母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ

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第10章

第17話 屋敷検分 2

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「次はキッチンだ!」

 カイトが元気にそう言うが、そのテンションはいつまで続くのかな?
 俺はウザイと思うぞ。

 って事でキッチン……土間に移動。

「な、なんだここ?」
「なんだって、ここがキッチンだな、図面上は」

 図目を見ながらカイトの問いに答える。

「キッチンって、土が見えてるんだけど?」
「古いからな、この屋敷。多分、何処の屋敷でもこんなもんだろ?」
「ええ!だってギルマスの自宅でも、こんな所じゃ………あっ」
「思い出したか?」
「うん、こんなもんだった。俺兄ちゃんと暮らしてる時期が有るから、なんか人とずれてるな」
「なんだよ、人の所為にしやがって」
「だって、兄ちゃんの造る家はキッチンが綺麗なんだよなぁ~」
「そりゃ~、俺が土間なんて不便な場所で、料理が出来ないからだよ」

 火起こしは大変だし、水汲みだって大変なんだよ。

 子供の頃に竈で料理してたの懐かしいぜ、泣けてくる!

「そうだよな、これが普通だったよ」
「我は……」
「ああ、ベルゼスはこんな所を見るの初めてなんだから、大丈夫。君の意見は今は求めてない」
「そうか、なんか済まぬ」
「気にしないでよ。兄ちゃん言葉きついよ」
「そうか?済まないな、ベルゼス」
「いや、気にしてない」
「さて、ここが、土間だけど。ここも埃っぽいな。カイト、そこから下に降りなよ危ないから」

 カイトが一段下がった土間に足を踏み入れようとしたのを止める。
 なんか土間の下が気になったから止めた。

「わ、分かった。なら次だぁーー次はぁーーリビングだぁーーー‼」

 カイトウザイ!そのテンションはいつまで続くんだ?

 カイトの後ろに着いて歩きリビングに向かう。

 カイトが、リビングに入ろうとしたが、床が抜けてて部屋に入る処ではない。
 本当にボロボロな屋敷だ、これであの値段?

 土地の値段だけで建物の値段なんて無いぞこれ。

 逆に解体費が欲しいくらいだ。

「が~ん。兄ちゃん、僕色々と屋敷の中を見たかったのに、全部こんな感じだろうと想像が出来ちゃったよ」

 なんだ「が~ん」って?

「まあ、外見からしてボロボロなんだから期待する方が間違いだ。俺は屋敷の間取りを見たかっただけだしな」
「兄ちゃん、色々とこの屋敷の中を見たけど、ここ買うの?」
「そうだなぁ~建物は壊して建て直せば住めるな」
「つか、前の家を出すの?」
「出すつもりだけど、この土地の広さの土地にあの家は小さいよなぁ~。あの家、ベルゼスには狭い思いさせてるし」
「我は別に何処でも寝れればそれで良い」
「だったらさぁ、この土地買ってこの土地に見合う家を建ててよ」

 そう来たか。

「まあ、そうなるかな。なんなら、この図面通りの広さの屋敷を建てるか」
「そうだよ、もうここで決めて住もうよ。僕らがその辺ふらふらするなら、ちゃんと拠点が在った方がいいと思うんだ」
「それはそうだな、なら決めるか。金も在るしな。拠点があればいつでも帰れるしな。寝ぐらには困らないだろうしな」

 金は減ったら稼げば良いんだし。

 つか、売り物はまだまだ持ってるしな。





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