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新たな町へ

314話 ギルドカードがどうしたの?

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 馬車の側に戻って不機嫌な顔を見せないように、身繕いして馬車の扉を開いて、ただいまと声を出し。
 馬車の中に入りソファーに座った。

「ただいま!ニングスに皆、戻ったよ。こちらは大丈夫だったかい?」 

「お帰りなさいませ。こちらは何も変わりはありません。魔物の方はどうしでしたか?」

「ん~ゴブと、クマだね」

「く、クマ?」

「あぁ~えっと……グランドなんちゃらだよ」

「は~ぁ~?グランドムーンベア?!」

「あぁ、それそれ、それが3頭が出てきた」

「で?大丈夫でしたか?お怪我は?カシューたちは?」

 質問が多い……それだけ心配してくれてた?

「ええっと、先ず!カシュー達は傷一つ無いよ。多分ね」

「多分って?」

「今ゴブの処理場して貰ってるから……ナイフで自分の指ぐらいなら傷付けてるかもよ?」

「それは……ないですね?」

「そう?なら怪我をしてる者は居ないね」

「そうでしたか……それはよかった。ですね……?」

「なに?ニングス……みんなと茶でも飲む?キッチンに軽く飲み物用意してあるよ?」

 勝手に飲んでよ……。

「あの……旦那様?」

「……………なに?」

「勘違いでなければ良いのですが……」

「だからなにさ?」

「頗るご機嫌が、悪くないですか?」

「機嫌……」

《最悪です、感情が駄々漏れです》

『ムカついてるもん。恩を着せる訳では無いけどさ!決して感謝しろよ!とも言わないけど、あの態度は無いよね?』

《…………複雑です》

「悪くないよ?唯ね………ぇ~。考えてる」

「あちらでなにか、ありましたか?」

 ニングスの【あちら】はゴブを狩った辺りの事を、言ってるのだろう。

「カシュー達が戻ったら聞いてみたら良いよ。そうしたらもう少し安全で、広い場所に移動して昼飯にしょうか?」

「…………分かりました。では、その様にしましょう。グレドにも伝えておきますね」

「よろしく。あれ?ところで皆は?」

「談話室で、ゲームしてますよ?旦那様に教えて頂いた、ジェンガにトランプあれは面白い。あれ、商売に出来ますよ?」

「そう?あれとか……前に見せた置物とか売りたいんどけどさっ!商業ギルドがあれだろ?だから計画が頓挫しててねぇ~」

 店を出したいとか商人巻き込んで、商品作りたいとか?色々あるんだけどね?

「そうでしたか……私も商売人でしたから。あの物の価値は分かります。ですが……商売を始めるとなるとギルドカードが必要ですからねぇ」

 あれが無いことにはどうにもと言ってるね?
 ……………持ってるよ俺?

「ん?ギルドカード?カードならあるぞ!ほれ。言ってなかったっけ?」

 アイテムバッグから雑にカードを出して、ポイっとテーブルに出して見せた。

「……………」

 なに?
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