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新たな町へ

396話 孤児院の子供だった。

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「お待たせしました、旦那様!こ、この子です!」

 と、カシューが俺の前に一人の男の子を紹介してきた。

「……………(誰だっけ……?)」

「あ、あの……こ、この前……ず、随分前で覚えてないだろうけど……。ボ、ボク……クレイと言います」

 ちゃんと挨拶はできるんだ?あの、生意気な餓鬼はどうした?

「………あのさ」

「は、はい」

「なんで、俺の屋敷が分かったの?」

「えっと……シスターに聞いて、この辺に新しい御屋敷があるって……」

「へぇーー。それで?なんでここで、働きたいの?」

「えっと、チビ違が……。だ、旦那様の事を忘れてくれなくて。それで………ボ、ボクがここで働いたらまた、施設に旦那様が来てくれるかもって……」

 旦那様……ねぇ……。
 随分気を使ってるなぁ……これは困ったね。

「クレイ君だったっけ?」

「は、はい」

「君は何が出きるの?」

「な、なにも……」

 まあそうか……彼処じゃなあ。

「年は、いくつかな?」

「13才ぐらい」

「そう……。ここ住み込むのかな?」

「うぅぅうん。施設から通いたい、です」

「この事はシスターは、知らないよね?」

「はい……」

「なんで、話さないの?」

「反対されるし、それにあいつが煩いから」

「あいつ、って……」

「ヘキルが……」

「ああ、あの子ね……。でも良いの?君がここで働けば、そのヘキル?だっけ、その子が怒るだろ?」

「そうだけど……でも、僕達はいつまでも彼処に居れる訳じゃ無いから。それにボクは冒険者には、成れないし……。ボクが少しでも働けば、チビ達にも少しだけど良い物を、食べさせてあげれるかも知れないし……」

 理由は、ちゃんとしてるね。
 13才でしっかりしてるね……だけど。

「なら、ちゃんとシスターに話して了解を貰っておいで?この紙を読んで貰って、シスターの名前をここに書いて貰って来たら。働いて貰おうかな?それと給金の額は、ここにシスターの名前が入ったら教えるからね」

「う、うん!なら、シスターにちゃんと話してくるよ…じゃない来ます」

「そうなら、今日は送って行こうか。カシュー、ゲイルと一緒にこの子の送ってあげてよ」

「はい、畏まりました。おい、坊主行くぞ」

「は、はい」

 二人を見送ると、ニングスとグレドが二人揃って近付てきたよ?なにかな……あ!グレドそろそろ旅立ちかな?


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