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新たな町へ
426話 夕食作り
しおりを挟む新人のボエナさんが水瓶と聞いて来きた。
仕方ないのでここは説明。
「瓶はないよ? その銀色の……わかる?」
蛇口のハンドルを指さして説明する。
「こ、ここですか?」
「そう、それを回すと、水が出る」
「え?ま、回すのですか?」
「そう……ほら、水が出たろ?」
ほらと、目の前で実演!それが一番早い!
「………す、凄い」
「感動してないで! 野菜洗って」
時間が押すんだよ。
「は、はい!ですが水が止まらないです」
「止めるのも、同じほら……止まったろ?」
「は、はい!止まりました!」
「感動は良いから仕事して」
このやり取りだけで時間が無駄になる。
早く支度しないとならないのに。
そういえば…料理人呼んで来いよ!
「マイナ!居るか」
「……」
「マイナ!」
「は、はい?なに」
「新しく入った料理人二人、呼んで」
「あっ、そうだった。ごめんなさい、今呼んで来ます」
「おう、宜しく」
「さて、野菜は……洗えてるね?」
「終わりました!」
「ありがとう、なら料理人が来るから交代してくれ。マイナの仕事手伝って」
「は、はい」
ベコリと頭を下げて厨房からそそくさと出たのを見送る。
すると入れ替わりでタウルス達が来る。
「「旦那様お呼びですか?」」
「ああ、すまないね?来たばかりで仕事させるのも悪いんだが、俺と一緒に料理してくれ」
「「は、はい」なにをすれば?」
「野菜の下拵えしてほしいな。えっと、まずニンジンは…」
「にん?」
「ああ、キャロだったね?これはこうやって、回しながら乱切りにして?」
「はぁ?変わった切り方ですけど?」
「出来る?」
「はあ…」
「出来ます!」
「ならキャロは、あと4本切って?それからイモモは。10個皮を剥いてから、4つ切りで、オニンは5個皮剥いて串切りで、こうやってな?」
「は、はい!」
「後は、イモモを別に10個皮剥いて。こうやって、串切りにして…取り敢えず宜しく」
「「はい」」
さて、俺は…肉に下味つけて切らないとな!
冷蔵庫から肉を探す……。
ん~肉はぁ~あ!全部凍ってる……マジか!
仕方ない冷蔵庫から出す振りして、牛の固まりだすか。
赤身が良いかな?煮込みだからな。
肉を出して、作業台で切って行く。
切りながら料理人達の作業を見る。
ほう、ちゃんと言った通りに進んでる。
よし、問題ないかな?
俺は、肉を切って塩と胡椒を振って肉を揉む。
「あ、あの」
「なに?えっと、タウルスさんだっけ?」
「はい、タウルスです、宜しくお願いします。で、なにをして?」
「え?これは肉に、味を馴染ませてるんだけど?」
「そ、そうですか……」
知らないって顔だよなぁ。
「そう、ほら手が止まってるよ?」
「はっ、すみません」
手がとまってると注意すると、また手を動かすタウルスさん……はぁ。
またグレドの時と一緒か…非常に面倒だよね。
そして、野菜が切り終わると今度炒めて煮るんだけど…ここでも一騒動だ!
フライパンで、肉を焼く。
そして、あらかじめ用意しておいた鍋に切って貰った野菜入れて炒めてから、水を入れて炒めた肉も鍋に入れて、ビーフシチューの素をぶちこんでシチューは暫く煮込めば完成だ!
火加減は注意しないとだがな。
後はポテトフライだ!
天ぷら鍋に油を入れて温めて、イモモを素揚げしていく。
バットに、紙を敷いてそこに揚がった芋を出す。これもちゃんと説明して、ヘンリルに任せる。
頼む火傷はするなよ?
そして俺は、サラダの用意。
キャベツの千切りは、タウルスさん知らないと言うから実演して教えた……。
だけど直ぐにできたよ、流石料理人だよな。
で、レタスに、キャベツの千切りと、ニンジンの千切りにを混ぜてサラダの出来上がり。
トッピングはツナにした。
「お、シチュー鍋かき回してね?」
「は、はい!イモモ全部揚がりました」
「そう、なら、こっちの皿に盛ってくれ」
どんと、大皿二枚に紙を引いてこの上に出せと指示を出す。
「これにですか?」
「ああ、そう。みんなで突ついて食べるからな」
「はっ?みんなですか?」
「そう、今日は食堂に全員は入り切れないからね、リビングと二ヶ所で食べるけどな?普段は全員揃って飯は食うから、宜しく」
「それって旦那様も、使用人達と一緒って事ですか?」
「そうだけど?」
「「………」」
なに?なんで無言?
また説明か!まっ、それは後でだな。
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