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新たな町へ

417話 面接開始 6

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 次に入って来たのはおお、紅一点女性だ!

《主!運命の……》

『ないから!黙れ』

「どうぞ、そこに座って……」

「……失礼します…」

 なんだかこの人、こちらを窺ってるのかな…でもなんで?

「名前と年と、職業を教えてください」

「……な、名前は……エメリア……年は25才です。し、仕事は宿屋で働いてました」

「宿屋ね…どこの宿屋?なんで辞めて来たの?」

「宿は潰れてしまって」

 潰れたね?これで二人目だな。
 もしかして……もしかする?

「あのさ」

「はい、なんでしょう」

「さっき一人料理人と話したんだけど……もしかして、タウルスさんと同じ宿屋?」

「えっ、そうです」

「顔見知りだよね?」

「えぇ、それは……知ってます」

「そうでしたか。で、私の所で働きたいと?」

「ええ、そうです。私には息子が居ます」

「え、息子さんですか?」

「ええ、息子と一緒に住める仕事を探してました」

「今迄はどうしてたの?」

「今迄は…宿屋のお給料で、部屋を借りてたのですが……この先の家賃が払えず」

「部屋を出たんだ。 え!いつ部屋を出たの」

「出たのは今朝です……」

 てか、荷物はないの?なにそれ……。

「で、うちで働くの良いけど子供はどうするの?」

「へ、部屋を借りて通います」

「そう。お子さんいくつですか?」

「今年で6才です」

「えっと、失礼ですが旦那さんは?」

「主人は、3年も前に迷宮都市に行ったまま戻って来ません……」

 め、迷宮都市……なんてあるのか!

《ありますよ……ここから三国離れた砂漠の都市ですね》

『砂漠ね……暑そうな、俺は無理だな。ハハハ!』

「そ、そうでしたか。それで、私の所で働くならメイドをして貰いますが。できますか? 出来ればしっかりした人が良いのですが…」

「し、しっかりとかは、分かりませんが…。宿では必要な仕事全般。えっと、掃除に洗濯、お客様を部屋にご案内するとか、後は配膳の手伝いとかは、やってましたが」

「そう……分かりました。で、住み込みは希望的しないで、良いのですね?」

「ええっ、住み込みは無理でしょうから。うちの子は少々我が儘で。その……手が焼けると言うか」

 あ!それは不味いね、うちは調度品が多い。
 勝手に持ち出されても困るし、色んな場所をイタズラされても困る。
 これは……無理かな?あ、でも通いか……。

「そうですか……分かりました。では次の人と代わって下さい」

「え、雇っては頂けないのですか?お金が無いと困るのよ!」

 またこれだよ……。

「部屋で待ってて下さい。後程ギルマスから伝えて貰いますよ?」

 ニングス、フォローありがとう。

「分かりました……」

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