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新たな町へ

536話 イリヤ 7

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 それから…「ガタン」と大きな音がしてイリヤが目覚めた。

「あれ、ここ何処……?」

 大きな音で目が覚めたイリヤは、ガバリと頭を上げた。
 すると、誰かに声を掛けられた。

「おや?起きたのかい?」

 声を掛けて来たのは女の人だった……えっと…誰かな?

「ったく、死んでるのかと思ったぜ!」

「気味悪い…」

「え?えっと…ここは…」

「おお、初めて声を聞いたぜ…」

「す、すみません…」

 と、謝ってしまった…。

「えっと……?」

「もう、朝だよ…あんたずっとその格好でよく寝れたねぇ?腰痛くないのかい?」

「あっ!えっと?」

 外套のフードを外して、馬車の中を見回すと馬車に乗る人達の目線が私を見てる。
 なんだろう?

「あの、痛くないので…だいじょう……ぶ……です?」

 なに?みんなであたしの顔を見てるよね…というかここは?何処だろう?

「おい、あんた!奴隷なのか?」

「えっ?ど、奴隷?えっ?」

 何でそんなの……えっ?

「あんた首に奴隷紋があるじゃないか!ひぃ~」

「お、おいおい、奴隷と一緒かよ!どおりで馬車から出てこないと…」

「気味わりぃ~!おい!お前の主人は何処にいんだよ!」

「えっ、あ、あたしは…その……奴隷じゃ…?」

「奴隷じゃないなんて嘘つくなよ!なら何で紋があんだよ!」

「そ、それは…その……………あれ?何でだっけ?」



****#



 一方の暁彦は……屋敷の中でボンヤリのんびり…とはい出来ていなかった。

 イリヤが出ていったと聞かされてなんとも憤りを感じたが…まぁ、出ていったのであればそれはそれで良いと思って居たのだが…。

《主…出ていった者の記憶はどうするのですか?》

 こいつもう、あの子の名前すら言わないんだな…クク、はっきりしてるというか…ドライだな。

『別に良いんじゃないかな?あんなのが出ていったからと言って…家に不履行に為る訳でもないんだから…』

《甘いですねぇ…。人間どんな事があるか、分かりませんよ?ポロッと、ここの秘密でも喋ったりしたら?後々どんな事に為るやら…》

『ん~取りあえず、それは後だな!今はこっちが先だよナビ。今夜多分するよ…』

《了解しました》

 と、この場はこれで話しは終わったのだが……。

 その後、屋敷に新しく人を雇い入れてからの夜に暁彦は出て行ったイリヤの事を思い出した。

「あっ!そう言えば、あの人!以外と口が軽かったよな…」

《思い出しましたか?》

『えっ?うん…ねっ?どうしょうかと思ってさっ!やっぱり記憶は改竄しないと駄目だよな?』

《当たり前では?》

 な、なんか切れ気味なのはなんでだ?

『ハイハイ、分かったよ。なら……明日の朝には記憶が消えてて、奴隷紋が戻ってる様に……?』

《それでOKです!》

 何処でそれを覚えた……OKって……あっ!俺か…ハハ。

 なら、マップを開いて…イリヤを検索…。
 おっ、居たよ……見つけた!もう王都から出てるなぁ……。
 馬車に乗ってるんだ……よく乗れたね?
 金は余りない筈だと、聞いたけど……。

 まっ、どうでも良いか…なら~イリヤの記憶改竄してぇ~それから奴隷紋を、お返ししますよっと!

「はい!修了!」

《フフフ、明日の朝の……光景が目に……》

『ナビさん……』

 君……性格歪んでない?


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