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新たな町へ
517話 ワープ 改稿
しおりを挟むガインを庭に案内した後、ケイト達にガインを任せて俺は屋敷に戻っていた。
屋敷にはグレド達料理人が厨房に居たので顔を出して4人で話をする。
その間ブルーの食事タイム。
飯を食わせろと五月蝿かったので、黙らせる為に多めに料理を出して食わせてる。…これで暫く静かだろう。
で、また4人で話を始めた。
「しかしよ、旦那?」
俺に話しかけなからはブルーを横目で見てなにやらソワソワしてる。
見てると面白いから放っておこう。
「なに?」
「…人が増えたなぁ?」
と腕を組んでしみじみとオヤジ臭事をいうグレドだが……。
あぁ~そう言えばグレドはオヤジだったな……ハハ!
「まあそうだね……自分でもビックリしてるよ…」
「なに他人事みたいに言ってんだよ!」
「そうなんだけど……今回は失敗したよ」
「なんだよ、それは」
「ん?なんかさっ、揉め事の予感がビンビンするんだよなぁ~」
「なんだそれはよ?」
「疑うつもりはないんだけどなぁ…?なんか嫌な予感がする」
「旦那様、それでは訳が分かりませんが?」
「ハハ、そうだよね?」
まぁ…何にもなく穏便に日々を過ごせればそれで良いが……。
「よく分からねぇがよ、まっ取りあえず俺らは昼飯の支度に取り掛かるからよ」
「えっ?もうそんな時間か?だったら…食器の追加をしないとね。俺も厨房へ行くよ」
「だったら頼もう……」
「あっ!ここに居た!ハッハッ」
と息を切らせて厨房に飛び込んで来たのはゲイルだった。
ビックリしたぁ~会話の途中だったのに…まあ良いそれはあとだな。先ずこっちが先でも驚いた。
「な、なになに?驚いたなぁもう!なにゲイル君どうしたん?」
「どうしたとか呑気に言うな!ちょっと来てくれ!新人がヤバい、ってか追い出せ今すぐに!と俺は思うぞ」
ん………文脈が………まあ、分かるからいいけど?追い出せ?
やっぱり俺の感が当たったようだな。
「分かった門に行けば良いのか?」
「そうだ!直ぐにいくぞ!旦那様!」
「わ、悪い~。グレドさっきのは後でなぁ~」
「お、おう!」
「いいから来て!」
ガシッとゲイルに腕を捕まれて、引っ張ぱられてエントランスから外に出て、ずんずん無言で俺を引いて歩くゲイル。俺も取りあえず黙って、門に行くと見えて来たのはカシュー達に縛られてる双子の新人君達……一体あいつらはなにをしたんだ?
「ゲイル君?新人たちが縛られてるが?なにをしたんだ?」
「悪さはしてないぞ?ただ…仕事をしないとぬかしてるぞ?何であんなの連れて来た?」
「あっちゃー、やっぱりそうなったのか」
「なんだ?分かってたのか?」
「そう、あいつら底辺の冒険者なのが分かったからね。一旦は断ったんだよ!」
「分かったのに連れて来たのか?」
「そう、泣き付いてきた時に何でもやるからと言って来たからね。カシュー達が、奴らの泣き落しに絆されてな?仕方なく連れて来たんだが…こんなに早く掌を返すとは思わなかったよ」
ゲイルと話しながら、門に着くとカナルが頭を下げて来たぞ…なんでかな?
「旦那様すみません……やはり旦那様の感は合ってました」
「俺もすみません……。旦那様は嫌がってたのに、この二人の芝居に騙されました。すみません」
「……フフフ、だろ?」
「「すんません」」
二人が頭を下げて来る。
まあ、謝るんだから許すけどな。
泣き落として来たのはこいつら、それに絆されちゃった二人…まあ良くある事だ。
べつに目くじらを立てることもなかろう。
「この二人が、旦那様の反対を押しきって双子の言葉を真に受けたんだとか?」
「あぁ、そう言うことだよモルマン。それでこの状況は?」
「こいつら、ギルドで何でも仕事はするからと言って、旦那に雇ってくれとすがった癖に!俺らには、昼からの仕事はするがそれ以外の仕事はしないし!朝の点呼なんて下らないからしない。お宅らで勝手にしてくれと、ぬかしやがったんでムカ付いたから縛っただけです!」
「……やっぱりなぁ……おい!双子!」
「へへへ、なんだよ?」
縛られててもこの態度かぁ~頭が痛い。
「今カシューが話した内容は本当か?朝の点呼がバカらしいだと?」
ムカついたので少し威圧…。
俺悪くない!
「ひっ!嘘だよ!俺ら何も言ってねぇよ!こいつらが、突然俺らを縛ったんだよ!なぁ?これ、ほどいてくれよ?旦那なら、わかんだろ?」
わからん。
「だ、旦那様!」
「いいから、カナル……黙って?」
「は、はい……」
「ケケケっ!いい気分だ!旦那は俺らの味方だってよ!ほら早く縄をほどけよ!」
「カナル、ほどかなくていいぞ?このままギルドに直行するから」
「じ、じゃぁ……このままでも?」
「あぁ、良いぞ!分かったから……。カナルと、カシューこいつを掴んで俺を触れ!移動する。モルマンとゲイルは引き続き門番よろしく!」
「は、はい!」
「了解した……」
「旦那様バッチリ押さえました!」
「よし!カナルは?」
「こっちも大丈夫だ!旦那様肩を掴むぞ?」
「おう!ならいくぞ!【ワープ】」
カナル達が暁彦の肩を掴むと【ワープ】と唱えた暁彦がゲイル達の目の前からシュッと消えた。
「行ったな……さすがだ…………」
ニヤリと笑ってボソリとゲイルが呟いた。
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