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新たな町へ
閑話 探り
しおりを挟むそんなドレイドの気持ちも全く知らない、商業ギルドのギルドマスターは?
古い屋敷の様変わりに大変ご執心である。
ドレイドが忙しいと言って、宿を追い出されたキングスは商業ギルドの執務室まで戻ってきた。
「チッ何とかと探れねぇかねぇ~!なぁバンガ!」
執務室に戻ったキングスだが、先客が居たのにも構わずソファーに、ドカリとすわるとその先客に愚痴を漏らす。
「は?ですが……全く屋敷の壁を越えられないんですよ!」
「そう言えば……」
「なんだ?ラルズ!」
「昨日の昼過ぎに、あの屋敷の門の前に数台の馬車が横付けされたとか?」
「はぁ?なんだその話はよ!俺は聞いてねぇ~ぞ!」
「え?今言いましたからね?」
「テメー!ラルズ、舐めてんのか?」
「舐めてませんよ?俺だってさっき手下から、聞いたんですからね?」
「そうかよ。で?」
「で?とは?」
「だからどんな奴だったかと、聞いてるんだが?」
「え?知らないすっよ?なんだか不思議な話で門が突然開いて馬車が入ったと思ったら。また直ぐに門が開いて馬車は出ていったそうですぜ?」
「何だよそれはよ!だったら馬車に隠れて、中に入れたんじゃねぇの?」
使えねぇ~探ってこいよ!
「あ!そうすっね?でも俺が見た訳でわないすっからね?」
なんだそれはよ、本当に使えねぇ~!
闇ギルト頼っても……駄目か?
「おまえ!ちゃんと仕事しろよ?じゃないと………」
ギロリとラルズを睨む。
「してるすっ!その報告聞いて夕べあの屋敷を探るのに塀に登って、登りきれずに落ちちまったんだからよ!」
全く何だよあの壁!登っても内側に入れねぇなんて有りぇね~よ?気味悪いぜっ!ったくよ!
「怪我でもしたのか?お前」
「少し腰を打って、痛いんすっ!」
「どれ見せてみろ?」
「え!あ要らねぇ!見なくても良いすっ!いてぇ!」
キングスが強引に、ラルズの上着を引っ張り上げて腰の辺りをみる。
「なんだ、唯の痣かよ?心配でさせやがって!」
キングスがラルズの痣を「バチン」と叩く。
「いっ!てぇーーー!」
未だ痛みが引いていない痣に、また衝撃を受けたので転げ回ってまた腰をに手を回す。
「キングス何しやがる!痛てぇって、言ってるだろうよ!」
「ハハハ!そんだけ動ければ、未だ働けんだろ?屋敷探ってこいよ!ほら!」
「ったくよ!人使いがあれーんだからよ!」
文句だけを言って立ち上がり、背中を擦りながら部屋出ていった。
「何か掴めるまで戻るなよ!」
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