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新たな町へ
閑話 逃げ出した者 2
しおりを挟む門番が増えた……それはニグスを怪しんで一人の、門番が呼んだからだ。
「呼んだか?マバルなんだ?」
「すまんな、奴隷が逃げてきててな…困ってる」
「はぁ、奴隷がか?何でわかった……ああ奴隷紋か……」
「あぁ、しっかり付いてる。すまんが水晶を用意してくれ。あと上にも連絡してくれ、それとギルドにもな?カードの確認だ」
「ハイハイ、ったく!面倒だな」
「まぁ、そういうなよ?久々の事件だぜ?ショボいがな。ハハハ!」
「ちがいねぇな。それでそいつ引っ張るのか?」
「そうだよ。おい!お前こっちにこい!」
門番が手を伸ばしてニグスの腕を掴む。
「ち、ちょっと待ってくれ!俺は何もしてない!そのカードは俺の物だ」
「………嘘付けよ!どうせちょろまかして来たんだろ?何処から来たのか知らねぇが………そんな服貴族しか持ってねぇよ。首に紋付けたままじゃ直ぐに分かるんだよ。ほら、歩けよ」
ぐいぐい腕を引っ張られ、ニグスは詰所にある個室に押し込められ、事情を聞くと言われて座らされた。
「それで、名前は?」
「ニグスだ」
「ニグスね?……嘘はいけないな」
ギルドカードを眺めがら名前が合っている事に納得はするが、疑いが晴れた訳ではない。
「嘘じゃねぇよ!俺はニグスだ。親から付けて貰ったんだから」
「お前字の読み書きはできるのか?」
「………出来ねぇ」
ふむ………なら、この冒険者カードは本物?
だが……奴隷には冒険者カードは発行しない筈。
と、門番は不思議に思う。
そして、個室の扉が開きもう一人の門番が入って来ると、ニグスの目の前に水晶をだした。
「待たせた!水晶持ってきたぜ」
「おう!悪いな?そこに置いてくれ」
ゴトリと水晶がテーブルに、置かれてニグスに、触るように、命令する。
「お前……これに触れ」
素直に触れば疑いが晴れる筈だ。と確信するニグスは言われるままに水晶に手を置く。
俺はなにもしていないのだからな!
「………」
すると、ニグスが触った水晶が光りだした。
青白く光れば何もなし。
黄色く光れば元犯罪者。これは……余り例がない。
赤く光れば犯罪者のお尋ね者。
緑に光れば……奴隷が逃げ出した証。
そしてニグスの鑑定は………?
緑に光る。
そして赤くも光る。
「は、な、何で……」
「はい決まり!奴隷に犯罪者……良くもまぁ逃げ出せたね?その内ギルドからも連絡が来ると思うぞ?」
「そ、そんな俺は……」
おかしい、奴隷紋はあいつが消した筈だぞ!
何で紋様が、また…………あ、あいつだ!
あいつが俺に何かしたのか!しかも犯罪者だと?何で……あの化物の仕業か……チクショー。
そうだ……ここであいつの、不思議な力を話せば奴だって只では済まない筈だ!フフフ。覚えてろよ!
あの化物の面の皮を剥がしてやる!
こうなれば!引きずり卸して、俺と同じ目に合わせてやる!
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