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新たな町へ
461話 グレドの家族 6…最低……な?それとも……?
しおりを挟むその日の夕食にローザは現れなかった。
仕方なく、ラフルに食事を持って行かせたが要らないと言ってたと言って持ち帰って来た。
「全く、あいつはいつまでも……ここで死ぬ気か?」
まあ、それだけ自分の父親が死んだのが受け入れられないのか…。それか余程旅がしんどかったのか…。
困った……向こうの町に戻って部屋を借りても子供だけを残して仕事なんて出来ねえしなぁ……。
かといって、子供をここに残して戻ってもまた寝込むことは目に見えてるし…。
他の仕事も探せないだろあれじゃ…。
なにを考えてるのか……。
そして次の日の朝に為り、出発の少し前の時間にもう一度グレドはローザと話すために部屋を訪れる。
「ローザ、入るぞ」
「………」
返事もないか…打がもたもたしてると時間が勿体ない。
「ローザ!」
無理やりに部屋に入ると、ローザは椅子に座りぼんやりとしていた。
「ローザ?どうした、ソロソロ俺は出るが?」
「ええ、知ってるわよ?気を付けて。私の事は気にしないで?」
「気にするな?なんだそれは!」
「煩いわ、早く出ていって。これで、子供の面倒を見なくて良いと思うと清々するわ。早く出ていって」
「お前は…そんなこと嘘でもいうな!」
「嘘じゃ無いわよ、もうんざりよ子供に貴方に振り回されるのは」
「振り回すって……お前。それじゃ俺がここに来なければ、良いと思ってたのか?」
「ええ、わざわざ…その旦那様?とかに、お金を借りてまでここに来なくても良かったのよ!そしたらあのまま子供達と死ねたわ!」
「余計な事をしたと?」
「ええ、お隣の嫌がらせは知って居たのよ。父は元々体が弱かったし、寝たきりに為ってからも神殿で診て貰うお金もなかったし。私は余り働けないし。もう働きたく無いのよ」
こいつ自殺志願者だったのか?こんなに無気力な女だったのか……。
俺と暮らしては居た頃は無理してたのか?
「お前、俺と商売してた頃は違ったよな?」
「ええ、あの頃は未だね?貴方が作る借金、あれが嵩む毎に嫌に為って居たけれど…」
「なら、子供は連れてくが未練は無いんだな?」
「…………別にもう無いわ」
「ふぅ……」
グレドは一つ溜め息をつき、怒りを抑えて部屋を後にした。
それから、子供達を急かして馬車に乗せ宿屋を後にして、町から足早に去ったのだった。
末の息子が、母親が居ないとぐっずったが…ラルフに宥めて貰いながら旅を続ける。
馬車の中で寝泊まりを続けて、グレドは馬車を操り時間を掛けて、暁彦達が待つあの町に戻どるために馬車を進めるのだった。
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