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新たな町へ
303-1話 使用人達の雑談
しおりを挟む暁彦が先に自室に引っ込んだので、使用人達の話です。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
暁彦が自室に戻り、残された元奴隷の9人は暁彦からゆっくり楽しんでと、言われてリビングに残るが………。
「えっと……旦那様……行っちゃいましたね?」
「だね?旦那はああいうとこが、シャイだ」
「でも……優しいよ?私にも……いつも落ち着いてと言ってくれる。あたし焦っちゃうから……」
「俺にも……」
ゲイルとマイナは口数が少なく、大人しいので暁彦が心配しているのだ。なので、どちらかを見掛けると声を掛けている。
「……俺なんかいつも料理で世話になってるが……怒らねぇなぁ……?」
料理に関しては怒るより、根気よく教えないと自分の口にも入る物だからと、真剣に教えているだけである。
「グレドさん、料理美味しくなった。旨いよね」
「お、そうか?ゲイル!旦那には全然及ばねぇがな!覚える事が多いしなぁ~。旦那はスゲェ~ぞ!何せパンの焼き方も知ってるんだぜ!俺なんか、硬いパンしか焼けなかったのに。……どこであんなに料理を、学んだのだろうな?不思議な方だよまったく」
「料理もそうだが……この忌まわしい奴隷紋の呪いを解いちまったよ!それにあたしの足の怪我までだ……!まったく大した人だよ?あたしは感心したよ」
「そうだよなあ……俺らの呪いを全員あっという間に解いちまった。どんだけ魔力が多いのか……」
「でも……ニグス……。旦那様は、お前の事心配事してると思うぞ?」
「なんだよそれ!」
「ほら、俺の紋が解けたと伝えられたときにお前……事由だ!って叫んだろ?」
「あ!あれは……不味いと思ったが。つい……」
お前……あれは不味いだろ……とここにいる全員が思う。
「俺が冒険者ギルドで、紋を解除してもらった時に。もし逃げたらとか言っちまった。そしたら旦那は、寂しそうな顔してな。仕方ないと言ったんだよ。そして俺から離れて行くなら、好きにすれば良いとも言ってたな。そしてお前のあの《自由だ!》の言葉を聞いた時に本当に、寂しそうにしてたよ」
それと、少しだけで冷たく感じたな……。あの声は。何でだろうか?
「………そうか……。まぁ、最初はここから出る事を考えてたよ。俺を売った奴ら探して、ぶっ殺すのが俺の目的だったからな」
「ええ!でも奴隷に落とされたのは、旦那様のせいじゃないよね?何であんなに睨んでるのか……意味が分からなかったよ?旦那様はあそこから、助け出してくれたのに?」
「イリヤの癖に、煩い!それぐらい知ってるよ」
「イリヤ……あんた。ポンコツなのに、そう言う所は分かるんだね?」
「ポンコツって……酷い!ケイトさん!」
「だって、未だに食器……割ってる。あれ多分すごく高い食器だとおもう。よく旦那様笑ってられると感心する」
そこは心配はない。暁彦がちゃんと割られても大丈夫なように手は打っている。むしろ高いのはリビングに飾ってある、飾り棚の中だ!彼処は触らないように言い付けてある。
「マイナ!酷い!分かってる、私だってわかるもん!あれすごく高いものだって!だから私は死んでも旦那様に足向けて寝れない……」
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