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新たな町へ
135話 馬鹿二人。
しおりを挟むその頃。
ワルドに依頼者された裏ギルドの闇冒険者が、二人で宿に入ろうとする。
………が、全く中に入れずに居る。
「おい!宿に入れねぇ!どうなってやがる」
どうやら客を装い宿の中を、偵察するつもりで居たらしいのだが。結界に阻まれ宿の中に入れず、宿前で二人コントを披露中である。
「他の客は入れる様だぞ。中には宿に入れない、客も居るようだが……」
一体どうなってるんだこの宿は?!
試しに、手を入れる弾かれる。
成らばと、足を入れて見るがこれも弾かれる。
そして、宿にすんなり入る客には怪しまれた。
「不味いな、不審者丸出しだぞ!」
「仕方ねぇ。入れねぇなら、宿から出た所をと捕まえて、ギルドに連れて行けばいい」
「だが、そんな事したら目立つぞ!」
「なら、どうするよ?」
「其れだよな?後、問題が一つ……」
「なんだ?」
「宿の店主の顔どころか、関係者の顔を全て知らんぞ?それなのに、餓鬼を観察するなんて難しくないか?」
「それも、そうだな?ならどうするんだよ!あの、クソマスターの以来なんて、受けやがって!」
「仕方ねぇだろうが。なら、店から出て来た客に、聞けば良いんじゃないか?」
「なら、お前やれよ!任せた」
「な、どうやって聞くんだよ!中はどうなってる?とか聞いたら不審者だろう?」
「言い出したのはお前だ、任せた。俺は取り敢えず……、違うやり方がないか考える」
だがここに居るのは不味いな。どこかで、観察するか?場所を探そう。
周りを見回せば、宿屋の向かいの建物の屋根に、潜めそうだ……。此処で暫く宿屋を見張り、夜の交代を待とう。(俺はこんな仕事は嫌だ。早々に抜けよう)
一方。
暁彦は、マップで宿屋の入り口から、入ろうとしている不審者を観察中だった。
ほほう、二人の不審者は向かいの建物の屋根裏に潜むのか。
……だけどこの先どうするのかな?絶対に中に入れないぜ。フフフ。
うん……馬鹿が二人だな?
そして店では、夜の営業が始まる。
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