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新たな町へ

158話 元気でな!

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 そして次の日の朝。

「おはよう、みんな。今日も天気がいいねぇ~?」

 とにこやかに挨拶したが……あれ?なんか暗くない?どしたん?

「パトリックさん、おはよう。どうしたのみんな暗いけど?」

「あ、おはよう。アキ君…、みんな暗いかな?そんな事はないぞ。みんないつも通りだ!な、なぁマルク!」

「え!あ、うん、いつも通りだよアキ君。おはよう……」

 なんか、みんな暗いけど違うって言うなら放っておこう。触るな危険、だ!

「マルク君?」

「な、なに、今日の朝飯は?」

「え?」

「朝のメニューだよ!」

「えっと、スクランブルエッグとサラダにスープだよ。アキ君朝は、あんまり食べないでしょ?」

「お!ちゃんと俺の好みを覚えてるんだね?ありがとう。マルク君」

「当たり前じゃないか。ボクはこの宿を継ぐんだからさっ!アキ君もこの町に戻って来たら、必ず寄ってよね。今よりもっと、繁盛させて見せるんだからね!」

「お、おう、必ず寄るよ。忘れないでくれな?」

「うん!じゃ~ちょっと待っててね?」

 言うだけ言って厨房へ走り去るマルク、なんだか逞しくなったな?おじさん、将来が楽しみになったよ……。
 そして、朝食が終わり宿を出て行く時間になる。

 支度が終わり、忘れ物も無いな?
 部屋の中をキョロキョロと確認して、私物が残っていないかを確認する。

「よし!完璧ですな!さて、行くか」

 独り事を呟いて部屋を出て、一階へ降りていくとカウンターにパトリックと、マルク、ケビンの三人が居た。

「あれ?三人揃ってどうしたの?」

「どうしたって!見送りだよ。アキ君」

「そうそう、お世話になったからな」

 と言って渡したネックレスを、ぶらぶら揺らして俺に見せた。

「あ、ケビンさん、ネックレス付けてるね?大丈夫そうだ。これからも気を付けてね?あと、宿を助けてくれな?」

「おう!任せろ!アキヒコ君、君も気を付けてな?」

「おう!世話になった。ありがとう」

「アキ君!元気で。また戻って来てくれ、必ずだぞ。待ってるからな?」

「そうだよ!アキ君待ってるから!グズ」

「あぁ、必ずな?町に寄ったら顔を出すから、ほらマルク君泣かないの。ね?またね元気で、宿頑張って!パトリックさんも、頑張ってね?今度来たら店が大きくなってた!なんて驚かせてよ?」

「ハハハ、任せろ!」

「じゃ元気で頑張ってね」

 そう言って、三人に手を振り宿を出て歩きだす。

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