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第9章

第16話 ドロップアイテムにホクホク。

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なんかすみません……本当……。
話がダブってました。
こちらが正しい話しです。


 ̄ ̄ ̄ ̄

 ボス部屋に出てきたのはミノタウロス……で、デカイ。

「兄ちゃん……あれどうすんの!」
「まぁ、様子見だな。取りあえず簡単な魔法を掛けてみろよ」
「ええ!兄ちゃんは?」
「ん?俺か?俺は…お前らが危ないと思ったら手を出す」

 フフン、今回もお前たちに任せるつもりだぞ!頑張れぇ~。

「だが、樹里殿……。あれはさすがに…」 
「良いから殺れ!ほら向こうが痺れを切らして攻撃してきてるぞ」

 四の五の謂うな頑張れよ!レベル上がらないよ君たち。

 ごちゃごちゃ揉める俺たちに痺れを切らしたのか?
 フシューと鼻息荒く、ミノタウロスが俺たちに手に持つ斧を振り上げてくる。しかも俺の頭に振り下ろして来たぞ!
 だが俺は咄嗟にその攻撃を交わして三人で後ろに下がった。

「うお!あっぶねぇ~!なんだよ」

 カイトが文句を言ってミノタウロスに突進していく。反射神経は良いんだよな、あいつ。

 だけどさぁ~違うと思うんだよね?と思い、カイトが突進していく後ろ姿を見て頭を抱える俺。
 カイト、君さっ?今攻撃を受けたの俺!俺だよカイト!
 駄目だあいつちっとも成長してねぇ……。

「っとに、あいつは!ベルゼス、あれのフォロー出来るか?」
「……無理を言わないで欲しいのだが?」

 カイトの動きをベルゼスと俺の二人で見学中だが……。
 剣を振り回してミノタウロスに斬りかかってるだけで、攻撃が僅かにしか効いてなさそうだ。

「そうか…そうだよなぁ…」

 あれじゃ……残念だよなぁ~仕方ない!
 カイトだからな手を貸すか…。

「ベルゼス!カイトが一度下がったら、奴の隙を見てウインドウアロー頼む。俺は上からウォーターアローを叩き込むから」
「了解した」
 
 それから………カイトが一度後ろに下がったのを見計らって、ベルゼスがミノタウロスの隙見付けて攻撃した!
 俺も間髪入れずにミノタウロスを攻撃して何とかミノタウロスを倒した。
 良かった頭を串刺しに出来た…。

 難なく戦闘が終わると、カイトのご不満が爆発する。が、それよりドロップアイテムの回収が優先。

 何せ出てきたのはミノタウロスの肉は勿論の事、宝箱には金貨とブレードソード……何故?
 それから宝飾品にオリハルコンの塊が出てきた。

 ふむ満足!ホクホクだせぃ~♪︎

「兄ちゃん!俺は怒ってるぞ!」
「五月蝿い!黙れ突進馬鹿め!」
「うっ……なんだよそれ」

 少しは考えろよ…お前には散々言って利かせてるだろ?

「カイト…少しは学習してくれ」
「なんだよそれは!ベルゼス」

 ベルゼス……カイトにそれを言っても…。

「取りあえず、アイテム回収したら休憩スポットに向かうぞ!お前ら」
「分かったよ」
「了解した!」

 休憩スポットの中に入ると、ガランと広い空間があるだけだ。
 こう言う風景は、40階のボス部屋クリア後から見てるから慣れてるが……。
 ……なんかもうあれだね、ここまで来ると誰も居ないのは明白で、休憩スポットも俺らだけに為るから適当な場所で好き勝手出来るのは有難い。
 なので今回は、空間作ってじゃなくて面倒だから家を丸々どんと出してそこで休憩だ。
 なんてお手軽なのだろうか。

「カイト、不貞腐れるのも程々にしてくれよ。飯食わないのか?」

 家を出した途端に、カイトは家の中に入るとリビングのソファーで膝を抱えて丸まって動かなく為った。
 一体何が面白くないのか?

 全く呆れて物も言えんなあれはと、ベルゼスと俺が顔を併せて二人で困り顔をした。

「カイト!飯は? 要らんのか?」
「……ふん要る!けど、兄ちゃん達ばっかりずりぃー」

 何が狡いのか?

「お前が突進してくからだろ?少しは人の意見に耳を貸して、頭でちゃんと考えて動け」
「んなん分かってるよ!でも、体が先に動くの!」
「でも、一旦引いて……」

 ああもう面倒だな!

「兄ちゃん、俺……力ないのかな?」
「ねぇな」
「うっ!(そんなハッキリ言わなくても、良いじゃんかよ。くそ!)」
「俺はな?お前とベルゼスが力を併せてって、考えが飛んでるのに驚いてるよ!」
「驚くって……」
「カイト、我と一緒だと遣りずらいのか?」
「い、いやそんなことはないよ……ごめん」

 ほほぅ……そこは謝れるのか?

「まぁ、少しは反省してるんだな?」
「まぁ、少しは?」
「何で疑問系だよ!」
「なんとなく?」

 面倒臭ぇこいつ……。

「仕方ない、これ食って風呂入って寝るぞ!明日もまた、この下に行くんだからな!」
「はぁ~い。後少しだね?」
「………さすがにそろそろ辛いのだが…」

 大丈夫だ!ベルゼスお前なら遣れる!
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