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新たな町へ
480話 出て行く者は放っておいて。
しおりを挟むあ~出て行ったね…まっ別に構いませんよ俺は。
でも一言言わせて貰って良いかな?
「はぁ~?ケイトお前の勝手になにしてんの?俺はお前達の主だよな?ってかニングスは?」
「え?だって、あの子ここに居ても役に立たないし。屋敷の物が壊わされるだけよ。ニングスはイリヤを門まで連れて行ってるよ」
「ふぅ~ん門にね……(まぁ、良いかな)」
「でもさっ、イリヤさんは罰金…結構支払ってるから金ないんじゃ」
そう言う事ではなくてね?ヘンリル君!
「ま、仕方ないよ。自分の所為だよ?」
「自分で決めて出ていったのか?」
「当たり前でしょ?あたしだって止めたわよ?ちゃんとね」
「ちゃんとって……お前、勝手に…。ニングス居たんだろ?」
「仕方ないでしょ?旦様!あの子出てくって利かないしさっ!勝手に行っちゃったんだから!ニングスもちゃんと止めたけど……利かないんだよあの子」
「はぁ~わかったよ!仕方ないな。全く…また人を雇うのか?」
「旦那様、畑仕事なら私とベントンで何とか為るわよ?」
「そうなの?ベントン平気かい?」
「……あ、あの!」
「なに?馬の世話も大変なのです!畑もケイトさんと二人では…」
「こ、こら!ベントンあんた」
「何だ大変だったのか?」
「ま、まぁね……」
「イリヤが、畑でコケけまくって野菜の苗を何本も駄目にしてて…」
「本当か?ケイト」
「ええ、そうよ。もう、ベントン言わないって約束は?」
な、なんかベントンとケイトって?おやぁ~?
「それで?庇ってたのか?ケイト」
「仕方ないでしょ?あの子だって頑張ってたんだ。だけど、空回りしちゃうんだよねあの子。上がり症でさ」
お前…お母さんみたいな話し方止めた方が良いぞ?老けるよ?言わないけどな?ハハハ!
《失礼ですよ?》
『だから言わないってば!ナビ』
「そうだったか。なら仕方ないな…人は考えるよ。さて、ケイト飯食っちまえよ!」
「フフフ、もう食べ始めてるよ?旦那様」
は、早!って誰?
「お、マイナか。ありがとう助かるよ」
「いえいえ、どういたしまして。ブイ」
「しかし、そうか……出ていったか。一言礼くらいは言ってけよ!失礼だな」
「なに?カシュー気になるなら、追っかけてもいいぞぉ~。面倒はみないけどなぁ」
「しませんよそんなこと!唯ほら、最初から居た使用人ですし。旦那様にはあれ程世話になったのに!一言も無いのは違うと思ってです」
まぁ、そうだな。ドジだったとはいえねぇ?
でも出て行くなら知らんな。
《主!記憶は》
『まぁ、大丈夫じゃないの?』
《それは駄目です!何処に行ったか確かめて記憶は?消して下さい!》
『そうなの?面倒だな…なら後でね』
「ところでさ、話しは変わるけど」
「旦那様は切り替え早!」
「フフフ…出ていく者は知らんと、前から言ってるだろ?カナル」
「そうでしたね。失礼しました」
「気にしませんよ?俺はな。ふん!所でグレド、子供達を連れて来れば?この環境に慣れさせないと、この先色々不味いよ?」
「な、なら……」
「グレドさん、子供達の食事は用意できてますから、呼んできては?」
「タウルス…良いのか?」
「いいですよ?直ぐに出せるようにしておきますから」
「旦那、タウルスすまねぇ。なら連れて来るが…いいか?」
「構わないから、連れてこい!」
グレドが席を立ち部屋に戻る。
そして、暫く待つと子供達を連れて食堂に入って来した。
「ほら、ラルフ挨拶だ!」
「おはようございます」
「おはよう。ラルフ君達よく眠れたかい?」
「は、はい!」
「そう良かった。なら席に座って食事しょう。他の子達もね?」
「は、はい!」
「「父ちゃん!めしか?」めし?」
「お、お前ら!ちゃんと座れ」
「……うん」
「……」
「グレド……もう少し優しくな?」
「お、おうすまん。旦那」
「さあ、君達お父さんが作ってくれたご飯食べような?」
「は、はいすみません」
タウルスが子供達に声を掛けて、子供の目の前に食事を置くと、ラルフ君が礼を言いその下の子供ルメル君もタウルスに礼を言う。
「うん!おじちゃんありがとう」
「お、おじ……」
「ぶっハハハ!タウルス、ショックだな?」
「五月蝿いよ?カナルさん!」
「さぁ、お前ら食っちまえよ」
「はぁ~い」
子供三人の食事が始まり、俺達も食べ終わって無いものは食べ始める。
ある程度食事が終わるとまた食堂が賑やかになった時にラルフ君から声が掛かった。
「あ、あのアキヒ…コヒヤ…」
「ああ、上手く言えないよね?アキでいいよ?なにかな?ラルフくん」
「アキさん?」
「……できればアキくんでお願いしたいが?」
「じ、じゃ、アキくん」
「なにかな?」
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