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新たな町へ
447話 カウンター越しね?
しおりを挟む馬車に乗ってギルドに向かう。
本当に揺れない馬車で楽だ~。
そんな馬車を不思議に思う人が、約一名……モルマンですね。
「あ、あの……旦那様?」
体格の良い男性から、旦那様と言われるのは慣れないなぁ~。
「えっとなに?」
「あの……馬車ってもっと揺れる物ですよね?屋敷に案内された時にも思ったのですが?」
「………多分そうだと思うけど……?」
「フフフ、モルマン。この馬車は旦那様の特製ですよ」
「は?特製……それは?」
「ま、まあ、そう深く考えると……寝れなくなりますよ?フフフ」
「なんですか?それは、ニングスさん」
「あまり考えるなって事ですよ。タウルス」
「はあ…………?」
「ハハハ。タウルスその旦那様は、不思議な旦那様だからな!こんなことで驚いてたら、心臓がもたんぞぉ~?」
御者のカナルがそんなことを言ってる……むぅ……。
否定できないから怒れない。
「そ、そういうなら割り切ります!」
「そうそうその方が、お利口さんだな。旦那から褒美が出るぞ?ハハハ!」
馬鹿言うなよ?カナル君。
どうして年上の男に褒美など、やらにゃ~為らんのだね?
君後でペナルティーね?フフフ、覚えてろよ。
「まったく…カナル貴方は、調子に乗って巫山戯けてると、後で旦那様に怒られますよ?私は知りませんからね?」
「……おっ、おう。旦那様!俺は悪気は無いですからね!ねっ!ねっ!勘弁してくださいね?」
「むぅ……カナル君……」
「は、はひぃ……。すみません」
「ぶっ!ハハハ!」
「な、なにかな?モルマン?笑うとこあったかい?」
「い、いえ。ハハハ!ただ、緊張感してたのが馬鹿みたいで……ハハハ!」
笑うモルマンを横目に、ニングスと顔を併せて苦笑いをする。
「全く……旦那様は……」
「え?俺がなに」
「いえ、なにも……フフフ」
「さて、旦那様!ギルドに着いたぜ?どうするんだ?」
「ああ、ならモルマンと一緒に馬車の見張りしてて、直ぐに戻るからさ」
「了解ですよ」
「なら、はい、二人で此れで飲んで待っててよ」
鞄から缶コーヒーを出してを渡した。
「旦那これは?」
「ん、これは?コーヒーと言う飲み物。甘い方が良いのかな?」
「……?」
「えっと…、ここをな、こう開けるだろ?それでな、ここから口を付けて飲めるからさっ!あっ熱いからね?気をつけて飲んでくれよ?」
缶のプルトップの開け方と、飲み方をカナル達に伝授してギルドの中に入った。
因みに、ブルーだが…夕飯のカレーをばか食いして俺の部屋で爆睡中だ。
**
ギルドに入るとギルマスとノルンさんが揃って待ってたぞ?
ん?時間的通りだよね?寧ろ少し早く着いたよね?なに、二人で雁首そろえて?
「今晩は?ギルマスにノルンさん。待たせたかい?」
「いや、そう待ってないぞ?」
「ああそうなの?それにしても、他の職員はもう仕事は上がったの?」
「ああ、ギルドの仕事は夜の6つ迄だからな。この時間は普段は開けてない」
「そうだったんだね?それは悪かったかな?」
「嫌構わねえぜ?此方が時間を指定したんだからよ」
「そう?それならいいや?で、いくらに為ったの?」
カウンター越しに立って四人で話す。
椅子は無いのな?良いけどさっ。
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