これ!これですよ!ああ、忘れられないあの味!なんとも言えない美味なあの味!あの洗礼されスッキリとした味!雑味もなく渋みもまろやか!ああこのお茶です。私はあれからこれを忘れられずに!居たのですよ」
こ、恐いものを見てるよね?俺…。
そんなにですか?
紅茶ですよ?たかが紅茶で、これ程語れるのか?
「ええっと……メンバルンさん。落ち着きませんか?紅茶は逃げませんよ?(ってか、こえぇよ!)」
「いえ、アキヒコ様がお持ちなら逃げます!」
「ハハハ、私が持ってるからですか?でも逃げますって……? ハハハッ、たかが紅茶ですよ? 貴方ぐらいの遣り手の方なら、他にも良いお茶等簡単な手に入るのでは?」
あのクソッ不味いお茶がね?
でも金を出せば美味しい茶葉も手に入るだろ?
「いえいえ、そんな私など大した者では。アハハ。そ、それで申し訳ございませんが!そちらを、私にお売り頂けませんか?」
「この缶ごとですか?それとも小分けしますか?」
黄色い缶で中身は、100g入り。値段は税込千円位。…さていくらにしょうか?
多めの450g入りを出してもいいけど、それだと銀貨4枚は貰わないとならないしな?
ってか前はいくらと言ったかな?
《金貨一枚と吹っ掛けてましたよ!》
『そうでしたか? ではそうしないとな!』
「い、こ、今回はちゃんと一缶買いますよ!私はこの日の為に、お金を貯めたのですから!」
この日って…俺がここに来なければ永遠に飲めないのにか?不思議な男だ。
「では、此方をどうぞ!金貨一枚になります」
「は、はい!少しお待ちくださいぃ~」
といって、テンション高めで部屋を跳び出て行ってしまった……。
俺は部屋でポッンなんですが?一人なんですが?
仕方ないメンバルンさんが戻るまで一人茶でも飲んで待つかな?
相変わらずこの店は俺に茶を出さんよな!
出されても飲まないけどさっ!
《なら要らないですよね?》
『………出すのは誠意だろ?』
茶菓子に、さっきのチビッ子が食べた残りのクッキーを出して、俺はアイスコーヒを出して飲み食いし始める。
フフフ、うんまいですよコーヒーがさっ。
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