593 / 761
新たな町へ
536話 イリヤ 7
しおりを挟むそれから…「ガタン」と大きな音がしてイリヤが目覚めた。
「あれ、ここ何処……?」
大きな音で目が覚めたイリヤは、ガバリと頭を上げた。
すると、誰かに声を掛けられた。
「おや?起きたのかい?」
声を掛けて来たのは女の人だった……えっと…誰かな?
「ったく、死んでるのかと思ったぜ!」
「気味悪い…」
「え?えっと…ここは…」
「おお、初めて声を聞いたぜ…」
「す、すみません…」
と、謝ってしまった…。
「えっと……?」
「もう、朝だよ…あんたずっとその格好でよく寝れたねぇ?腰痛くないのかい?」
「あっ!えっと?」
外套のフードを外して、馬車の中を見回すと馬車に乗る人達の目線が私を見てる。
なんだろう?
「あの、痛くないので…だいじょう……ぶ……です?」
なに?みんなであたしの顔を見てるよね…というかここは?何処だろう?
「おい、あんた!奴隷なのか?」
「えっ?ど、奴隷?えっ?」
何でそんなの……えっ?
「あんた首に奴隷紋があるじゃないか!ひぃ~」
「お、おいおい、奴隷と一緒かよ!どおりで馬車から出てこないと…」
「気味わりぃ~!おい!お前の主人は何処にいんだよ!」
「えっ、あ、あたしは…その……奴隷じゃ…?」
「奴隷じゃないなんて嘘つくなよ!なら何で紋があんだよ!」
「そ、それは…その……………あれ?何でだっけ?」
****#
一方の暁彦は……屋敷の中でボンヤリのんびり…とはい出来ていなかった。
イリヤが出ていったと聞かされてなんとも憤りを感じたが…まぁ、出ていったのであればそれはそれで良いと思って居たのだが…。
《主…出ていった者の記憶はどうするのですか?》
こいつもう、あの子の名前すら言わないんだな…クク、はっきりしてるというか…ドライだな。
『別に良いんじゃないかな?あんなのが出ていったからと言って…家に不履行に為る訳でもないんだから…』
《甘いですねぇ…。人間どんな事があるか、分かりませんよ?ポロッと、ここの秘密でも喋ったりしたら?後々どんな事に為るやら…》
『ん~取りあえず、それは後だな!今はこっちが先だよナビ。今夜多分するよ…』
《了解しました》
と、この場はこれで話しは終わったのだが……。
その後、屋敷に新しく人を雇い入れてからの夜に暁彦は出て行ったイリヤの事を思い出した。
「あっ!そう言えば、あの人!以外と口が軽かったよな…」
《思い出しましたか?》
『えっ?うん…ねっ?どうしょうかと思ってさっ!やっぱり記憶は改竄しないと駄目だよな?』
《当たり前では?》
な、なんか切れ気味なのはなんでだ?
『ハイハイ、分かったよ。なら……明日の朝には記憶が消えてて、奴隷紋が戻ってる様に……?』
《それでOKです!》
何処でそれを覚えた……OKって……あっ!俺か…ハハ。
なら、マップを開いて…イリヤを検索…。
おっ、居たよ……見つけた!もう王都から出てるなぁ……。
馬車に乗ってるんだ……よく乗れたね?
金は余りない筈だと、聞いたけど……。
まっ、どうでも良いか…なら~イリヤの記憶改竄してぇ~それから奴隷紋を、お返ししますよっと!
「はい!修了!」
《フフフ、明日の朝の……光景が目に……》
『ナビさん……』
君……性格歪んでない?
33
お気に入りに追加
1,306
あなたにおすすめの小説
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
【完結】彼女以外、みんな思い出す。
❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。
幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
異世界キャンパー~無敵テントで気ままなキャンプ飯スローライフ?
夢・風魔
ファンタジー
仕事の疲れを癒すためにソロキャンを始めた神楽拓海。
気づけばキャンプグッズ一式と一緒に、見知らぬ森の中へ。
落ち着くためにキャンプ飯を作っていると、そこへ四人の老人が現れた。
彼らはこの世界の神。
キャンプ飯と、見知らぬ老人にも親切にするタクミを気に入った神々は、彼に加護を授ける。
ここに──伝説のドラゴンをもぶん殴れるテントを手に、伝説のドラゴンの牙すら通さない最強の肉体を得たキャンパーが誕生する。
「せっかく異世界に来たんなら、仕事のことも忘れて世界中をキャンプしまくろう!」
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-
ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。
断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。
彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。
通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。
お惣菜お安いですよ?いかがです?
物語はまったり、のんびりと進みます。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる