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新たな町へ
320話 天啓?
しおりを挟む「良く分かった……カシュー、カナル。悪いけど……こいつこれで縛ってくれる?」
「「はい!」」
鞄からロープを出して渡す。
本当はあんまり皆には見せたくないんだ、俺が冷たい選択をする場面をさ!
だってそうだろ?こいつら全員、数日前まで奴隷だったんだぜ?
こいつらの目の前で、きつい判断しちゃうとさっ!
ニグスのいう通り化け物とまでは、行かないにしろ……それに近い存在に、なっちゃうかもしれない。そんなのは嫌だよ。
俺は別にこいつらを力で押さえる為に、こいつらを引き取った訳ではない。
俺は、化け物なんてそんなものじゃないぞ!
《それは、ニグス意外は、理解してると思われますが?》
『そうかなぁ………?俺、あんまり現世で人と関わらずに居たからさっ!いまいち距離が掴めない』
《……》
お、無言だ。
「旦那様!縛って置きましたよ?で、どうします?」
「どうと、云われてもね……。俺まだ16だぜ?良く分からんよ?」
「あれ?旦那様15才だったのでは?」
「え?あぁ、今日誕生日だからね、今日で16だよ?なに?」
《おめでとうございます。そう言えば私からは言ってませんでしたね》
『お、おう?嬉しくはないが、ありがとう』
「「「「「「「「えぇ!」」」」」」」
と全員が驚き、声をあげる。
「う、煩いよ?なに……?」
「だ、旦那様……知らなかったとはいえ……その様な日にこんな馬鹿者を、出しまして……申し訳ございません」
「すみません……俺達は何も……」
「え?別に気にしないけど?たかだが誕生日だし」
「………旦那様……無頓着過ぎますよそれは」
「ええ、だって、俺が忘れてたくらいだし?」
「じゃなんで今日だと思いだしたんだい?」
「……ん~あ!今朝ね起きたらさ、なんか……天啓か、みたいな?」
「て、天啓……………!」
(そういえば……アルシャってなにくれたのかな?ま、後で確認しよう!)
呑気に考えてると……な、なに?
ニグス意外の、全員が膝を折って俺を拝んで…ねぇか?!………なに?(汗)
「あ、冗談だけど……、なにしてるの皆?」
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