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新たな町へ

421話 ノルンさん苦しいから!

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 さて、雇う人員も確保出来たからな。
 早々にギルマスに礼を言って帰るとしよう。

「カシュー、ギルマスに挨拶したら俺達も帰るぞ」

「分かりました」

 面接をしていた部屋を出てギルマスを探す事に。

「人を集めてたのって、隣の部屋かな?」

「ええ、そうだと思いますが……。なんか隣の部屋、騒がしくないですか?」

「そういえば、騒ぎ声がするね。一体なんだ?」

 耳を澄ますと、部屋からギルマスを責める声が聞こえて来た。

「……&@*☆$_¨〈◆@_αじゃないよの!」

「そうよ!これからどうすれば良いのよ!」

「……だがそれを俺に言われてもな……」

 なに、なんだ?
 騒がしい部屋を覗こうとしたら、ナビから待ったが掛かる。

《主、今部屋に顔を出さない方が宜しいですようですよ。今中に入れば、確実に先程の女性二人が主を責めて来ます。どうやら不採用にされた事に、不満が有る様ですね》

『あぁ、そう言うことか…。なら、どうするか。なら……そうだメルさん捕まえて、伝言頼むか』

《その方が懸命ですね》

『了解』

「カシュー下に行って、メルさんに伝言頼んだら帰ろうか?」

「そ、そうしますか?」

「あぁ、どうやら面接に落ちたのが、気に入らないのだろうからな。そんなのに捕まったら長くなる」

 カシューと二人で頷きあって、騒がしい部屋から離れて一階に降り、メルを探すとカウンターに座っていたので、声を掛ける。

「メルさん、お疲れさまです」

「あら、上は終わったのね?」

「ええ、終わりました。流石に疲れましたよ」

「フフフ、それはご苦労様でした?所でギルマスは?」

「あぁ、ギルマスなら上で落ちた人に捕まってますよ?」

「あら、それは……。お気の毒ね?フフフ」

 な、何で笑ったの?メルさん。えっ?

「…で、私もこれで帰りますね。ギルマスに宜しく伝えて下さい。それとノルンさん居ますか?」

「ノルン? ちょっと待っててね」

「ええ、お願いします」

 メルさんに頼んで、ノルンを連れてきて貰う。
 暫く待つとメルがノルンを連れてきた。

「アキヒコ君、お待たせ!ほら、ノルンこっちよ!」

「んだよ面倒だな!」

 文句を言って奥からノルンが顔をだした。
 ぶつぶつ言うノルンの文句が聞こえたから、俺は軽く片手を上げて挨拶をした。

「やぁ、ノルンさんお久し振り。調子はどう? 突然呼び出してすまないな」

「お、アキヒコか? なんだよお前…来てたの?」 

「ええ、少し用事がありましてね?」

「そうか、用ね……」

「ええ、それよりあっちは(オークション)どうしましたか?」

「あっ? あぁ………あれな!ちょっとこっちに来い!」

 がっつり腕を引かれ、肩を組まれノルンに首を締められた痛いよ!なに?

「な、なんです?ノルンさん。痛い!痛いから。そんなに首締めたら死ぬから!締めなくても行きますから!」

「っせ!良いから来い!」

 なんだよ一体……あ!売れなかったのか?
 連れてこられたのは、解体倉庫だここは相変わらず臭い。

「アキヒコ……喜べ売れたぞ!」

 と、突然てすね?前振りって必要じゃない?
 てか、腕を首から離してください!苦しい…。

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