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新たな町へ

457話 グレドの家族 2

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 それから宿屋の中に入り、宿屋の奥にある居間に案内されて中に入る。

「ローザ、それにラルフ。久しぶりだな?良かったよ、生きててくれて。あれから3年…よく、よく無事で……」

「貴方こそ、私達を逃がしてくれたけれど。あれから心配してたのよ?どうしてたの?」

「あれから……恥ずかしいがな、奴隷に落とされちまっててな、奴隷商人に買われて牢屋の中に居た」

「…………そう」

「で、でもな?何だか不思議な旦那が現れて、俺を買ってくれたんだ」

「なら、未だ貴方は奴隷なの?」

「いや、奴隷じゃねえよ。ほらここに紋もないだろ?」

 と、首元にある筈の奴隷の証、紋様が無いことを二人に見せた。

「なら、貴方はもう自由なの?」

「いや、自由かと言われれば違うな」

「なにそれ?父さん、奴隷じゃないなら自由なんだろ?」

「そうじゃ、ないんだ。俺を買ってくれた主人、旦那には恩がある。あの人を裏切ることは出来ないんだ。今回は俺が旦那に我が儘をいって、お前達家族を探す旅に出ることを、旦那に許して貰って探して歩いて、それでお前達を見付たんだ」

「「……」」

「なら、私達はどうするの?ルネル達は病気で…」

「お前達を、連れて戻るつもりだったが…。先ずは、ルネル達の具合を見てからにしょう!回復薬が買えないと言ってたか?」

「ええ、高くて」

「というか、お前達もあまり顔色が良くないな?まさか、お前達も身体の調子が何処か悪いのか?」

「「………」」

「ルネル達よりは良いのよ。何とか動けるし」

「そ、そうたったのか…。薬なら俺が持ってる。今出すから飲んでみろ」

 グレドは暁彦から借りている鞄に、手を居れて回復薬を数本出してテーブルに出した。

「あ、貴方それは?」

「回復薬だ!飲んで見てくれ」

「で、でも。父さんこれ高いよね?」

「……子供が心配するな!ほら、ローザお前も、ラルフも気にせず飲んでくれ」

「な、なら…………………」

 ローザが瓶の蓋を開けて薬を一本飲み干す。
 その姿を見たラルフも薬を飲む。

「あ、あら……貴方!か、身体のこの辺りが、調子が良くなって……」

「ほ、ほんとだ!気持ち悪いのがなくなった!」

 ローザが、腹の辺りを擦り調子が良くなったと顔を明るくさせる。
 息子のラルフも、気分が良くなったと喜ぶ。
 そんな二人を見てグレドは、ほっと肩を撫で下ろした。だが未だ子供は二人居る。
 グレドは気を抜けないと気を引き締めた。

「本当か?な、ならルネルと、ルメドにも!それにお前の親は?寝てるのか?」

「……貴方……」

「父さん……、じいちゃん……は、先月具合が悪くなってそのまま…」

「そ、それよりルネルと、メルドにも。その薬飲ませても良いよのね?ねっ!貴方」

「ああ、早く飲ませてやれ」

「貴方も来ても頂戴!ラルフお前もよ」

「分かってる」

 そして二人の子供を、寝かせて居ると言う部屋に入りローザが二人に薬を順番に飲ませる。
 すると薬を飲んだ子供達が目を覚ました。

「ん……母さん?」

「かあちゃん?」

「あっ………目を冷ましたの?二人とも!分かる?」

「なに泣いてるの?」

 二人の子供が母がなく姿を見て不思議がる。

「ローザ……良かった……」

「ええ、ほ、ほら、二人ともお父さん帰って来たわよ!」

「え!父ちゃん?」

「あ!父さんだ!ほ、本当に?」

「ああ、お前達……帰って来たぞ?父ちゃんだ!」

「「父さん!」ちゃん」

 二人の子供を抱き締めるグレド。

 子供を抱き締めながら暁彦に感謝をする。

(旦那感謝するぜ……、ここまで戻ってこれたのはあんたのお陰だ……)

 それに、これからの話をこいつらにしないとな……。

「さあ、お前達はもう少し寝てろ。今旨い飯作って来てやるからな?」

「「うん」」

「ローザと、ラルフも飯にするか?俺が旨もん作ってやるから」

「あ、貴方でも……」

「父さん……」

「なんだ?どうした」

「ええっと」

「どうした?ラルフ、厨房に案内してくれよ?」




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