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新たな町へ
381話 馬が懐かない
しおりを挟むニングスとリビングで、話しをするも未だソファーから立ち上がらず座ったままで居るのは、グレドがリビングに来る様だと分かって居るからで……。
「お、此処に居たんですかい?旦那」
「グレドか、今お前の話しをしてたんだけど?」
「な、なんです?話って」
「お前………空が懐かないんだって?」
「ど、どうしてそれを?」
「ニングスに聞いた」
「そうか……(聞いてか)はぁ~。そうなんですよ!旦那」
落ち込んだ様子で、俺にそうだと言ってくる。
馬は気難しいし、俺がテイムしてるから余計かな?
「ならグレド、今から馬の様子を見に行こうと思ってたから一緒に行くか?」
「それはありがてぇ~。何せ馬って奴は気難しくてなぁ~」
「そうだよなぁ……馬って、神経質だしな?グレド、旅先はで空を上手く手懐けてくれよ」
「それは分かってるぜ旦那!馬が病気になったりしたら大変だからな。空には、馬車を引いて貰うんだからな……」
グレドと話しながら厩舎に行くと、アイナとゲイルが馬達の世話をしていた。
「よう、お疲れさん。馬達の世話ありがとうな」
「あ!旦那様!どうしたんですか?」
「旦那様……馬が寂しがってるぞ?」
「な、なんで?」
「全く馬を見に、来ないからだろ?」
そうだった……テイムしてそのままだからな……。
でも馬……苦手なんだよねぇ~。
すると、馬達が騒ぎ出す。
「「「ヒヒィ~ン!」」」
な、なに?
「ほ、ほら、梅、桜…杏!騒がないで?よしよし」
「旦那様が驚いてるぞ!」
「ゲイル、マイナ。大丈夫だよ?梅、桜、杏……ほらニンジン食うか?」
鼻先にニンジンを出してやると、梅が喜んで食べ出す。
「お、旨いか?」
すると他の馬達もじっと俺を見つめる。
うぅ……馬達からの目線が痛い。
「ほら、お前達も食べろよ、空に陸もだろ?」
馬一匹づつ、ニンジンを食べさせていき空の前で立ち止まる。
「空……?」
《………》
「お前……グレドと、旅に行くの嫌か?」
「ヒヒ~ン!」
「な、なに?」
困ったな……何を言ってるのか分からん。
空の頭をそっと撫でて困り顔をする……。
取り敢えず……空に言い利かして見るかな?
「空、グレドと仲良く旅をしてくれよ?グレドを助けてやってくれ。頼んだよ?」
「…………?」
「そ、そうかわからんか?それとも嫌なのか……困ったな。いっその事新しく買うか!そうかその方が早いか!」
うん!良いこと思い付いた!
テイムした、馬は俺のだからな……。
馬達も俺から離れたら、ストレスが溜まって死ぬかもしれんしな!
だったら、新しく馬を買ってグレドに渡せば良いんじゃねぇ?
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