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新たな町へ
415話 面接開始 4
しおりを挟む次に入って来たのも男性か……。
ここで運命の出会い!なんてアハハ。(恥)
《バカですね……》
『煩い……自分でも恥ずかしいんだよ!言ってみただけだよ!フン』
おっと、面接中だったな…気を取り直して面接だよな。
「どうぞ、座ってください」
「は、はい……」
ん?暗い雰囲気だね……どうしましたか?
「名前と年と職業を教えて!下さい」
「名前はタウルス。年は38。職業は元料理人だ」
ほぅ……料理人ね?仕込めば物になるかな?
「料理人ですか……」
「そうだが?」
「元とは?」
「店が潰れてクビになった」
「店がですか?」
「あぁ、そうだ」
「えっと……うちで働きたいのはなぜ?」
「給金が破格だったし、住み込みが出来るなら有り難いんだ」
「……うちは今、料理人が不在。だけど、元居た料理人は戻ってくる予定。その料理人が戻って来たら君は、その戻って来た料理人の、下で働く事になるが良いかな?」
「なら、その料理人のいない間は俺が仕切るのか?」
「まぁ、そうだけど……」
「俺は雇われが多かったから、そこは別に気にしない。逆に任されるのは、経験が無いから分からない」
「そ、そう。なら最所は俺が、料理を教えるんだけど……。俺の言うこと聞けそう?」
「はっ……あんたが?こ、子供だよな?」
「こっ!……あぁ、そうだけど?」
「ま、まぁ別に誰に教わっても、気にはしないが……。いま、料理長が居ないと言ってなかったか?」
「言ったね」
「なら、何であんたが、料理を教えるなんて言うんだ? 屋敷の主人は、どういう人なんだ?子供に料理をさせるのか?」
「………っ!」
「「…………フフフ」ま、まぁそう思うよね」
「カシュー!」
ニングスも、笑うなよ!
「ええと、貴方が不思議に思うのも無理はないですが…。我々の主人はこの方ですよ、今貴方に料理を教えると言ったこの方です」
「は、はぁ?主人が子供……」
子供、子供って……俺はこんなに幼くなくみえるの?
「まぁ、成人はしてるよ?これでもさ。で、教わる気がある?」
「そ、そりゃ~雇ってくれるなら……」
「そう、分かった。で、住み込み希望なの?」
「そ、そうだ。雇われてた店は、宿屋だったんだが……。突然潰れてしまって、住む場所も追い出されて、今は安宿にいるんだが。そろそろ金が底をつく」
潰れた宿屋ね…。ん…?
『ナビもしかして、もしかするのかな?』
でもあの事は結構前だよね?
《潰れた宿屋ですか。…まぁそうでしょうね?気にしなくて良いのでは?別に主が悪い訳では無いのですから。下心を出した、宿屋のオーナーの責任です》
『……なんとも複雑だね』
「そう。わかった。なら次の人と変わってくれるかな?」
「えっ?雇ってくれないのか?」
「それは、後から分かるよ。控え室で待っててよ」
「そうか」
スッと立ち上がり部屋を出ていった。
ほっ、良かった体格良く厳つい人だけど気は良さそうだな。
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