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新たな町へ
349話 宿屋の売値は……白金貨
しおりを挟む「よし、金も渡せたな。ならサロンでお茶でもして、アキヒコ君と親睦を深めようか。それでだ!是非、我が屋敷で夕食を食べてくれ。あぁ、君の護衛達は……アギス別室に案内をしてあげてくれ」
「畏まりました。では、先に護衛の方々は此方へいらして下さい。旦那様達は暫く此方でお待ち下さいませ」
「ああ、頼む」
それから少し待っていると、アギスさんが戻ってくる。
「お待たせ致しました旦那様。では、サロンにご用意が出来て居りますので、向かいましょう」
アギスさんの後を、領主様とヒューグ隊長とギルマスに俺とニングスで、付いていくと貴賓室より少しだけ広く寛げる感じのサロンに案内をされた。
部屋は、成金ぽくはないね?部屋の家具や、装飾品は品が良いかな?
エンバルの領主と余り変わらないかな?
《失礼ですよ、比べたら。相手は貴族です》
『思ってるだけなんだから、良いじゃんか!それに悪く言ってないぞ?食事が怖いけどな!』
《フフフ》
なんだよ気持ち悪い笑い方だな!しかし……逃げたい。
「さぁ中に入って座ってくれ」
領主様から、ソファーに座ってと促されたので適当に座る。
この際面倒だからな適当に話して適当飯食って、早く帰りたい。
「失礼します」
カチャリと、音を立ててティーカップが前に出される。
「どうぞ、飲んでくれたまえ。我が家自慢のお茶だ」
「あ、ありがとうございます。で、では遠慮なく頂きます」
『ナビ、これ飲んで良いのぉ~』
《大丈夫です。飲めます》
出されたカップを持ち上げて、恐る恐る口に運ぶ………うん!普通………。
「お、美味しいです。流石貴族様ですね」
あぁ~お世辞が下手過ぎる。
「おお、君は……お茶の味も分かるのかい?」
えぇ……っマジかい?お世辞通じちゃったよ!
「えっ、えぇ。商売を始めたいと思ってるので、味は分かりますよ?」
「何の商売を考えてるのだ?」
「………そうですね、先ず手始めに雑貨屋なんてどうかな?と思ってますが。未だ先の話しです」
「おや?それは何故だい?」
「それは……場所と手持ちの資金繰りが、出来てないからですね。店舗を購入するにも、今は手持ちが少ないですから」
「それなら、先程言った宿屋の跡地を安く売ってあげるぞ?」
またその話しか……。
要らないんだけどなぁ……。あんな馬鹿デカイ建物。
「い、嫌その話しはご遠慮します。建物が大きいですよ?失敗したら大損ですからね」
「そうかい?白金貨4枚ぐらいだよ?」
白金貨4枚だよ?だと!くそ貴族の金持目が!
「い、いぇ。私達も生活がありますから……無理です」
「そ、そうか?だが、なにか困ったら相談に乗ろう。何でも言ってくれよ?なぁ、ヒューグ」
「ああ、何でも言ってくれ!力になろう」
「そうですか?なら、今度是非相談に乗って下さい」
ニコリと愛想笑いを浮かべてその場を流す。
そして俺は思う……………。
どうせ俺なんか、この屋敷に訪ねて来ても門番に追い払われるのが落ちだろうしな。
絶対に門前払いされる。
うん!社交辞令で流して置こうか。フフフ俺は騙されない!
《疑り深いのも、考え物ですよ?》
『良いのだ!石橋は、良く叩かないと』
《なんですか?それは?》
『ハハハ。気にするな!』
すると、突然サロンの扉が〈バン〉大きな音を立てて開く。
『何事すっか?』
《ご安心を、この屋敷のご令嬢だと思われます》
『そういうの、音がする前に言わないかなナビさん?』
《常に、マップ確認の癖付けて下さい》
『……………はい』
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