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新たな町へ

478話 屋敷の主は俺だ!

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[主!主!これ起きろ!おきろーーー!]

【ベシ】

 ベシベシ小さな手で額を叩くのがいる。

「なっ、なんだ?いっ!痛ってぇーーー!」

 ガバと、ベッドから体を起こして痛いと叫ぶ!
 そして、状況を確認する。
 あぁ、ブルーか……くそ!

[おお、やっと起きたか!寝坊助め!]

「………………寝る」

 起こした体をパタリと倒してまた寝る事に…。
 うるさい……。

[こ、これ!起きろ!何故また寝る!これ起きろ!]

「ん~煩いよ。ブルー、俺は眠い……」

[起きろ!腹が減ったぞ!起きろ!]

「煩いよ!ってか、お前俺と一緒に食堂に行けないぞ?」

 布団に潜ったままでブルーと話しをする。

[な、何でだ!今までは良かったろ?]

「お前、子供が増えたの知らないのか?」

[知らん!]

「チッ!妖精達は察してたぞ?」

[ぬな!]

「だからな、ブルーも知ってる物だと思ってたが?」

[知らんもんは知らん!それより飯だ!ほれ起きろ!]

「仕方ないなぁ……ふぁ~!全く今まで庭で寝てたんだろ?」

[それはそれだ!]

「なんだ?それは。だからな今まで通り、庭に居てくれ!飯は後で運ぶから」

[ええ!それはないぞ!我も食堂で皆と飯を食う!]

「食うってもなぁ……」

 さて困ったぞ!グレドの子供達は未だ屋敷に慣れてな……この時間は起きてないか?

 まっ、行ってみるか…空きっ腹のブルーが癇癪起こして暴れても困るしな。
 仕方ない連れてくか?

「なら連れてくけどさっ、お前…騒ぐなよ?」

[我は騒がんぞ?何を言ってる?]

「分かったよ、でもその前に着替えるから待ってろよ」

[おう!早くしろよ!]

 ほんと偉そうだな!一体今は何時だよ俺は眠い。

《朝の4つ半ですね》

『うぅぅ……そうでしたか……なら支度するよ』

《それが懸命かと?》

 急いで支度してブルーに声を掛ける。

「ブルー!支度出来たから下に行くぞ。そんで、下に行ったら騒ぐなよ?良いか!なんなら今から騒ぐな!」

[我は騒がんぞ?寧ろ騒ぐのは主だ]

「ンな訳あるかよ!ほら行くぞ」

 俺がそういうと、当たり前の様にブルーがぽふっと頭乗ってきて直ぐに騒ぎだした…こいつは……!

[おう!飯、めしっ!]

「ブルー騒ぐなって、俺は言ったよな?」

[お、おう………]

「よし!」

 歩きだして直ぐに頭に乗って来て直ぐに飯、飯と騒ぐんじゃねぇよ五月蝿いわ!

 ブルーを頭に乗せた状態で、リビングに顔を出すと使用人の全員……居ないねぇまたかよ。
 一人足ねぇ……またかよ流石にそろそろかな?

「おはよう?みんな。今朝も一人足りませんなぁ……。マイナさん!イリヤは?」

「ん~起こした…けど起きないよあれは。旦那様?」

「無理にでも起こしてよ!マイナさん」

「いやいや、あれは無理だよ?」

「いやいや、起こしてよ……」

「だ、旦那様……朝から面白いからやめて下さいよ!くくく」

「フフフ珍しく、頭にブルー乗っけてる」

「そうなんだよ!こいつは朝から飯食わせろって五月蝿いし」

「フフフ。旦那様受ける。かわいい♡」

「マイナさん?」

「フフフ!イリヤ以外は全員いるよ?グレド他は厨房だけど……」

「はい!点呼ありがとう。マイナさん。で、約一名はどうするのかな?」

「あれは……もう、罰金払うお金もない。多分所持金は銀貨三枚……くらい?」

「はぁ……ニングス…今日で何回目?」

「少しお待ちを……コホン!本日で…通算25回目ですね。私も注意はしてますが…旦那様もそろそろお考えに為った方が?同じメイドのボエナも見放してます」

「え?ボエナそうなのかい?」

「え、ええっ……そ、それより頭のそれは?」

「ああ、気にするな!気にすると負けるぞ!でもお前も初日に見てるだろ?」

「そ、そうてしたか?アハハ」

[ええい煩い!主、飯は未だか!我に飯を食わせろ!いつまで待たせる!]

『五月蝿い!少し待ってろ』

[ぬぬぬ、飯を食わせぬと?]

『少し!待ってろよ』

[暴れるぞ!]

『ほほぅ……暴れるだと!契約解除するぞゴラアァン』

[ぬ、主しよ!そう凄むでない!]

『よし!分かったなら、大人しくしてろ』

[お、おう……………]

 ふむ……25回目……ルールを決めてからそれなりに日は経ってる。それでも起きて来ないのか?
 ある意味凄いのか?

《感心してる場合ではないかと?ルールを破るのは、さすがに頂けませんよ?》

『分かってるよ』

「それで、誰が行くのかな?起こしにさっ?」

 ニッコリ笑って使用人の皆さんに圧掛けて微笑む。

「あたしが行って来るよ。全くあの子は…」

「マイナさんは?」

「え?あたしは行きたくない!起こしたもん」

「そ、そうか……仕方ないな。さあ、取りあえずみんな食堂で飯にしようか?こいつが暴れそうだからさっ」

「良いんですか?」

「いいよ、俺がこの屋敷の主だ。問題はないよ。あっ、ニングスお前もイリヤの所に行ってくれる?」

「……畏まりました。それでは少し失礼します」

「頼むね。さ、皆は移動だ!いくよ」

 食堂に移動してそれぞれの席に着いた。

 因みに、マイナとボエナは給仕に回ってくれてますよ。



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